Black Orpheus ジャズスタンダード深堀り : リズムラボ

 "Black Orpheus "という曲名は日本では「黒いオルフェ」と呼ばれ親しまれている映画タイトルでもあり、ジャズスタンダード曲でもあります。
 国外でのこの曲の最も一般的なタイトルは、原題であるポルトガル語では "Manha de Carnaval" 英語では "Morning of the Carnival" となっています。英語の歌詞の一行目である「A Day in the Life of a Fool」という一文をタイトルとして呼ばれる事も多くある楽曲です。

 Black Orpheus は、ブラジルの作曲家ルイス・ボンファが、1959年のポルトガル映画「オルフェウ・ネグロ」のテーマとして書いた曲です。

映画はこちら↓

 この曲にはさまざまな歌詞がつけられています。ジャズ界ではCarl Sigman (カール・シグマン)の英語詞「A Day in the Life of a Fool」が広く知られています。
 この曲はジャズ界内外の多くのミュージシャンによって演奏・録音されたとても人気のある曲です。


録音でみるBlack Orpheus

 ジャズ音楽家らが、スィングで李アレンジしたスタジオ録音。
彼らの流儀で彩られたメロディは一層お洒落さを増したように感じます。


ギターと歌で聴かせるブラジルらしさ

 この哀愁感。これこそがブラジル音楽らしさだと感じます。どの様な音楽にも哀愁とある種の「抵抗感と彼らなりの哲学」を感じます。良く思われがちな、「ただ無邪気で陽気で向こう見ず」な姿を見かけた事は、ブラジル在住時にはほぼ見られませんでした。


ポルトガル語の歌詞で見るManhã de Carnaval 


Manhã, tão bonita manhã
この朝はなんて美しいのだろう。
Na vida, uma nova canção
私の魂が、新しい唄をもたらしてくれる。
Cantando só teus olhos
あなただけに唄う歌。
Teu riso, tuas mãos
あなたの笑顔やあなたの両手が
Pois há de haver um dia
いつかその日が来るでしょう。
Em que virás
あなたの来る日が。

Das cordas do meu violão
わたしのギターが奏でる音は、
Que só teu amor procurou
あなたの愛を求めて奏でられる。
Vem uma voz
聞こえてきた歌声は
Falar dos beijos perdidos
失った口づけを物語っている。
Nos lábios teus
あなたの歌唱が、、。

Canta o meu coração
私の心を謳い
Alegria voltou
歓喜が舞い戻り
Tão feliz a manhã
幸せに満ちた朝は
Deste amor
この愛が所以。

おわりに

 今回は1959年にフランスの映画監督がブラジルを舞台に撮影した映画「Orfeu Negro」の挿入歌を深堀してみました。
 ポルトガル語で綴られた歌詞は、ポルトガル語で言い表されるブラジルの会話の理解が無いと難しいかもしれないと感じましたが、映画を鑑賞するとこの歌詞の世界観が多少伝わるのではと感じます。
 この楽曲のエネルギーはなんといっても哀愁感と生命力。ブラジルがこうありたい!と願う古き良きブラジルの世界観がそのまま表れているように感じます。

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Isao Cato
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