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腹腔鏡手術、明けて腹痛と賞味期限
「あー、よく寝た」
麻酔から目覚めての最初の感想はこれでした。
「え?もう終わったんですか?」
と横にいた看護師さんに聞いたこと覚えてます。
私からしたら、目つぶって、次の瞬間目開けたら終わってたんだから、まぁそうなりますよね。
その間に、腹腔鏡手術は見事に終わってました。
その後のことは、また記憶が途切れてます。
たぶん麻酔で朦朧としてたんでしょうね。
後ほど判明したんですが、どうやら私、朦朧としている意識の中
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スマホ取り出して自撮りしてたみたいです。
アホなの?私。
こんなの撮った覚えないけど、スマホのアルバムにしっかり保存されてるから、撮ったんだろうなぁ。
つか、目が死んでるやん。
ただ、どうやら加工アプリで盛るほどの元気はなかったようです。
タイムスタンプを見ると14時49分になってました。
9時に手術室に入ったから、およそ6時間ほどの手術だったと思われます。
その後再び眠りについたのか、記憶が途切れるのですが、次に目覚めた時からの記憶は鮮明に残ってます。
目覚めて、ちょっと喉がイガイガするなぁ、なんて思っていたら、突然。
痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!
お腹がめっちゃめちゃ痛くなった。
例えるなら、お酒飲みすぎて翌日お腹下してトイレに篭って、もう出るものもないのに便意だけはあってお腹が痛む、あの痛さ。
うんち出ないのにうんち出そうなな感覚だけあって痛い。
とにかく痛い。
たまらず枕元のナースコールのスイッチを押す。
地味に人生初のナースコール。
「どうしましたかー?」
「お腹が痛いんです!!!!!」
看護師さんが来てくれたけど、とにかく私は悶絶するしかできなかった。
うー!うー!うー!
唸りながら七転八倒してしてると別の看護師さんが来て
「あの、ご家族が面会に来られましたけど…」
と。
痛みで言葉も話せない私を見て
「あー…。もうちょっと待ってもらったほうが良さそうですね」
と察してくれた。
痛い痛いと騒いでいるとお医者様も来てくれました。
「うんちが出そうなんだけど、出ないみたいな感じでお腹が痛いんです!!」
「しぶり腹みたいな?」
みたいな?って言われても生まれて初めて「しぶり腹」という単語聞いたので
「そうです、それです」
なんて言えないんですよ。
みたいな?じゃないんですよ。
気がつくと嫁さんと息子も病室に通されて、「大丈夫?」とか聞かれるんですが、どう見ても大丈夫じゃないんですよ。
手術後の面会ってもうちょっとキレイな感動の再開みたいなイメージあったんですよ。
うつろな目で家族に「大丈夫だ、心配するな」と訴えかける患者。
がんばって、と手を握り励ます家族。
みたいな。
ところが、そこにあったのは悶絶する患者と、どうすることも出来ずに遠巻きに見守る家族、というただただ地獄みたいな構図を生み出しただけでした。
うー!あー!と騒いでいると、私の身体にある変化が。
「せんせぇ。。。」
「どうしましたか?」
「なんか手足が痺れてきました。。。」
「あかん!あかん!過呼吸や!!ゆっくり息して!!」
「すーーー、はーーーー」
さすがお医者様、手足の痺れと聞いただけで秒で過呼吸と判断されました。
その後、オムツめくられてお尻丸出しにされてるところを息子に
「見ないでぇ」
と懇願したりしつつ。
どうすることも出来ずに家族退場。
別れ際、私が家族に伝えたこと
「冷蔵庫の中のお惣菜、古くなってるからもう捨てて」
何を伝えてるんだ、俺。
他に言う事あるだろ、俺。
今考えても謎。
後ほど思い出してみると。遡ること30年以上前。
当時学生だった私の母親が、虫垂炎で緊急手術となり入院したときのこと。
手術終わって面会にいったら
「野菜室のキャベツ傷んでるから食べたらダメ」
と言われて、今それ必要な情報か?と不思議に思ったことは忘れられない記憶。
血である、血。
結局謎のお腹の痛みは、手術でお腹をふくらませるために入れたガスが抜けなかったんだという理由が付けられました。
以前にも人間ドックで大腸内視鏡検査をした直後に、似たようなお腹の痛みでぶっ倒れて家まで運ばれるという事案を起こしたことも相まって、きっとガスが抜けにくい体質なんだろう、ということに結論付けられました。
その後、夕方くらいまでは痛い痛いって苦しんでましたが、ガスが抜けたらなんとか楽になりました。
…が、その夜は本当に辛かった。
吐き気が一晩中続くわ。
猛烈に喉が乾くのに、水飲むことはできないので、くちゅくちゅぺーのうがいで喉の乾きを抑えるわ。
熱が出たので氷枕を持ってきてもらって、これが気持ちよかった。
これから数日は氷枕のお世話になりました。
夜中、この苦しみがずっと続くならどうしようか、と真っ暗な部屋で思ったことを覚えてます。
そう考えると、今は毎日お酒飲んで、なんの苦も無く寝て起きてできてるの、幸せだなぁ。
あんなに苦しかった夜のことも都合よく忘れるんだから勝手なもんだ。
手術後つらい人へ
きっとそのうち良くなるからがんばれ。