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消えた楽勝ムード

大腸に癌細胞さんがいてはるということで、突如人生初の入院して、手術するということになったお話の続き。

手術とは言っても内視鏡で癌細胞を切り取るだけ、という感じで、癌細胞のところに輪っかかけて電気でジュッ!ってして切り取る感じ。
人間ドックでポリープ切ってるのと変わらんやん、という印象。
4日間入院ということで、大学病院の本棟ではなく、がん治療や研究の為に建てられた真新しいセンターに入院することになりました。

4日間の入院なんて、軽い旅行みたいなもんやん、的なノリでここ10年まとまった休みなんて取れなかった自営業者としては
「ちょっと羽伸ばしてくるかー」
的なノリでいざ病院に向かったのでした。

入院の手続きして、個室に案内されて、びっくり

めっちゃ快適空間やん、なにこれ
(病院にネットに写真上げてよいか確認したところ、他の患者さんが映ってなくても、文字や風景などが映ってどこの病院か分かるような写真はダメとのことでしたので、窓にモザイク処理してます)
景色もきれくて、ほぼリゾートやん

入院初日は特にすることもなく

仕事してました…
悲しき自営業者。
私が入院してようが、手術してようが、お客様にはそんなの関係ないので、やることやらなきゃいけないし、メールも来るし、電話もかかってきます。

合間、合間でいろいろな先生や、薬剤師さんや、看護師さんが来て、色々説明してくれます。
「内視鏡で切るだけですからー」
「なんで4日の入院計画なんですかねぇ、3日でも大丈夫じゃないかなー」
なんて、皆さん和気あいあいとリラックスさせてくれました。

明けて二日目。
この日は内視鏡の日。
ということで、

また会いましたね、モビプレップさん(2ヶ月連続)
そして、新たな発見をしました。
これ、冷蔵庫で冷やしながら飲んだら、まだちょっとだけ飲みやすい!
飲みやすくてもお尻から噴水祭りは変わらないんですがね。

いよいよお尻から無色の水がしゃあしゃあ出てきたら、トイレからナースコールして、看護師さんに排泄物を見てもらって、いざ手術室に。

今までの人間ドックの内視鏡では、鎮静剤を入れられたら即落ちして、気がつくと検査終わって別の部屋だったんですが、今回は鎮静剤の量が軽めなのか、なんとなく意識は飛び飛びでありました。

モニタに映った自分の腸の中の映像見ながら、お医者さんたちが色々話してるなーなんて寝ぼけながら聞いておりました。

ふんわりしていると終了。
楽勝。

あっ、点滴が繋がってる!
人生初の点滴台だ!!

何故かテンションが上がる私。
意味なく点滴台を転がしながら、院内の廊下を歩いてみる。
一度やってみたかったんだろう、たぶん。
松葉杖とか、ギプスとか
なりたくないけど、やってみたらどんな感じか、ちょっと体験してみたいけど、でもなりたくない
ってヤツありますやん。
アレ。

そんなこんなで、また翌日。
初日に和ませてくれたお医者さまが結果伝えにお部屋に来てくれました。

あれあれあれ??
なんか心なしか、前より笑顔の量が少ないぞ??

「えっと、思ってたより癌が深く入ってましてぇ。
正確には検査に出しての結果待ちなんですが
もしかしたら、外科的な手術が必要になるかもしれないから、外科の予約取っておきますね」


それ、ほぼ確定ですやん。

私は、癌細胞は腸の粘膜の外側だけにちょこーんとおって、それをちょきーんって切ったら、はい終わり、っていうルートを想定していんたんですよ。

なんかちょっと雲行き怪しくなってきたぞ。
てゆうか怪しいどころか、違うルートに完全にはいってるじゃねーか。

癌細胞が深く育ってたらどうなるの?
えー、やだ、怖い。

この時、初めて、ちょっと焦りました。


実は、この後の退院したときの顛末が10倍大変だったんですけどね。
入院した時は嫁さんが病院まで送ってくれたけど、退院時は嫁さん仕事の関係で来れなくて。

しかも、退院した日がリミットの会社の税金の払込があって、7月の猛暑の中、入院した大荷物抱えて、滝のように汗流して電車乗り継いで、歩き回って。
銀行からそのまま会社に行って、即仕事して。

癌は育ってたわ、休めないわ、暑いわ、忙しいわ、税金取られるわ、
生きてて楽しいのか俺、みたいな気持ちになりました。

みなさん。
退院した人は色々傷ついてるので優しくしてあげましょう、というお話でした。

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