「ふつう」が好きな日本人
「大変良い,良い,ふつう,悪い,大変悪い」のような5段階評価のアンケートにおいて、日本人の回答傾向は、「良い」と「ふつう」に集まるといわれています。自分もよほど評価に値すること以外は、「良い」ですし、まあまあ、可もなく不可もない感じだと、「ふつう」にマークしている感じです。中流意識とか、中の上が理想のような風潮もありますから、これは日本人にとって文化というか気質なんでしょうか。
日本人は、イエス・ノーをはっきりと意思表示しないで、曖昧な雰囲気をするために、特に欧米人からは、こういった態度を理解できないし、そもそも自信がないからだと決めつけられることがよくあります。本当に自信がないからでしょうか。
我が社におけるスキルレベル評価では、欧米チームに比べて、日本チームの自己評価は常に低い自己評価になります。自己評価ですから、実態を必ずしも正確に反映していませんが、本来の保有スキルレベルに大きな差は見られません。これは日本人の謙虚な気持ちなのでしょうか。
日本人の相手に対する遠慮や謙虚な気持ち、それに即答を避ける慎重さからきている面から、おのずと極端な評価を下さない傾向があるようにも思います。「出る杭は打たれる」ということわざがあるくらいですから。それとも目立った行動や慎むように、相手や全体のバランスをよく考えて行動するように子どもの頃から教えられてきた影響なのでしょうか。
昭和から平成では、一般的であった中流意識が減少しつつある今、日本人全体の社会観も変化してきているので、「ふつう」好きからの脱却が起こるかもしれません。