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金閣寺
鹿苑禅寺、金閣。ことし(2022)あたりからガイド新人実地研修が再開されはじめ、各種参加しているがコースに組み込まれることが多く、もう3回も行ってしまった。定番中の定番ですしね。しかし自分はずいぶんと久しぶりである。関西人って案外、京都奈良は行かないしな。ましてや「金閣?んなとこ行ってもねえ」的感覚は否めない。
というわけで久しぶりに見た金閣。圧倒的にキレイである。記憶にあった姿よりはるかに立派。昭和末期の大改修のせいだろう。しかし美麗すぎてなんだか梅田あたりのピカピカのインテリジェントビルみたい。もし庭園がなくて金閣がポツンと建ってたら「ううん、これは」と思ってしまうのではなかろうか。
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個人的感想はさておき、ガイディングポイントをおさらい。
・舎利殿(金閣)
何をいえばいいのかな。わかりやすい美しさなので余計な解説はいらないんじゃないのか。よく言われる一階寝殿、二階武家造りで武家の優位性を誇示したかったってのもなんか怪しいような。単にデザイン上の問題ではないかという気もする。再建建築なのに中に入れないのは残念。
・鏡湖池
まんなかに葦原島を配した、足利義満の浄土への憧れを現した回遊式庭園といわれるけど、実際は金閣が建てられる以前の西園寺家の山荘だった頃からあるものらしい。困る。浄土式庭園の意味を簡単に解説するくらいかな。
底に白い泥が敷いてあるのでわずかに濁っていて、これは水面に映る金閣を鮮やかに見せるため、とかいうのはいい小ネタかも。
・鯉魚石
鯉魚石数あれど、これはとてもわかりやすい。距離近いし。謂れを説明するのはいいけど、日本の仏教がいかに中国風味付けされてるかを先にいっとかないと、なんで中国の故事が突然出てくるのかわかんないかも。ポケモン知ってる人ならコイキング(英語ではMagikarpというらしい)とギャラドスで説明できるんだけどな。
・夕佳亭
ここで昔、住職が後水尾天皇をお招きして茶席を設けたのですよ、高貴な方をもてなすにしては随分質素ですが、これが茶の湯の精神ですよ、とか。ほんまかい。
・不動堂
厳密には境内の外になるらしいが、お香のにおいがプンプンしてるし無視もできんな。金閣寺ができる前からここにあるお堂です、金閣寺とは違う宗派なのです、とか。不動明王とか密教とか説明しはじめるとキリないし困る。テーマはできるだけ絞ってほしいもんである。
個人的には横っちょにあるダキニ天の祠が興味をそそった。調べてみると、義満はダキニ天を信仰してたらしい。武将に人気のあるカミサマで、家康も厚く敬い、だから関東には稲荷社が数多くあるというのは興味深い。外国人に説明することじゃないだろけど、伏見稲荷との関連で憶えておいてもいいかもね。
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