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平和が到来すると経済は停滞し物価水準は低下する ゴールド97

1861年に南北戦争が始まると、合衆国はドル紙幣の金への兌換を停止した。

戦時中、どこの国でも金の保有高が減少すると紙幣と金の兌換が停止されたが、合衆国もこれと同じ措置を講じた。

そして、戦時中、どこの国でも慣例となるもう一つのことを行う。もちろん、合衆国も同じことを行った。

新しい紙幣の発行

南北戦争中、合衆国財務省は戦費を調達するために新しい紙幣を発行した。戦時中、新しい紙幣を発行することはどこの国でも行っていた。

合衆国が発行した紙幣は、俗にグリーンバックとして知られた。

このグリーンバッグは金とは兌換できない紙幣であるが、「合衆国紙幣」という正式な名前が印刷されていた。


グリーンバック

今日においても、グリーンバックというニックネームはアメリカのドル紙幣の一般的な識別名として使われている。

そして、今日のドル紙幣と同じように当時のグリーンバックも法定貨幣だった。

もちろん、グリーンバックは法定貨幣であるので、債権者はグリーンバックによる返済の受け取りを拒否することは出来なかった。


南北戦争の終結

1865年に北軍の勝利で南北戦争は終結した。

そして、1866年にグリーンバックを回収するための法案が可決された。

しかし、南北戦争終結によりインフレが収まり物価水準には持続的なデフレ圧力が加わってきた。

歴史を通じて、平和が到来すると経済は停滞し物価水準が低下するが、南北戦争終結時も同様だった。


グリーンバックを回収するとデフレを推し進めることとなり、そうすると農場主や企業のような債務者を苦しめることとなる。

したがって、1866年の法案の見直しがすぐに始まった。


ゴールド 金と人間の文明史 ピーター・バーンスタイン

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