ゴールド 64 市場は一つづつ金本位制への段階を踏んだ
1611年、イングランド王チャールズⅡ世は枢密院令を発して貨幣の発行に関する革命的な発明を採用するように命じた。
そして、この枢密院令が発せられてから、市場は一つづ段階を踏み、金を本位とする神聖な諸制度の確立に至った。
なお、この金本位制は19世紀、20世紀のほとんどを通じて世界経済を支配することとなった。
ここで「金本位制」について説明したい。
実質価値と額面金額が一致した鋳造貨幣のことを「本位貨幣」という。
※鋳造貨幣とは一定の純分を持つ一定量の金、銀を貨幣として鋳造したもののこと。鋳造貨幣の特色は、どれ一つをとってみても、同じ純分と同じ量の金、銀を含んでいることが証明されていること。
鋳造貨幣は初めはこの「本位貨幣」だった。
しかし、そのうちに実質価値以上の額面で使われる「補助貨幣」が鋳造され、「本位貨幣」、「補助貨幣」が同時に使われるようになった。
そして、鋳造貨幣につけられるポンドやドルといった計算単位がそろったときに「貨幣制度」が誕生したといえる。
当然、このような「貨幣制度」の中心になるのは「本位貨幣」である。
その「本位貨幣」として金を指定した場合を「金本位制」、銀を指定した場合を「銀本位制」という。
なお、金、銀のどちらも「本位貨幣」として使う場合は「金銀複本位制」という。
ゴールド 金と人間の文明史 ピーター・バーンスタイン
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?