#47 変わること、変わらないこと、新しく作ることの狭間、そして進むのだ|伊佐知美の頭の中
旅友だちが、先日おもむろに貸してくれた「体癖」という本を読み始めた。彼はすごくおもしろくって、このメンバーシップ主催のトークイベント「頭の中見せて!」にも登場してくれた人なんだけど。
野口整体、って聞いたことありますか? 私は彼に教えてもらうまで知らなくってね。ざっくり述べさせていただくと、「体と心を一つのものとして捉えて」「気の概念に基づいて人を診る」整体の流派、ということらしい。
私はその中でも「山田先生」のいる水道橋の整体に、彼に連れられて今まで何度か訪れた。そこは、とても不思議な空間でね。静かで、澱んでいない。
そして、今年の2月頃かな。つわりがどうしてもおさまらないとき、「行ったほうがいいですねぇ」と彼が言うから、数年ぶりに一緒に訪れてみたの。予約が取れないことで有名な整体だから、2人分一緒に近々で予約が取れるなんて、すごいな、と思いながら。
数年前と変わらない部屋、変わらない先生、変わらない畳のお部屋。つわりがひどいのは、2つ理由があって、そのうちの1つが骨盤が開いていないことだ、と山田先生は言った(妊娠すると、出産に向けてホルモンが「骨盤を開け〜」とずっと命令して、実際にその通りになっていくはずなのだ)。
そして、正座する私の腰の辺りを、ゆっくりと順に指で押すと、なんていうかな、私は「全身が膝カックンされたみたいな」、その度に「小さなボルトが抜かれていくような」感覚を得ていった。そして、同時に突然お腹が「ぽこ、ポココポ」とも鳴り出した。
その日は、基本的にはそれだけ。そしてにわかには信じ難いけれど、その日を境にあんなに辛かったつわりは急に終息へと向かっていく。
山田先生はこうも言っていた。「今回は母体を診たけど、妊婦さんは基本的には胎児の方を診ていく」と。母体はそこまで触らずに、仰向けになった母体の腹に手のひらを当てる。そうすると、「胎児の成長に足りないところ」が自然とわかって、補われていくということだった。
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ええと、何の話をしたいのか、というと。
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