新婚旅行でアラスカに行った話 #5
どーも、勇魚です。
新婚旅行でアラスカに行った話、第5回です。
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土砂崩れによりキャンパーバスが運休してしまい、一時はどーなるかと思いましたが、無事に1日で復旧しました。当初の予定では足を運ぶつもりのなかったサベージリバーでとても素晴らしい自然を満喫することができ、結果オーライでした。しかしここから公園内の天気は下り坂、ついにデナリのお膝元ワンダーレイクに向かう我々はその姿を拝むことができるのでしょうか。
6日目の行程
2泊したライリークリークを出て、始発のキャンパーバスでワンダーレイクに向かいます。所要時間は約7時間です。正直、長すぎる移動時間はしんどいので、寝る気満々でした。一応、バスからは野生動物を観察することができるとのことで双眼鏡なども用意して来ましたが、この時点では半信半疑でした。
昼過ぎに到着予定のワンダーレイクキャンプグラウンドはちょっとした丘のような立地になっており、北側のテントサイトはワンダーレイク、南側のテントサイトはデナリを見ることができるという設計です。テントサイトは早い者勝ちなので、ベストポジションを確保できるかも重要なポイントです。
キャンパーバスに乗る
ライリークリークのバス停は公式のインフォメーションではポストオフィスの隣ということになっているのですが、実態はテントサイトの出入り口近辺にあります。ポストオフィス全然関係ないです。
7:00の始発のキャンパーバスは時間通りにバス停に来ました。バスの後方は荷物置き場になっているので乗客みんなで協力して積み込みをします。手荷物は事前に分けておき、スムーズに乗降しましょう。
パークロードの北側は土手になっています。つまり、エントランスから公園内へ向かって行くバス(つまり、東から西へ向かうバス)に乗るときはバスの左側の座席に座らないと、景色や動物がうまく見えません。バスの座席指定はされていないので、争奪戦かなと警戒してましたが、始発バス停から乗ったのですんなり右側を確保できました。
動物観察
無事バスに乗ることが出来たので、しばらく寝るかと思ったのもつかの間、早速動物に遭遇しました。
ムースです。
次はカリブーも見えました。
そしてデナリ国立公園内で最も遭遇したくない存在、グリズリーです。
また別の場所でもグリズリーを発見しました。
この時期のグリズリーの主食はブルーベリーで、公園内のほぼ全域に分布しているブルーベリーをひたすら食べながら常に母熊1匹と子熊2匹の3匹で行動しています。時速40キロで走るので、もし追いかけられたら絶対逃げられません。写真でも伝わると思いますが、動物園で見る熊と違って、野生の熊には独特の雰囲気があり、ただただ怖いです。
絶景スポット:ポリクロームオーバールック
目的地までのちょうど中間地点、公園内の中心部で5分休憩しました。
ここが、大変な絶景スポットだったのですが、景色のスケールがデカ過ぎて、持っていたレンズと実力では写真に上手く収められませんでした。無念。
ここでは幾重にも重なった地層が独創的な色合いになっている、ポリクロームマウンテンと呼ばれる山を見ることが出来ました。もう少し長くここの景色を堪能したかったのですが、休憩はたったの5分だったのでぱぱっと写真を撮ってバスに戻りました。
この辺りの道はかなり険しく道も細いので、結構怖かったです。ここですれ違えるバスの運転技術すごいです。
休憩エリア:トクラットリバー
ポリクロームオーバールックからすぐのところにトイレがあるので10分の休憩がありました。
記念撮影用にカリブーのツノが置いてありました。
もう一つのビジターセンター:アイルソンビジターセンター
パークエントランスにあるビジターセンターの他に、公園内にももう一つビジターセンターがあります。これが、そのアイルソンビジターセンターです。
アイルソンビジターセンター近辺にも、比較的平易なトレイルがあり、センターの中には展示も充実しているので、ほかのキャンプグラウンドや公園外のホテルなどから日帰りで訪れる人も多いみたいです。
中には天気予報が載せてありました。この日も、翌日も雨です。
ワンダーレイクキャンプグラウンドに到着
結局、寝る間もなくワンダーレイクキャンプグラウンドに到着しました。
バスを降りたらダッシュで南側のテントサイトを確保し設営して、パパッと昼食を取りました。ちなみにこの時気付いて無かったのですが、実はワンダーレイクキャンプグラウンドはテントサイトでの食事は禁止で、フードロッカーの近辺にある食事エリアでのみ食事可能なのでした。
この厚い雲の向こうにはデナリがあるはずなので、天気さえ回復すれば確実にデナリを拝むことができる完璧なポジショニングです。
ここがフードロッカー兼炊事場です。ゴミ箱もちゃんとあります。
中はこんな感じです。
ワンダーレイクキャンプグラウンドはトイレも水場も整備されているので、実は初心者向きなキャンプグラウンドです。
マッキンリーリバートレイルへ行く
早速ワンダーレイクキャンプグラウンド最寄りのトレイルへ行きます。片道90分程度で、パークロードから公園内最大の川、マッキンリーリバーへ行く事のできるマッキンリーリバートレイルというトレイルです。
割と細めの道を進んでいきます。道の周りには野生のブルーベリー畑がずっと続いています。
はじめのうちは完全なるドライツンドラです。
たまにタイガの森に入ったり、ウェットツンドラっぽくなったりします。
トレイルの終盤では何度も支流を渡ります。氷河由来の支流もあれば、雨水由来の支流もあります。
マッキンリーリバーへ到着。コースは長いですが、滑って転ぶなどしなければ特に危険な場所もなく、歩きやすいトレイルです。ただしブルーベリーがそこら中に実っているので熊との遭遇には注意しましょう。
テントサイトに戻ったら、フードロッカーにこんな張り紙がありました。
え、キャンプグラウンドにクマが出たってこと!?
この後当直のレンジャーがわざわざテントまで来て注意喚起をしてくれました。ガチでキャンプグラウンドにクマがやって来たとの事。幸い怪我人などは居ないそうですが、いくらなんでも怖すぎる。熊に襲われないかビクビクしながらテント泊するのは流石にはじめての経験です。
レンジャープログラムに参加
キャンプグラウンドには毎晩19:00から、当直のレンジャーが自分の経験談やアラスカにまつわるエピソードを聞かせてくれるレンジャープログラムという催しがあります(サンクチュアリなどレンジャープログラムが無いところもあります)。今まで英語力に自信がなくて足が向かなかったのですが、せっかくなので参加してみました。
この日はレンジャーフランクがゴールドラッシュの時のエピソードを語ってくれたのですが、やっぱり僕は全然聞き取れませんでした。
しかしここで、ようやくスペシャルウェザーの正体を知る事ができました。曰く、7月の最終週から8月の初週にかけての1週間、デナリ国立公園では平年の年間降水量に相当する雨が一度に降ったそうです。日本でも豪雨や季節外れの台風など異常気象が話題ですが、こういう所でも環境破壊の影響が如実に表れているのでした。
6日目のまとめ
移動が主になった1日でしたが、動物や景色を楽しめました。まさか間近で野生の熊を見ることが出来るとは思ってませんでした。翌日はまるっとワンダーレイクに入り浸り、釣りなどをしてのんびり過ごす計画です。晴れると良いのですが、果たしてどうなるのでしょうか。