値下げしてはだめ?【MBA・中小企業診断士が解説】
弁護士・中小企業診断士の瀧口勇です。
企業の業績が悪化すると値下げをして少しでも目先の顧客を増やしたいという衝動に駆られます。あるいは、競合他社に負けないために、少しでも安い価格で提供するという戦略が考えられます。果たして、こうした値下げ戦略は正しいのでしょうか?
この点について、経営戦略に関する第一人者であるマイケルポーター教授の見解を意訳すると、「低価格戦略を採用してよいのはリーダー企業のみである。それ以外の企業は差別化戦略を採用しなければならない。」とします。これは、リーダー企業以外の企業が低価格戦略で挑むとリーダーに必ず負けてしまうということにあります。
また、ビジネスの世界では1社だけが勝者ではありません。同じ業界でも、ターゲットとなる顧客は様々で、それぞれに異なるニーズを持っています。この異なるニーズに応えるように差別化すれば、同一業界内でもプラスサムゲームとなるのです。
そうすると、中小企業の大半はリーダー企業ではないはずですが、顧客には値下げ以外のところで魅力を創出するのが正解ということになります。事業再生局面の苦しい場面でも基本的な考え方は同じでしょう。
では、どうやって差別化するのか。これには正解がなく試行錯誤しなければなりませんが、思考の枠組みとしては、ブルーオーシャン戦略の戦略キャンバスや ファイブ・ウェイ・ポジショニングが参考になりそうです。
ともかく低価格戦略は避けましょうというのが、今回の言いたいことでした。
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