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恋せぬふたり 3/21放送分

人は誰かに恋をするものだし、それは異性だし、好きな相手なら性的欲求を抱くし、好きどうしなら結婚するし、そのうち子どもを作るものだし、家族は一緒にいるべきだし、自分の理想より安定を選択しなきゃいけない。それが普通の人生で、普通の幸せなんだから。

「恋せぬふたり」はたくさんの「普通は」「みんなは」の枠を外してくれたと思う。それも予想以上にたくさん、予想以上に大きく。アロマンティック・アセクシャル以外の人にだって、この作品のメッセージは届いたはずだと思う。

日本において40代の転職というのはかなりリスキーである。今の生活に不満がないわけじゃないけれど、そこそこ満足しているのなら尚更のこと。まだ見えない得られるものと、はっきりしている失うものを天秤にかけるのは難しい。人生諦めが肝心。
咲子は高橋さんに出会って多くのことを知って、自分らしく生きる、という意味を獲得しコントロールできるようになったんだろう。広い視野で世界を見られるようになった咲子が高橋さんの背中を押すくだりは咲子の内面の成長を感じられて、僕は感慨深かった。

咲子と高橋さんはお互い良き理解者になれたし、それはこれから離れていても努力によって続けることができるし、価値観の相違が生まれた場合はその時話し合えば良いし、尊重しあえる存在がいるだけで結構心が豊かになることを示してくれたと思う。

当初予想していたよりとても良い作品だった。ディスク購入します。


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