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VIVE XR Eliteを体験してきました

先日HTC VIVEから発表された新型HMD『VIVE XR Elite』国内販売を前にいち早く体験させて頂ける機会を頂きましたので、詳しいレビューをしていきます。

とってもおしゃれな体験会場!

一般的な視点からのレビューは既に多くのVR系レビュアーの皆様がされていますので、私は、VR用メガネフレーム・VRsatile/ヴァーサタイルの開発に関して重視している「映像の精細さ」「視野角」「使用感」および、現在メインで使用しているMeta Quest Proとの比較を中心にレビューしていきたいと思います。
VRsatileについてはこちら:https://divrse.co.jp/?product=vrsatile-001

単刀直入に、XR EliteにVRsatileは入るのか。

残念ながら入りませんでした。ディスプレイ周辺の構造はFlowのものと同じになっており(差異は部品が増えたためわずかに厚みが増え、重量が増加した点とフェイスクッションの形状程度)VRsatileとサイズがほとんど同じという小型ぶりです。
Flowもそうですが、XR Eliteには元々視力調整機能が付いているのだからメガネはいらないのでは?と思われる方もいると思います。これは機能で補える範囲の視力であれば問題ないのですが、-6Dを超える近視、強い乱視、斜視、遠視などに対応する場合はやはりレンズによる矯正が必要かと思います。
私自身、近視度数は視力調整機能で補える範囲ですが多少の乱視が入っているため、裸眼での使用でどの程度精細な画面が見えるか気になってました。これについては後述します。

奥がVIVE Flow、手前がXR Elite。VR映像を見ることしか出来なかったFlowをベースに、一般的なVR用機材が備えている機能を追加して完成された製品。

装着感について。

やはり軽い!Flowを体験させて頂いた時も驚きでしたが、現状発売されている重たいHMDと異なりメガネ…あるいは大きめのサングラス、スキーゴーグルのような形でかける事が出来るというのは大きなアドバンテージです。
なお、視力調整機能およびPD(瞳孔間距離)は一旦フェイスクッション部分を取り外し、目の前にHMDを掲げてレンズを覗きながらダイヤルで調整する形になります。
私は当初自分の度数に合わせて調整しましたが、実際にはもう少し強い度数に合わせた方が映像がよく見えました。

映像について。

乱視度数が補正されていないというのも一因かもしれませんが、やはり純粋な精細さに関してはQuest Proに分がありました。また視野角についても、レンズ自体の小ささもあり、少々左右に狭い印象です。繊細さ、視野ともに、Quest2と比較すれば同程度かな…といったところ。
とはいえ、それは液晶、レンズのサイズ、重さが劇的に軽いことを考えると仕方ないというか、許容範囲であると思います。
それよりも気になったのはスイートスポット…レンズの中で、映像がハッキリ見える範囲が少々狭く感じる点でした。困ったのがマスクに加えニンジャマスクもしていたのでフェイスクッションが上手く顔に固定できず、少しずれる度に映像がぼやけてしまうという問題。しかしこれは優れた解決策がありました。

それはこのバンド。
Twitter上でQuest Proユーザーにもしばしば見られる、100円ショップなどでゴムバンドを買ってきてHMDに取り付け、よりがっちりと頭部に固定できるようにする改造。なんとXR Eliteにはこれがデフォルトで付属しており、こちらを使えばどれだけ動いてもずれることはありません。
また、コントローラーも大きさの割に軽く、ずっしりとしたVIVEコントローラーを使い続けている人にとっては良い驚きだと思います。

MR機能について。

現在カラーパススルーはPICO4の「画質は良いが遠近感がわからない」Quest Proの「遠近感がわかるが文字は読めない」の2択でしたが、なんとXR Eliteのパススルーはこの2種類を切り替えることが可能です。
固定用バンドもそうですが、ユーザーの目線でこれがほしい、という機能を取り入れてくれている感がありました。

トラッキングについて。

発表時、ベースステーションによるLighthouseトラッキング機能がないという点に不満の声が多かったと思います。しかし遊んでみると、これは小型軽量、視力調整機能など、持ち運びのしやすさ・取り回しの容易さを重視していることが伺え、それなら遊ぶ場所を選ばないインサイドアウト形式の方が合っていると感じました。

私個人としてはフルトラでじっくり楽しむ高画質・広視野角のVRは部屋に据え付けのVR機材で行い、XR EliteのVRは、サブPCに接続して気軽に遊んだりVR内の確認のために使う…という使い方が出来るかなと思いました。VR睡眠は一度もしたことがない私ですが、XR Eliteならできそうです。

フェイスクッションからの目測でも、本体レンズと目の間の距離は1~1.5cm程度であると思われる

ちなみにVRsatileをどうにかして対応させ、わずかでも映像を綺麗に見ることが出来ないか?と考えたのですが、VRsatileのレンズを除くフレーム部分を改修することで中に納めること自体は可能かと思います。ただ、本来目と本体レンズの間に必要以上の隙間が出来ることは想定されていない構造であると見え、その隙間にレンズを1枚噛ませるというのは、レンズの厚さにもよりますが困難が伴う印象です。レンズにまぶた、まつ毛が付着して汚れないようにすることを考えると少し本体レンズとの間を空ける必要がありますが、その場合視野角が狭まってしまう心配もあります。これについてはHTC様の方でもフェイスクッションの別バージョンの開発・発売を検討しているとのことです。

なお対応アプリですが、各種VR・MRアプリはもちろんVRChatにもSteamVRを通じて対応しています。私はマイクとスピーカーの音質については確認してくることは出来なかったので、他の体験レポを参照して頂ければと思います。

軽くて快適、気軽に遊べる。XR EliteはこれまでのHMDの重さや煩雑さに悩むVRユーザーの声を聞いて作り上げられた製品であると感じました。
私も可能であればVRsatileの改修で視力補正が出来ればと考えておりますので、発売後のユーザーの増加に期待です!

これはハンドトラッキングでメニューを選択するアクションとして仏像のように親指と人差し指をくっつける私。


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