グルタミン酸の豆知識ー免疫機能から減塩まで効果あり?
日本酒などに含まれているグルタミン酸は免疫機能の維持や改善に有効なアミノ酸で、特に体力消耗時には感染を防ぐ働きがあると言われています。ですから、感染症予防には積極的に取り入れたいものです。
一般的に「グルタミン酸」という名前は、うま味がある成分ということで有名ですが、意外にも[グルタミン酸]そのものは酸味があっておいしくありません。ちなみに、[グルタミン酸]はクエン酸や酢酸と同様に、酸性を示す化学物質です。このような酸性を示す物質は、基本的に酸味を感じます。
化学的に酸性の[グルタミン酸]が水酸化ナトリウムなどのアルカリで中和されると、[グルタミン酸ナトリウム]が生成しますが、この状態になった時にうま味を持つのです。うま味調味料として有名な"味の素"は、この[グルタミン酸ナトリウム]が主成分です。
余談ですが、[グルタミン酸ナトリウム]はナトリウムイオンを持つので、ほんのり塩味を感じます。ナトリウムイオンが舌に触れた時に、我々は塩味を感じるからです。ただし、このナトリウムイオンの摂り過ぎは高血圧の元になります。「塩化ナトリウム(いわゆる、食塩)の摂り過ぎは高血圧になる」とよく言われるのはこのためです。
{塩化ナトリウム} NaCl (食塩)中のナトリウムイオンが占める重さに比べて、[グルタミン酸ナトリウム]中のナトリウムイオンが占める重さは三分の一くらいです。
ですから、料理する時、食塩の代わりにグルタミン酸ナトリウムをうまく使えば減塩効果が期待できます。[グルタミン酸ナトリウム]は強いうま味を持つので、食塩の十分の1くらいの量でも満足できるかもしれません。