【ショートショート】しゃべるピアノ丨#完成された物語
何やら面白そうだったので9ヶ月遅れで参加します!
その男は毎日のように路上でピアノ演奏のパフォーマンスをしていた。
彼の演奏はそれは素晴らしく、観客たちから毎回のように多くの投げ銭による収入を得ていた。
しかし、ある日のこと急に演奏が止まってしまった。
そこにはピアノだけが放置されていた。
観客たちも、いつも演奏してたのにね、と顔を見合せその場を離れていった。
貧しき少年がピアノに近づくと、突然ピアノがぐにゃりと動いた。
「君はいつも最前列で投げ銭していたね」
ピアノの中から声がし、少年は目を見開いた。
勘づいたのだ。いつもの奏者の男だと。
「私はピアノと融合した。ずーっとピアノを弾き続けたかった。馴染むまで時間がかかって動けなくてね」
話しぶりは発想標語で言うメストかつピエトーゾ。
「そうだ、君にいい提案があるんだが……」
少年は『電源無しで演奏も会話もできるピアノ』としてそのピアノを宣伝し、ピアノは瞬く間に有名になり少年も裕福になった。
※こっそり少年が食料を与えています。動力源は人間時と同様食べ物です。410字という字数制限があったので入りませんでしたが……。
無生物が喋るなら生物と融合するっしょ!アイデア被ったらやめよ!と思ったら今のとこどの作者様ともかぶってなかったー!
他にピアノを単独で喋らせるなら考えられるのは霊体、そういう仕掛けの装置(人力or電力)、ファンタジー設定、とかですかね?意味のある言葉を喋ってるかどうか、意思があるか否かでもパターンが複数考えられる。
とはいえ迂闊に融合させると、動力源なんなのか問題で悩みます。