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おかしみたいなラ!
イサハイです。
仲間外れにあった事ってあるかい?
これって、人間だろうがドワーフだろうがエルフだろうが男だろうが女だろうがガキだろうが年長者だろうが食らう可能性がある被害だと思うんだ。
まぁ双方の話を聞きゃぁ、仕方ねぇなって事も無くはないんだけどね。
しかしやっぱガキの頃に受けたそれが一番自分にダメージ残るよな。
俺も一度あってね。
ドワーフ小学生の頃だ。
俺が特に仲良くしていたクラスメイトは俺より一回りでけぇドワーフ、Rという奴で、こいつは心を開いた仲間には面白い奴だったんだが、基本的には人見知りかつ暴力的で排他的な典型的なドワーフって感じの奴だった。
俺はこいつと2人ないし互いの気の知れた仲間と遊ぶ事が多かったよ。
基本的には他愛もない、お小遣いを握りしめて駄菓子屋に行ったり、Rの家か俺の家でゲームをやったり、公園で戦ってみたりね。
Rは仲間には本当に優しいんだが、それ以外には厳しい奴だったんだ。
知らん奴らが絡んでくるとジャイアンみてぇに暴力してみたり、仲間内でも話が合わんと思った奴には「お前ちがくね?」みたいな…イジメっこ体質ではあったよ。
それを止められるのは当時は俺ぐらいで、よく取り持ってたもんだ。
Rは基本的にはいい奴だから、なだめれば落ち着いてくれてたんだけどね。
そんなある日だ、別のグループからハブられたFというドワーフがいた。
俺も交流はあったがそのイメージとしては面白い奴だがひねくれ者で、ちょっとこずるい…スネ夫みてぇな奴ではあるなと思ったよ。
俺はそういう奴をほっとけない性分でね(相手が面白い奴である場合)
Fに声をかけて、二人で遊ぶ事も増えたよ。
ずっこい野郎だが話上手で、いろんな情報を知っていて面白い奴だった。
言い方としてはよくはないが、家はなかなかにボロくて、ただそこで二人で食うポテチとコーラの味は忘れがたい思い出だ。
しかしFの性格が災いしちまう事が起きる。
Rがキレちまった。
飯酒盃、テメェは俺かFどっちが友達なんだ?
みたいなガキみてぇな質問をされちまったんだ。
まぁ小学生だからガキでしょうがねぇんだけど…だとしてさ。
俺は当時からガキ特有の独占欲が嫌いだったし、かといってFを選べばFに被害が行くかもわかんねぇと思ってね。
俺にゃ無理だ、どっちも選ばなかったんだ。
その日はなんだか寂しくてね、泣いちまったのを覚えてる。
で、次の日何が起こったと思う?
RとFが仲良くなってたのよ。
昨日の今日で!?思い直してくれたのかよ。
こいつは素晴らしい事さ。
駆け寄った俺に、2人が言った言葉を忘れねぇぜ。
「お前もういらないけど」
ジャイアンみてぇなR、スネ夫みたいなF。
今回を機に逆に合っちまったみたいでね。
逆に俺を仲間外れにする事で結束するという、なかなかに意地悪かな手段を使って来たんだ。
小学生ならこういうのはよくある事かもしれない。
些細な事で結託したり離れたり…愛着の勉強の時代だからね。
俺は悲しかったし、寂しかったけど、それ以上に心底腹が立ってね。
貴様らの為に悩んだあの時間は何だ????????
俺はこんな馬鹿どもに時間を割いていた事に強い怒りを感じたよ。
あの涙はマジで何?
「そっか~」と返したよ。
俺は、囚われていた日々から解放された。
その日から「クラスのその2人以外全員」の男児ドワーフらと忍者軍団を作ったよ。意図したわけじゃなく、勝手に出来ていったもんだ。
俺は「お頭」を名乗って学校の遊具で忍者修行をしたものさ。
その時できた新しい仲間たちは俺の事を「おかしみたいなラ!」と呼んでいたよ。
ガキらしいジョークだ。全然おもんねぇって。
でもあったかい時間だった。
あいつらにかまけて普段話せなかったクラスメートらとわいわいする時間の楽しさたるや、ああ、これでいいんじゃねぇかってさ。
数週間後、俺が忍者の王になった頃、RとFが訪ねてきた。
「また友達になってやってもいいけど?」
すげ…。
寛大な俺は「ありがとう、また遊ぼう」
と返して、受け入れ、ちゃんと厳しい忍者修行をさせたよ。
泣いてた。
それからはちゃんと皆仲良くなり、よく遊ぶようになった。
ボンバーマンで喧嘩になって殴り合いになったのはまた別の話。