黒い兎
陽が有る時は
影を跨ぐ様に
跳ねて行くんだ
影の中で
聞き耳を立てていて
聞こえる話に
口元に前足を当て
クスクス嗤う
もうすぐ
暗色の景色になるよ と
夕焼けの空を見て
長い耳を
風に揺らして
夜になるのを
待っているんだ
📌鳥籠の唄
鳥籠の鳥は
羽根が美しいと囀り唄う
唄を聞いた
黒兎は
美しい羽根を
欲しいと跳ねた
鳥は一際甲高い鳴き声上げた
鳥籠から
青い羽根が舞い落ちた
黒兎が跳ねると
鳥籠から
黄色い羽根が舞い落ちた
鳥籠から
鳥の啜り鳴き
視界に混じる
赤色の羽根
黒兎は
綺麗な羽根を手に入れた