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【NISA】岸田政権が差し伸べてくれた手【恒久化決定】

虹の向こうの空は青く 信じた夢はすべて現実のものになる

over the rainbow

1939年、ミュージカル映画「オズの魔法使い」でジュディ・ガーランドが歌ったover the rainbow。
叶えたい夢が現実になったとき、人はどんな歌を心の中に思い浮かべるのだろうか。

つい最近、そんな経験をした人たちがいる。いやそれは日本国民全員かもしれない。政府から心揺さぶる戦略が発表された。

NISA制度恒久化

ちょっと前からこの噂が世間を賑わせてから待ちに待った正式発表。長期的なお金の不安からの脱却を願った人たちによる歓喜の歌が高らかに歌われた。

金融庁、3年越しの執念

https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/19zeikai.pdf

NISA制度の恒久化は金融庁にとっての悲願だった。始まりは2019年夏。国民の資産形成支援のため、制度恒久化の要望書を財務省に提出した。

しかし財務省はその要望を突っぱねた。現行の一般NISAが比較的資産がある層が短期売買に使用しているケースが多く、富裕層への優遇だとの指摘があった、との理由だった。

この見送りに人々は怒った。たかだが年間120万円の枠が富裕層の優遇になるわけがないだろう、と。無理矢理もっともらしい理由をこじつけたが、非課税期間の延長による税収のほんのちょびっとの減少さえも財務省が恐れたことは明白だった。

非課税期間と枠を広げてもらい、腰を据えた資産運用を願う投資家界隈は、この時から財務省を敵対視し始めた。その頃だった。世界中にCOVID-19パンデミックの脅威が広がったのは。そして日本の首相は安倍晋三から菅義偉にバトンタッチされ、コロナ対策で後手に回った菅政権に逆風が吹いていた。

岸田政権の誕生

外交の成果無し。東京五輪の無観客開催。そして横浜市長選での致命的な大敗。国民の不満を一身に背負わされた菅首相は任期満了に伴う次期総裁選への立候補を断念する。

そして選出されたのが岸田文雄だった。総裁選直後の挨拶では「国民の皆さんに寄り添って国民の声に耳を澄まし、建設的な政策論争を行う」と表明。コロナはもちろん、外交・経済・少子化対策に真摯に取り組むことも約束し、国民は新首相の手腕に大きな期待を抱いた。

しかしその期待がすぐに裏切られることをこの時は誰も知らなかった。

ペーパードライバー

運転免許を取得した人なら誰でもゴールド免許の交付を夢見る。もしあなたが運転免許取得直後のほやほやの状況であるならば、その免許を金色にする一番手っ取り早い方法がある。それは運転をしないことだ。

首相就任直後から岸田首相は一貫して消極路線をとった。特に経済状況の短期による好転を狙った介入には断固の構えで手段を講じなかった。国民はその姿勢にヤキモキし、多方面から岸田首相の手腕に疑問の声が上がった。しかし岸田首相は理解していたのだ。前任者の菅政権がどれほど素晴らしい仕事をしてきたのか。そして、なぜ短期政権で終わってしまったのか、を。

ハンドルを握らなければ運転技術は進歩しない。ただハンドルを握れば事故を起こす可能性が高まる。

岸田政権はペーパードライバーで留まる選択をした。選挙前以外は何も事を起こさない方針を徹底した。耳の痛い意見、失敗したら高い代償となる政策に関してはひたすら「検討する」の一点張りで、時間が経過したら全てを忘れてくれる国民の習性を最大限に活かして政権の基盤を強化していった。

たしかにその場でしのぎで乗り切れば金色の免許は授与されるだろう。ただ運転技術の進歩(国の長期的な発展)を犠牲してまで獲得した金色にいったい何の意味があるというのだろうか。

岸田首相が総裁に選出された2021年、アメリカのポップ界では新星が現れた。その名はオリヴィア・ロドリゴ。デビューシングルの'drivers license'は世界的なヒットを記録した。

And I Know we weren't perfect
私たち国民が完璧じゃないことなんかわかってる
But I've never felt this way for no one, oh
だけど、こんな気分になったのは初めて
And I just can't imagine how you could be so okey now that I'm gone
だからわからないんだ。私たちが困ってるのになぜあなたがそんなに平気でいられるのか、が
I guess you didn't mean what you write in that song about me
あなたが書いた所信表明、私のためのものではなかったのかな?
Cause you said forever, now I drive alone past your street
「ずっと寄り添います」と言ってくれたのに、私は一人で通り過ぎるしかないの

drivers license by Olivia Rodrigo

正解の見えない状況下で必死に最適解を探し続けた菅政権に心無い声を浴びせて退陣に追いやった人々は、チャレンジすらする気のない岸田政権にどのような言葉をかけているのか。そしてやがて知るのである。岸田文雄というマリオネットを自在に操る傀儡師の存在を。

地獄の傀儡師

岸田首相の属する派閥、岸田派は自民党の派閥である。又の名を宏池会とも言い、多数の財務省OBによって伝統が受け継がれてきた。自民党の中でも最古の老舗派閥であり最大勢力を誇っている。

近代の日本政府での財務省の立ち位置は他省とは一線を画する。その威力は、警察庁重用で財務省を遠ざけていた安倍政権でさえ、二度の消費増税に踏み切らせたほどだ。そんな力を持った財務省が後ろ盾となった岸田政権が誕生すれば、完全復権などすぐに訪れる。

年金支給引き下げ、社会保険料増額、自動車関連・相続税などの増税。岸田政権発足から次々と国民に負担を強いる政策ばかりが打ち出されている。国民所得の停滞や物価高が襲いかかる中でこの手加減無しの仕打ち。国民が望む政策には足取りがものすごく遅いのに、これらのことにはスピーディなのは、財源をより多く確保するために増税をしたくてしたくてたまらない財務省の意向に沿っているのは火を見るよりも明らかである。

傀儡師は悪者なのか

国民の生活が苦しくなる一方なのに、なぜ手取りをより少なくして、国民を地獄に突き落とすような政策ばかりが次々と実行されていくのか。鬼畜の所業に見えるこれらの動向は、むしろ国民を守るための苦肉の策でもあった。

ロシアによるウクライナ侵攻。そして好き勝手に暴れる北朝鮮・中国による東アジアの緊張。そこにアメリカが食い込んできて、爆煙の気配が色濃く漂い始めた世界情勢。防衛力強化のためによる財源確保はもう先送りできないところまで忍び寄ってきた。

貧しくても生きてはいける。

いつ号砲が鳴るかわからない中で最悪の事態に備えられるなら、多少の不自由な生活くらい耐えてもらわなきゃ困る。実際に傀儡師がそう言ったかどうかは定かではないが。

国民の自立という切り札

財源は必要だからまだまだ増税したい。でも国民をこれ以上疲弊させるわけにはいかない。悩める傀儡師はついに目先の財源減額に目を瞑ってまでも、国民の生活に光を差し込むことを決断する。

その戦略こそ、NISA恒久化である。

  1. 非課税保有期間の無期限化

  2. 投資可能期間の恒久化

  3. 年間投資枠を360万円(つみたて:120万円、成長投資枠:240万円)に拡大

  4. 生涯投資枠を1800万円に拡大

岸田政権発足以降の最大の大仕事である。ただこの政策の実施には別の角度の視点が必要だろう。前述の通り、国防費の徴収が岸田政権の最重要課題ではあるのだが、同時に公的年金制度にも深く頭を悩ませていた。

将来的な公的年金制度の破綻を見越して、国民各々の老後生活は自助努力で乗り切ってほしい。そんな願望が透けて見えるくらいの岸田政権の大盤振る舞いである。果たしてこのまま狂喜乱舞で岸田政権の掌の上で踊っていいものなのか。困惑している人もいることだろう。

想像しうる最悪のシナリオ

急に優しくなったDV夫。今回の政策決定から、少なからずの国民からそう思われているだろう岸田政権。公的年金制度からの逃亡、という意味合いでは政府によるメリットもあるNISA恒久化。しかし国民一人あたり最大で1800万円から20%強も徴収できたはずの税金に対して、あの傀儡師が簡単に目を瞑るとは思えない。この後、何か大きな爆弾を仕掛けてくるのではないか。

用心深い一部の国民は疑う。ここで岸田政権が後出しジャンケンで出してくる手段を予想したい

金融所得課税を30%にアップ

これが一番可能性が高いだろう。NISA口座に手を出さないのだから特定口座にはその分多く徴収していくよ、と。本当は絶対に嫌だけど、NISA口座の優遇と引き換え、という条件であれば受け入れる人もいるのではないだろうか。

NISA口座に課税

最悪の後出しジャンケンである。でも岸田政権ならやりそう、と思ってる人はけっこういると思う。iDeCoをあれだけ魅力的な制度に改良した矢先に退職所得控除にメスを入れようとした人たちだから。まずは恒久化というキャンペーンを張って、国民の口座数と投資額を増やさせて、目標値まで達したら満を持して課税。恒久化の約束?永遠に恒久化するなんて一言も言ってませんよ、という屁理屈がおそらく国会で鳴り響くだろう。

我々はどうしたらいいのか

岸田政権が後で何してくるかわからないから、NISA口座での資産運用を始めるのが怖い。そんな人もいるだろうし、実際に岸田政権は後で何してくるかわからない怖い人たちだとも思う。ただNISA制度自体は本当に良い制度だし、それを今は恒久化すると言ってくれているのだから、まずは試しに口座開設して資産運用を始めてみるのが吉だと思う。

買付したファンドが値下がりしたり、運用額からトータルでマイナスになったりと自身の運用方法で痛い目に合うこともあるけれど。

そして恐れた通り、岸田政権が後出しジャンケンでこの良い制度を根本から台無しにするようなこともしてくるかもしれない。だけど、仮に詐欺師に5年間騙され続けて大金を失ったとしても、その楽しかった5年間は偽りでなかったことと一緒で(←何か危険なこと言い始めたぞ)。

最後の結末は誰もわからない。わからないけど、制度の良し悪しくらいなら判断はできる。今回のNISA制度、しっかり活用していこうと思っている。

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