語学留学を彫刻する。#2
海外初心者にオススメ。比較的ハードルの低い「語学留学」という選択肢
語学留学は選択肢が豊富で、ビザ等も取りやすく(あるいはいらない)、事前に取得しなければならない資格等も基本的にはありません。期間も数週間から1年程と様々。お金と時間さえ都合がつけば、すぐにでもいけるのが語学留学です。でも、やり方次第で語学力の向上は大きく変わると思います。
私自身も一番はじめの海外生活は語学留学からでした。ここでは、その経験談と、そこから見える押さえておきたいポイントや、メリット・デメリット等を考えていきます。(シリーズでお伝えします。)
1)まずは経験談から
私は2010年の1月から8月までの約8ヶ月間、イギリスのノーリッジにあるICS English School(以下ICS)というところに通いました(もう10年も前か 涙)。
https://icsenglish.com/norwich/
ノーリッジは首都ロンドンから北東に位置し、鉄道を使って2時間程。自然豊かな町です。UEAという大きな大学があり、その周辺は学園都市といった感じです。通ったICSという学校は、そのノーリッジの中心地にある小さな学校で、いくつかの大学と提携していたりはしていましたが、基本的には語学学校単体としてこじんまりとやっているところという印象でした。
授業は割と少人数制で、最大15人まで。初球、中級、中上級、上級と分かれており、朝9時から12時まで。午後は希望者(有料)で、個人レッスンや、試験対策講座(IELTS等)が開講されていました。私は最初は全体のクラスだけ、最後の数ヶ月はIELTS(後述)の対策講座を受講しました。
学生はフランス・イタリア・スペインといったEU出身が7−8割と多く、次いで中東系、アジア系は少なかったですが、韓国の学生が数人いました。授業は3ヶ月で1つのユニットになっており、入学時と3ヶ月事に行われる試験結果で、どのレベルのクラスになるか決められました。
私は最初、中級のクラスからでした。3ヶ月後に中上級へ、そして最後の数週間だけ上級という感じでした。8ヶ月後、IELTSの試験結果はOverallで5.5。成果はそれなりに出たと思いますが、当時はこの結果以上に、イギリスで暮らし、様々な国の学生と共に勉強する事で、英語だけでなく、メンタル面で国際的なコミュニケーションが取れる能力と自信がついた事が、何より貴重な体験となった気がします。この後、数年間続く海外生活をする基礎的精神力と、海外でもやっていけそうだ!というなんとも言えない根拠なき自信は、ここでついた気がします。
2)学校の規模、日本人がどの程度いるか?
当時、ラッキーなことに、ツテがありこの学校を知ったのですが、こういった小規模の学校は、個人的にはとてもおすすめです。しかし、小さいが故に、事前情報を入手しにくいため、独力で見つけるのは難しいかもしれません。
ただ、私が留学している間に何人か留学エージェントから紹介されて来たという日本人は数名いました。最近では、ネットが当時より大きく発達していますので、こう行った小さな所へも独力でアクセス出来るかもしれません。
しかし、アクセスがしやすかったり、エージェントが入っているということは、他の日本人も留学してくる可能性が高まるという事なんです。
なぜ、そんなことをわざわざ、しかもちょっとネガティブな感じで言うかというと、特に英語を勉強し始めた初学者にとって、日本人がどの程度いる環境なのかは、非常に重要だと思うからです。これが小さな学校を選ぶことを、お勧めする理由です(どういったところが、選択肢としてあるかは、また別の機会に書こうと思います)。
人間は楽な方、楽な方へとどうしても行ってしまいます。なので、日本語で何不自由なく話せる日本人の割合が多いと、つい日本人で固まってしまいます。
すると、わざわざ海外へ留学してきたはずなのに毎週末日本人と飲みにいっている、というような事態が起こるようになります。語学留学あるあるです。
これは、ある程度、話せるようになっている大学への留学生は別の話。なぜなら、大学留学組は、授業中や課題で、膨大な英語を浴びているから。大学留学組は英語[を]勉強しているのではなくて、英語[で]勉強しています。チャラチャラしてるように見える事もあるかもしれませんが、立っているステージが違うのです。
だから、日本人同士で過ごしていても、十分に語学力は上がっていくと思います(つまり、普段がそれだけ過酷ということでもあります)。むしろ、日本人同士ならではの情報交換であったり、帰国後ビジネスに繋がる関係を築いたりとかあると思います。(ただ、その国の文化を知るとか、国際交流するという観点からは、あまり良い傾向とは言えないと思いますが)
一方で、初学者はとにかく、辛くても日本語をほとんど使えない状況に追い込み、英語に触れる機会をとにかくたくさん作る。これが「語学留学の鉄則」ではないかと思います。
語学学習は初学者に残酷な面があり、喋れない人、わからない人は、どんなに頑張っても英語に触れる量がとても少ないのです。逆に、喋れる、読めるようになってくると、必然的に英語に触れる量が雪だるまのように、どんどん、どんどん増えていきます。
これは結構単縦な理屈で、読むのが速いからたくさん読める→たくさん読めるからより速くなるというループが起きるのです。だから、読める人は、より多くの文に触れる事ができ、喋れる人はより長く、多く、たくさん、いろんな人とおしゃべりできる機会が増えるのです。
だから初学者はとにかく意識的に喋れる機会、英語に触れる機会を自分で増やさないと、全然向上しないのです。
3)本気で英語を上達させたいなら、嫌われてでも日本人とはつるまない!
語学留学をしている、特に中級レベル以下の学生が、留学先で知り合った日本人大学生と、一緒に遊ぶのは得策ではありません。先ほども言ったように、大学留学組は、授業で膨大な英語に触れていて、たまには息抜きとして日本語を喋りたいのです。
一方で語学留学生は、そもそも英語に触れられる量が少ないので、仮に英語力のある留学先の大学生と同じ時間勉強していても、触れられる量が少ないから、いつまでたっても大学生には追いつけない、むしろ差はどんどん開いていってしまうのです。
だから、語学留学で、本当に英語力を上げたいなら、たとえ、ノリが悪くて、嫌な奴だと思われたとしても、日本人とは極力関わらず、出来れば一緒にゆっくり会話してくれる面倒見の良いネイティブと出来るだけ多くの時間を過ごす!これができると、学校へ通う以外でも多く英語に触れられて、一気に語学力が向上するなんてこともあると思うのです。
そして、そのためには日本人が極力いなくて、ネイティブと触れ合う機会が多い学校を選ぶ事が、とっても大切だと思います。時間とお金さえあれば語学留学は誰でも出来るのですが、実りある語学留学を成功させるには、その人の努力と強い目的意識が必要不可欠という事です。
長くなってしまったので、とりあえず今日はこの辺で!!