月光ソーダ
夢友達とお茶会をした
夜ごと同じ夢をみる
夢の中だけの友達
星空のもと白い灯台の天辺にいた
小さなテーブルに向かい合って座わった
テーブルには細長いグラスが二つ
中には透明のソーダ水
月に照らされてふつふつ揺らめく
星を入れてみよう
夢友達は両手で星々をすくった
それから仄白く光る星々をグラスに注いだ
互いの顔が白く揺れる
物足りないね
夢友達はそう言うと両手を高く伸ばした
そうして私のグラスに月をいれた
月の光と星々の光が相まって閃光
ソーダ水の泡は忙しそうに上へと急いだ
半分こしよう
私は淋しくなって夢友達を見た
夢友達は静かに微笑んだ
僕はいいよ
夢友達は哀しげに言った
さようならの代わりに乾杯をした
月光ソーダは少し苦かった
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