終活と愛情信託(LOVIMGTRUST)~4
これからは、終活に取り組みたい、あるいは
既に取り組んでおられる方もぜひ、検討して
いただきたいと思います。
但し、民事信託を成立させるには、暗黙の
というか絶対的な条件があります。
それは、
ご本人(信託上は「委託者」と呼びます)が
自分の財産を信じて託せる人(「受託者」)
を選定し、その人と契約することです。
非常によくある例は、子供、例えば長女が
他の兄弟より相続で自分の立場を優位にする
ために、私ども法律家にご依頼されるケース
この場合 親が「委託者」長女が「受託者」
を想定して長女さんが来られます。
でも、本当は親としては財産だけを狙って
いるであろう長女よりも親孝行で日々自分の
ことを気に掛けてくれて最も信頼している
次女に多く財産を渡したいと考えていたとし
たら、長女を「受託者」とする信託は成立し
ません。成立させてはいけないのです。
私はこのような事例もありうるので長女から
直接依頼を受けても必ず「委託者」となる
親御さんと個別でお話、ご要望をお聞きする
ようにしています。
場合によっては受任をお断りすることがあり
うることを事前にお話ししてから。
この場合「委託者」となる親御さんにとって
「受託者」として適任なのは長女ではなく
次女のようですね。
信託銀行や証券会社が販売する商事信託とは
異なり、民事信託は通常 家族同士で契約す
ることが多いです。
でも、そこに互いに信頼しあう、真の愛情が
なければ民事信託は成立しないのです。
もちろん、
民事信託の組成を依頼された法律家と委託者
受託者との間でもお互いの信頼なくしては
成立させることができません。
家族への愛情なくして信託は成立しない!
なので、私は民事信託のことを「愛情信託」
とか「LOVINGTRUST」と呼ぶようにしており
ます。
そして、医療の世界で「先進医療」がある
ように、法律の世界でも、柔軟に個人個人の
事情に適したしくみを組成することができ、
これまでの法知識では解決できなかったこと、
なぜ今までなかったのだ、スゴイじゃないか
という称賛と敬意を込めて民事信託のことを
「先進法務」と名付け、呼ぶことがあります。
これら、
「愛情信託」「LOVINGTRUST」「先進法務」
いずれも商標登録は完了致しております。
追伸)
「家族信託」=認知症対策
と誤解されている方が多いようですが
実際に専門家もそのように考えているきらいがある?
認知症対策は数多ある機能のうちの一つにすぎません。
折を見てご紹介していきたいと思います。
ちなみに、
この記事でも「信託契約」についてご紹介しておりますが
信託法上は
他に
・遺言信託
・自己信託(信託宣言)
という選択肢もあります。
特に、自己信託はかなり使い勝手のいい信託だと思います。
・賃貸不動産オーナーさんの財産承継
・親なき後問題で将来が不安な親御さん
などは 各々のお客様のご事情に適したご提案ができると思っています。
もっとも専門家泣かせのかなり複雑な設定が必要になることが多いのですが。
こちらもいずれ機会があればご紹介いたします。