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【短編】虹を越えたその先で~カミングアウト~
『星君!元気ですか?』
『おうよ』
着信康介
すぐに鳴る電話。
「どした?」
康介「いや星君の返信が、変やったので!何かありましたか?」
「いや大丈夫よ!心配させたならごめん」
康介「何もないなら良かったです!今日晩御飯行けますか?!」
「わかった、夜電話して」
康介「はい!20時頃電話します!」
相変わらずに優しくて可愛い康介に
なんか後ろめたい気分がずっともやもやしてた。
康介「これ見ました?凄い笑ったんですけど」
居酒屋でいつもみたいに呑んでて
携帯の画面を俺に見せようとして
差し出した時に石鹸みたいな香水の匂いがして
優しい康介によく似あってるなと思った。
「康介あのさ、俺と最近ずっとおるけど、何か誰かに言われてない?」
康介「え?なんでですか?特に言われて無いですけど…言われても関係無いですよね?」
康介は優しい奴やから
誰かに言われても俺に言えないんじゃないか?とふと思った。
康介「てか星君彼女と上手くいってます?」
そうだ忘れてた。
俺こいつに嘘ついてる…
彼氏の事、彼女って説明してたや。
康介「星君の子供がもし出来たら、俺むっちゃ可愛がる自信あります!!」
笑顔で言う康介に「有難う」って言いながら
胸の奥が苦しかった。
「康介ほんまごめん…ちょっと言いたい事あるわ…」
康介「え?どうしたんですか?」
「多分びっくりさせるかもせんけど…大丈夫?」
康介「大丈夫やと思いますけど…」
「あのさ、前に十数年付き合ってる彼女の話ししたやん?」
康介「え、はい…え?まさか妄想とか?ほんまは居ないんですか?」
「いや違う、妄想じゃなくて実在はしてるねんけどさ笑」
康介「はい…え?わからんです!何ですか?」
「彼女って説明してたけど、彼氏やねん…」
康介「…ん?男の人と付き合ってるって事?」
「そう」
康介「え!そうなんですか?男の人と十数年付き合ってた…
あ!だから結婚しない!っていつも言うてたって事ですか!!」
「そう」
康介「そうやったんですね…言うてくれて有難うございます!!!!」
え?何この反応…
「え?ひいてないの?大丈夫?」
康介「むしろなんでひくんですか?」
「気持ち悪い!とか思わんの?」
康介「別にそれと関係なく、気持ち悪い時は前からありますよ?笑」
「え?」
康介「突然抱きついてきたり、でかい声で好きや!言うてきたりむしろそのぐらいでひいてたら、星君とこんなに一緒に居ないです笑」
「ちょっと抱きしめていい?笑」
康介「別に構わんですけど…え?ちょっと長い長い!!
長いですよ星君!!!笑」
そんな日も乗り越えて
ずっと康介と僕は仲が良い。
康介はあれから仕事で引っ越しして
最近は年に数回の連絡をとりあうぐらいになっちゃったけど、
数年前にずっと付き合ってた彼女と結婚したと連絡があった。
からの数日前
康介『ほっくん!元気ですか?』
『俺が元気じゃなかった事、今世で一日も無い』
康介『安心しました!ちょっと報告があります!!!』
めちゃくちゃ可愛い産まれたての赤ちゃんの写真が送られてきた。
『え?むっちゃ可愛いやん!』
康介『俺つい数時間前に!!父親になりました!!!!!』
『おめでとう!!!!!!!!!』
康介『ほっ君に教えてもらった色々な事のお陰で、元気にやれてます!』
色んな事教えてもらったのも
あんなに楽しかった思い出が沢山あるのも康介のお陰やけど、
相変わらずに康介は可愛い。
康介『落ち着いたら久しぶりに会いたいです!』
『こっち帰ってくる時に連絡して』
康介『はい!絶対します!!また連絡します!!!』
よし、出産祝い持って、久しぶりにちょっと長めに抱きしめに行くか。
虹を越えたその先で
完
最後まで読んでもらって有難うございました!
今日はなんかちょっと書きたい気分やったので
一気に書いちゃったから、伝わりづらい所があったらごめんなさい!
明日はまた【僕の大好きだった人】に戻りますので
良かったら是非そちらも閲覧下さい!
ほなまたね!
星屑NFT