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【Event】Kyocera Mobile World公開 作業環境やアウトドアで求められる実用性重視の端末体験
2024年1月19日から21日の3日間、毎日20時と21時、22時の3回に渡ってVRSNSであるVRChat内で京セラ株式会社が公開した「Kyocera Mobile World」にてガイド付きフロアツアーが開催された。
今回の記事では、21日20時に参加したイベントの詳細を記載していく。
次世代の物流倉庫業務
ワールドに訪れた際に最初に降り立つのはエントランスエリアである。
そこには3台のスマートフォンが置かれており、ユーザーはどれか一つの端末をアクティベートする事で一時的に端末を所有出来る。
置かれている端末は京セラ株式会社が提供する法人向けスマートフォン「DuraForce EX」「DuraForce PRO3」と、一般向けにも販売されているスマートフォン「TORQUE G06」の計三種類だ。
この端末にはワールド内で稼働させられるギミックに対応した機能が備えられており、これを持つ事でコンテンツを最大限楽しむ事が出来る様になっている。
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エントランスエリアで参加者はチーム分けされ、筆者の居るチームはメインパビリオンへ移動後にすぐ倉庫エリアへとワープする事となった。
ここでは空中に浮かぶ未来的な輸送船から幾つもコンテナで荷物が運ばれて来ており、過去に展示イベントでお目見えしたドローンが入荷作業と出荷作業の積み下ろし業務を担当している。
進行役が参加者を集めた後にイベント開始となり、まずはドローンが入庫するダンボールをパレットの上にまとめて置く。
この時置かれた荷物に印字されたQRコードを、最初のエントランスエリアで所有した端末のバーコードリーダーで読み込むと荷物の入庫先となる棚の位置の情報が表示される。
後はこの指示にしたがって荷物をピックアップし、所定の棚に置いていく事で入庫作業が完了となる。
なお行わなければならない入庫分についてはピッキングリストから確認できる為、大人数の場合はメンバー間の連携も必要となるだろう。
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続いては出荷作業であるが、これは入荷作業とほぼ逆の事を行う事になる。
出荷作業スタート時にピッキングリストへ対象となる箱の位置が表示される。
それを一度所定のパレットに置いた上で、QRコードを読み取り荷物を出荷可能な体制にしていく。
必要数を積み上げたら、ラベルを印字して荷物に貼り付ける事で業務は完了となる。
後は出荷指示を行う事でドローンが荷物を回収し、無事にトラックへ積み込んで出荷が行われる。
ここで一つ注意しなくてはいけないのが、トラックの荷台に出荷されるパレットとともに乗り込んでしまうインシデントである。
もれなくワールドの一定位置まで荷物と一緒に運ばれてしまうので、荷物の気分を味わいたいユーザー以外には余りお勧めする事は出来ない。
こういった入出荷作業は現実でも行われており、倉庫作業におけるタフな味方として京セラ株式会社のモバイルデバイスが役目を果たしているのである。
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多様な環境や使い方に堪えるマッシヴな端末
メインパビリオンに集合した参加者は、今回取り上げられた端末の精巧な3Dモデルが展示してあるフロアやその奥にあるビジュアライズされた実際の使用例を垣間見えるフロアへと案内された。
DuraForceシリーズは法人向けではあるものの、機種によっては一般でも購入する事自体は可能であるるらしい。
とはいえそれよりは遥かにTORQUE G06の方が入手しやすいとの事である為、端末に興味があるユーザーはそちらの方を手にとって見るのが良いだろう。
今回展示してある機種については、それぞれ1つ前のモデルよりもサイズを小型化し取り回しを良くしている。
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案内された使用例について順に取り上げてみる事にしよう。
まずは倉庫内作業等で、ハーネスに装着する形で情報の送受信を行う端末としての使い方だ。
多くの作業環境に適合するだけのスペックを備えたモデルである為、これまで旧来の通信機器に頼ってきた事業者にとっては強い味方となるだろう。
次は入荷・出荷の際のドライバー向けのサポート機器としての使い方だ。
これは車両に対する無線受信機、ナビゲーションなどを一括して行える端末として車両内に設置されたものであり、荷物の取り扱い先と連携して効率よく業務を遂行する事が出来る。
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ここからはアウトドア的な使い方に移る。
TORQUE G06は抜群の防水性能(IPX5/X8)を誇る為、カヌーやカヤックなどに取り付ける事で情報を得ながらボートを動かす事が出来る。
またその防水性能は川だけでなく海での利用も可能としており、海水に浸からせても問題なく機能する他、水中内での撮影を行う際の歪みの補正といった事も行えるという。
荒れ地を走るオフロードバイクなどに端末を設置するのも賢い使い方と言える。
TORQUEの高い防塵性能(IP6X)と耐衝撃性能は折り紙付きであり、過酷なロードレースでも存分にライダーをサポートしてくれる。
もちろん、キャンプなどへの持ち込みもOKである。
アウトドア環境でも問題ない通信機能を備えているため、Android版VRChatを起動しながらのんびりとキャンプを楽しんで歓談するといった使い方ももちろん出来てしまうのである。
特にこの使い方は、色々なSF作品で取り上げられた「アウトドア引きこもり」と呼ばれる外出先でのオンラインネットワークサービスユーザーのライフスタイルが現実に降りてきたと言っていいだろう。
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今回展示されたこれらの端末は、どれもが厳しい条件下でもその機能を発揮できる様に抜群の耐久性・対環境性を備えた代物となっている。
ともかく頑丈、それでいてある程度の使い勝手も欲しいという贅沢なユーザーに似合う、珠玉の逸品を是非見てみてはいかがだろうか。
なお京セラ株式会社はDuraForce EXやTORQUE G06等を1月24日から26日にかけて東京ビッグサイトで開催される「スマート物流EXPO」で展示するとの事である。
現物を見てみたい方に関しては、そちらを訪れるのも良いかもしれない。