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【Information】おきゅたん10周年☆メタバースどらまちっく音楽シネマ「劇場版 くじらビート ~じぇりりの夢~」 仮想の世界から夢よ輝け

 2023年12月30日、VRChatをはじめ様々なメディアで活躍している「おきゅたんbot」氏が監督・脚本・総主演・総指揮を手掛ける映画メタバースどらまちっく音楽シネマ「劇場版 くじらビート ~じぇりりの夢~」がユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて17:30から公開される。
今回の記事では、先日行われた本編一部試写会で判明した映画の内容や制作事情などについてふんわりと触れていく。


簡単なあらすじ

 五感を体感できる没入型のメタバースコンテンツである「バーチャル・ワンダーランド」。
その世界には人間の様なリアルに身体のあるプレイヤーの他に、メタbotというNPC(ノンプレイヤーキャラクター)という自律して活動するプログラムも同居している。
そこで暮らすメタbotの一人である「おきゅたんbot」は、これまで10年間活動してきたが作中の世界では既に「旧型」扱いであり、鳴かず飛ばずの日々が続いていた。
そんな彼女の相棒、くらげの「じぇりり」と街を歩いていく中で、多様な交流を通し、唯一無二の「本物」へなりたいという夢を抱く。
じぇりりもまた、旅先で見かけたクジラに憧れ「くじら」になることを夢見る。

 そんな世界に静かに忍び寄る「バーチャル神隠し事件」という謎の失踪現象。
人気アバターに適合した姿を保つ為に必要な「メタソウル」。
メタソウルを癒やす力を持つ、数々の音楽アーティストたち。
旅路の果てに彼女達が見届けるのは一体何なのか、本物になる為の旅の扉が今開く。

撮影秘話と超タイトなスケジュール

 今回の映画については意欲的な試みが幾つもなされている。
まず第一に、この映画はVRChat内で撮影が完結している邦画としては唯一無二という事だろう。
VRChat内で撮影された映画としては、海外のサンダンス映画祭にてドキュメンタリー作品「We Met in Virtual Reality」が公開されたのが先行事例として知られている。

 このVRChatでの撮影というのは、実は予想以上に厳しい状況の元で行われたとおきゅたんbot氏は語った。
実は撮影開始が2023年11月からと、つい先月にクランクインしたのである。
その上で編集ソフトを初めて利用し、監督や総指揮として映画に関わり、更には宣伝活動まで行ったというのだ。

 当然映画の撮影を行うVRChatに多くの出演者が一度に集ってしまえば、負荷の都合上良い映像が撮れない事もある。
そして出演者の中には24時間応じる事が出来るとは限らない人も存在する。
その為「パートごとに個別に撮影をし、それをつなぎ合わせて完成させる」という方法で映画が制作されていった。
連日に渡る作業で、今どのシーンを撮影しているのか分からなくなった事もあるとは監督の弁である。

映画化の為の2ステップ

 今回の映画について、重要となる画質についてお伝えしておくと「4K画質」である。
VRChat内で撮影・出力出来る映像としては非常にくっきりとした物となっており、それ故に元となる動画ファイルの容量も莫大なものになったとスタッフは語っている。
もちろん映像のノイズを低減する為にビットレートも極限まで引き上げて調整を行っているとの事だ。

 もう一つ映画化の肝となったのが「デジタルシネマパッケージ」という独自規格である。
これはデジタルシネマで映画を公開する際に必要なファイル規格となっており、ビデオやオーディオ、字幕ファイルやその他必要な物までまとめてパッケージングする物である。
その為通常動画ファイルとしてよく用いられるmp4やaviなどとはまた違ったものであり、これも一から学習する必要があったとの事である。

くらげビートより大きいくじらビートへ

 映画の公開に至るまでのスケジュールはまさにタイトであったが、無事完成にこぎ着けた本作。
撮影のほぼ全てがVRChat上で行われている事で、リアルの映像に頼らない新しい時代の画作りができるようになったと言っても過言ではない。
もちろんVRChatで制作された映像作品は数多くあるものの、実際に映画館の1ホールを使っての公開にまで至ったのは非常に稀有な例である。
是非新しい映像表現やドラマの在り方を見てみたい好奇心に駆られた皆様は、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場 スクリーン12に足を運んでみてはいかがだろうか。
上映日時は12月30日、CMは17時30分から、映画本編は18時丁度にスタートする。
上映時間はおおよそ90分以上とのことだ。
予約はイープラス(https://eplus.jp/sf/detail/4000900001)から受け付けている。

 最後に、これまでVRChat上で「くらげビート」という名称で活動を括ってきたがどうしてくじらビートという名称で映画を制作したのかという話を伺えた。
答えはシンプルで、くらげビートより大きな活動で、インパクトのあるイメージを探した所でくじらという名称が出てきたとの事であった。

 VRChatから始まるくじらの様な大きな夢。今後こういった活動が噴水の様に次々と出て貰いたいものである。


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