居る日記|6日目(宮本)
わたしには体しかないという後ろ向きな思いが日々強くなる
今日は天気がぐずつきそうだったので、遠出はせずに城崎周辺を散策することにした。
みなみさんと一緒に、まだ行っていなかった城崎文芸館へ。
現在は「城崎麦わら細工 前野治郎展」という企画展が開催中だった。麦わら細工は豊岡市の無形文化財に指定されている。以前は東京の大森でも生産されていたが、職人が途絶え、現在は城崎でしか作られていないそうだ。
常設展には「城の崎にて」の著者である志賀直哉にまつわる資料や、城崎温泉の歴史をまとめた展示などが並ぶ。
紙がお好きなんですね。
ゆっくり見て、みなみさんと解散。それぞれ好きに歩く。
わたしは次の目的へ。
目的を果たすために城崎温泉駅の近くにあるブックカフェ「短編喫茶Un」を目指す。毎日店の前を通っていたので認知していた。ここで読めると思った。
心がフラットなまま読み切る。いいタイミングで読めたことは間違いない。
小腹がすいたのでメンチ買い食い。「食べ歩きって、歩けんよね」と言って立ち止まって食べる女性たちを颯爽と食べ歩きながら通り過ぎた。
文芸館の展示を見て麦わら細工に興味が湧いたので「城崎麦わら細工伝承館」にも足を運んだ。建物がかっこいい。
2階では「シーボルトコレクション」という企画展示が開催されていた。シーボルト父子が日本滞在中に集めたコレクションに含まれる麦わら細工を、現代の職人の手により再現したものが展示されている。
説明書きにあるよもやま話がおもしろい。
ダメ出し。
館長さんによると、城崎麦わら細工の職人さんは現在10人足らずとのこと。しかし熱意ある若いお弟子さんも数名いらっしゃるという。どうか長く繋いでいってほしいなと勝手ながら思った。
ここでは麦わら細工の体験もできる。やってみたいと思い始めていたけれど閉館時間が迫っていたため今日は断念。
「城の崎にて」にも登場する東山公園に向かう。ここの展望台に登ってみたかった。山を登る。
今日までの旅の一番だった。山も川も街もすべてが見渡せる。高いところに居る体を獲得できたことは本当に幸運。登りの道中はあまり整備されていなくて(これからだったのかも)ちょっと怖かった。
今度は海にも行きたい。行けるだろうか。
居ました。
夕方、みなみさんと再集合。コウノトリを見てきたらしい。
一緒に居酒屋「ふくとみ」さんで夕飯。
おでん
最高
お客さんが引けてきたタイミングで、店主のご夫婦と隣にいらしたお客さんとお話しする。会話からわたしたちが豊岡演劇祭に参加していることを悟ったらしく、声をかけてくれた。みなみさんがわたしのことをダンサーですと紹介してくれた。そうだわたしはダンサーだったな、と思った。結構しっかり忘れてた。
完全に満腹になった。そのまま今日の温泉へ。
6日目、「まんだら湯」。露天に大人1〜2人サイズの桶風呂がある。エンタメだった。屋内のジャグジーもかなりエンタメだった。
明日は滞在7日目。無事外湯制覇なるか。乞うご期待。
まだまだやらなきゃいけないことがあるけれど、背中と首がガチガチに固まってて限界なので今夜はおしまいです。明日はハードな一日になる予定。がんばろう。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
また明日。