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居る日記:1日目(北林)

筆者:北林みなみ(絵描き)



朝、寝ぼけたまま冷蔵庫に入っていた梨を2つむいた。
どうしても本日中に食べてしまいたかった。本来だったらフルーツは保存容器に入れて大切にちびちび食べたいところだが、今日だけはそれを諦めなければならなかった。
切った梨と、昨晩茹でた殻付きのゆで卵を、適当なビニール袋へどさどさ入れてリュックへ詰め込んだ。

今日から豊岡演劇祭2023での滞在制作のため、兵庫県豊岡市に滞在する。
今回の旅は期間が長いので、冷蔵庫の中身を整理したかったのだ。
計画性がないので、他にもまだいろいろな食材が入っていたような気もするが、大好きな梨だけはどうしても自分で食べたかった。

雑な朝食

新幹線はほぼ満席だった。
京都駅で城崎温泉行きの特急へ乗り換える。こちらはほとんど空席で、周囲を見渡しても、私ともう2人くらいしか乗客が居なかった。

きのさき7号

京都駅を出てしばらくすると、窓の外はほとんど田んぼか山、川だった。
稲穂の色が黄色に光ってまぶしかった。もうそんな季節なのか。

まぶしいイエローの色面の中へ、どこからか真っ白なサギが飛んできて、その部分だけ色が抜けたみたいに見えてきれいだった。

車窓から、ピントが合いません

短いトンネルを抜けるたびに、晴れたり、雨が降ったり、晴れたり…山間特有のころころ変わる天気の中をガタゴト進んでいった。

終点の城崎温泉駅に到着。
そこに居るために”の宮本悠加さんがお迎えに来てくださる。
着いたときには晴れていたのに、5分後には大雨が降ってきた。
2人でびしょ濡れになりながら、宿へ。
そこら中にカニの看板が目立つ。カニ、有名なのか。

夜ご飯を宮本さんと一緒に食べた。
寿司です。初日から奮発しすぎたかな。
でも誰かと一緒に食べるなら、おいしいもの食べたい。

塩で食べる寿司

寿司屋ではなぜ、鮭をサーモンと呼ぶの。まぐろはツナと呼ばないのにね。カジキマグロはマグロではない…?あれ、メカジキってなんだっけ。というどうでもいい話をしていたが、今思うとカウンターで板前さんを目の前にしながら話す内容ではなかった気もする。

寿司の後は、御所の湯という温泉に入った。
どうせ濡れることには変わりないので、小雨を浴びながら露天風呂をのんびり堪能した。
湯上り、コーヒー牛乳を飲んで、休憩所の畳の上で2人でぽけーっとしていた。

帰り道にあった射的でアヒルをGET
宿に戻って、宮本さんと一緒にヨガをして本日終了。


あひる


初日から完全に観光気分で旅を満喫していますが、明日から自分のペースでいろいろな場所をゆっくり見て回りたい。
あんまり雨が降りませんように。


つづく


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