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【 レポート 杉島市政 Part.4】パーパスってな〜に? #入間市長選挙
杉島市長が掲げるパーパス
最近、よく耳にする「パーパス」という言葉。企業でよく使われる単語ですが、入間市にもパーパスがあります。
でも、「パーパス」って具体的に何を意味しているのでしょうか?入間市にもパーパスがありますが、それは何のために、誰のために作られたものなのか、答えられる人はどれだけいるでしょうか?
この記事では、入間市のパーパスについて、開示請求で明らかになった情報をもとに、その成り立ちや目的に迫ります。
まず、パーパスってなに?
まず、パーパスという言葉の意味から。直訳すると「目的」ですが、最近のビジネス界では、組織の「存在意義」を表す言葉として注目されています。特に、組織が困難に直面したときに、このパーパスが社員の結束力を高める効果が期待されています。会社が自分たちの存在意義を見つけるために定めたのが「パーパス」なのです。
入間市のパーパスは?
入間市のパーパスは「心豊かでいられる、『未来の原風景』を創造し伝承する」というものです。これは、100年後の未来を見据えたまちづくりを目指し、市民が心豊かに暮らせる環境を創り出すことを目的としており、共創によるまちづくりを進めるための「かけ声」だと市のHPには記載されています。
入間市のパーパス策定経緯
パーパス策定の経緯について、調べたところ以下の流れのようです
2021年 職員を対象に開催した「未来の入間づくりのためのワークショップ」を実施
2022年 市長直轄の未来共創推進室を設置 パーパスの策定を進める
2023年 パーパスを発表
では、最初の職員を対象とした「未来の入間づくりのためのワークショップ」ではどのような、内容を話し合ったのか、議事録を記載いたします。
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この、ワークショップでは以下のようなキャッチコピーが職員から提案されました。
A:住生活を快適させるまち
B:非日常を実現させるまち
C:お互いがつながるまち
D:住環境の快適を実現させるまち
E:ハートフルなコミュニケーション実現できるまち
職員から提案された案は市民にとって、とても魅力的な内容が多く、やる気のある職員が居ることが伺えます。
しかし、ここからどうして「心豊かでいられる、『未来の原風景』を創造し伝承する」という結論に至ったのかは理解しがたいところです。
2022年に新設された市長直轄の未来共創推進室で、どのような話し合いがあり、どうやってこのパーパスを決めたのか、それは分かりません。
パーパス策定にどうして博報堂が関わってるの?
このパーパス策定には入間市とは縁のない企業である博報堂などが関わっています。
その経緯は以下の記事を読んでいただくと分かります。
この記事の中では、次のような印象的なエピソードが記されています。
『まず相談を持ち掛けたのが、ネクソンだ。「広く発信するためにテレビなどで取り上げてもらうのにはどうしたらよいか」という市長の問いに対し、ネクソンの鈴木氏は「テレビ紹介を目的とすべきではない」と助言した。』
『博報堂の佐藤氏は、「市長に入間市はどうありたいかと聞いた際、鋭い答えがあるものの、それが入間市、入間市役所の一人称になっており、三人称ではなかった」ことに課題を感じた。』
当記事は2022年のものであり、パーパス策定前になります。
このアドバイスがパーパスに反映されたのかは、疑問が残ります。
入間市のパーパスは誰に向けたものなのか?
パーパスとは、本来、組織の存在意義を従業員と共有し、組織の方向性を決定づけるものです。
そのことを考えると、入間市のパーパスも市長や市役所職員に向けて設定をしているものとなります。
ところが、このパーパスは市役所職員ではなく、市民に向けてと誤解をされています。
・内容が市役所職員の業務範囲を超えている
・作成した動画で市民が語っている
・市民に指示を出しているように読める
これらの点から、市民に誤解を与えている可能性があります。
このパーパスは市役所職員が自ら実践するための指針であることを、もっと明確に広報するべきだったのではないでしょうか。
入間市のパーパスの問題点
入間市のパーパスには、見過ごせない重大な問題が隠れています。
1. 曖昧で具体性に欠ける:言葉こそ美しいものの、実際に何が行われるのかはまるで霧の中。市民にとって、どんな具体的な変化を期待できるのかが不明瞭です。
2. 市民の声が反映されていない:職員の提案からどうしてこのパーパスが生まれたのか、理解できない点が多い。まるで市民の声が、どこかで消えてしまったかのようです。
3. ビジョンとパーパスの混同:パーパスとビジョンの境界が曖昧で、どこへ向かうべきかの北極星が遊星となっています。
「未来の原風景」と聞くと、心に響くものがありますが、それが実際にどのように現実化されるのか、説明が不足しています。具体的な施策や目標が曖昧で、市民にとって実感しにくいものとなっています。さらに、パーパスの実現に向けた5つのアクションプランも、具体性に欠け、実行力が不安視されます。言葉が空回りし、市民の期待を裏切ることになりかねません。
また、子育て支援や高齢者福祉など、市民の実生活に関わる重要な分野が、パーパスの中で十分に考慮されていない点も見逃せません。市民の生活向上に直結する具体的な施策が見当たらないのです。
そもそもパーパスとは組織の存在意義を明確にするものですが、入間市のパーパスは「目指す未来像」や「未来の理想像」であるビジョンと混同されているように見えます。この認識のズレが、方向性の不明確さと混乱を生んでしまっているのです。
パーパスとビジョンを同一視していては、認識にズレが生じ、混乱が生じてしまいます。
パーパスとは「(入間市行政が)なぜ、存在するのか」という問いに答えるものですが、入間市のパーパスは市民の生活と結びついておりません。
どのようなパーパスが入間市には必要か
入間市行政が真に市民に寄り添うためには、パーパスをもっと具体的で、実現可能なもので定めるべきです。
まず、子育て支援や高齢者福祉の充実が求められます。具体的には、保育施設の増設や高齢者向けの医療・介護サービスの拡充が必要です。また、地域経済の活性化を図るために、地元産業の振興や観光資源の活用も重要です。
さらに、市民参加型のまちづくりを推進するための仕組み作りも必要です。市民が自らの意見を反映させることができる場を設け、地域の課題解決に向けた共同作業を促進することが求められます。
このように、入間市のパーパスをより具体的で実行可能なものにするためには、市民の多様なニーズに対応し、具体的な施策を打ち出すことが入間市行政の『存在意義』であることを明確にする事が必要です。
最後に
パーパスとは『なぜ、私たちは存在するのか』という問いに答えるものです。
入間市行政が存在するのは「心豊かでいられる、『未来の原風景』を創造し伝承する」為なのでしょうか?
未来を作るのは市民の役目では無いのでしょうか?
入間市行政には「市民の生活をサポートする」という本来の存在意義を思い出して欲しいと思います。
補足
このパーパス策定、周知にあたって、450万円の税金が使われた事を記しておきます。
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