自分でエアコン洗浄
エアコンのクリーニング
やりたいけれどもはっきり言ってよくわからない。スプレーをかけても送風ファンはキレイにならない。かといって頼んだら最低1万円ぐらいする。もちろん、効果あるし、それだけの値打ちはあると思いますが、なんとか自分でやりたいところです。エアコン内部の汚れやすい部分は熱交換器(エバポレーター)、ドレンパンと送風ファンです。それに洗剤をかけて、水洗いしたら結構ちゃんとできます。熱交換器は比較的簡単ですけど、送風ファンはちょっとやりにくいです。私の場合、ファン取り外して外で丸洗いします。その方が速いです。その分解のやり方やら掃除の一部始終を記録しました。実際の作業の様子は下の動画で説明しています。
日立のRAS-AJ22B
このエアコンは日立のRAS-AJ22Bで2012年製のものです。同じ頃のものなら別のメーカでも多分同じような構造だと思います。私はエアコンの掃除には、カビキラー、カビハイターそういう塩素系の洗剤か、マジックリンを使います。カビキラーはいいです。本当ににきれいになる。しかし、次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウムが入っていてかなり強いアルカリ性なので、大量の水で洗い流さないといけません。たちが悪いのは、金属に残ったりすると腐食するのです。特に熱交換器のアルミフィンですね。あるいは銅の管は冷媒が通っているので、これに付着して残るとマズイです。蟻の巣状腐食と言って、細くて深い腐食が進んだりして、結構冷媒漏れの原因になったりするそうです。それで、熱交換器はもちろん、送風ファンも室内機に付いたままならカビキラーは使いません。これはもっぱら外した送風ファンを屋外で洗うときだけ使います。送風ファンは樹脂製なので錆びることもないし屋外なら大量の水道水で洗い流せるからです。強アルカリの一般的な注意ですが、タンパク質を溶かします。皮膚についたらすぐに水で洗います。目に入ったら水晶体を溶かすし絶対マズイので心配なら防護メガネかけるべきです。あと、塩素系の洗剤ですので酸性のもの(サンポール、酢、レモンなど)と混ざらないようにしないと塩素ガスが出るのでこれは絶対駄目です。それさえ注意すれば害のないよいものだと思います。それからブラシで、これもハネの裏側を意識してこすって、数分程度放置します。後はできるだけ強い勢いで水出して完全に洗い流します。洗剤が残らないようにしつこくすすぎます。
室内機の養生
をします。右の方に電気基板があるのでそこに水が入らないようにタオルでくるみます。アース線もはずして一緒にくるみます。布マスカーと呼ばれてる塗装養生用のものですが、布のマスキングテープにポリシートが1mついているものです。送風口の下の真ん中辺りから貼っていきます。これは塗装のときすごい便利なもんですがエアコンの掃除でも重宝します。普通のマスキングテープが付いているものもありますが、エアコン掃除の場合は強力な布テープが付いているもののほうが絶対いいです。洗剤はジックリンを使います。熱交換器のフィンはアルミだし、銅の冷媒配管もあるのでカビキラーとかはやめたほうが無難です。私はマジックリン一択です。メーカーの回し者ではないのですけど、これが一番良いと思ってます。送風口も奥まで届くようにスプレーします。送風ファンが外せない時は吹き出し口からファンを少しずつ回しながらマジックリンをかけていきます。ブラシも届く範囲はできるだけこすります。ドレンパンにもスプレーしてブラシでこすります。数分間したら水ですすぎます。このとき使うのが蓄圧式の噴霧器です。中に水を入れて、予め空気で圧力をかけておけばずーっと連続してノズルの先からある程度の勢いで水が出ます。安全弁が開くぐらいまで圧力かけます。4リットル用ですけど、この位の容量は欲しいです。アマゾンで「蓄圧式噴霧器」で検索したら、2,000円以下でありました。それから、直接水道につなぐやつですけど、これは「スプレー洗車ガン」で検索したら1,000円しませんでした。ノズルを回すと吹き出す形状をかえられます。熱交換器をすすぎます。熱交換器少し上げてドレンパンもすすいでますが、この辺はほとんどドレンホースから排水されます。ドレンパンの奥の送風ファンのケーシングのところですがここは水が全部外に出てきます。洗剤成分が残ると蟻の巣状腐食とかで最悪冷媒漏れになったりします。この場合、2回やりましたが送風ファンを取り付けたままならば3回以上やらないといけないと思います。
モーター火災のリスク
がエアコンの掃除にはあります。これについては洗浄成分がかからないように右側の電装部分はタオルとマスカーで養生するように説明しているのですがさらにファンモーターなどの電装部分が濡れないように細心の注意が必要です。洗浄液によるモーター火災の事故は私の調べたところでは2007年から事故情報データバンクに報告されているだけでも59件ありました。報告されていないものも含めれば相当数にのぼると思います。多くは、ファンモーター部にクリーニング時の洗浄剤が付着したためファンモーターコネクタ部でトラッキング現象が発生、出火した事故と推定されています。東芝のエアコンでそのような事故が25件と多発したことがあって、平成28年8月12日に消費生活用製品の重大製品事故として公表済です。取扱説明書に「室内機内部の洗浄は販売店又は修理相談窓口へ依頼すること。消費者自身で実施すると故障・水漏れの原因となる」旨記載するようになりました。日本冷凍空調工業会ではウェブサイト上で「エアコン内部洗浄は高い専門知識が必要である。誤った洗浄剤の選定・使用方法で行うとエアコン内部に残った洗浄剤で樹脂部品の破損・電気部品の絶縁不良などが発生、最悪発煙・発火につながる恐れがある」と注意喚起を行っています。
結局素人は手を出すな
という工業会のお決まりの結論です。しかし、それは本質的な解決策ではありません。確かに消費者自身が市販のエアコン洗浄スプレーでクリーニングを行い、その洗浄成分が出火部分から検出された事例もありましたがそればかりではありません。根本的な原因はエアコンの整備性の悪さです。数年間エアコンを使用すれば必ずと言ってよいほどドレンパンや送風ファンがカビなどで汚れ、清掃しなければなりません。掃除しなければならないのに自分で掃除できないのは実に不便です。こうしたことから私が思うのは、メーカーにはもっと簡単に安全に清掃できるエアコンを作ってほしいということです。扇風機のように簡単にファンが外せる構造にしたり、熱交換器に洗浄液をかけてもそれが簡単に電装部分に滲みわたらない構造にしたりといったことです。掃除をやってくれるエアコンよりも掃除しやすいエアコンを作ってほしいということです。
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