会社員として自分を活かすと決めた日
ずっとずっと、少し変わった子に憧れていた。
ちょっと個性的な、独創的な子。
それと比べて自分は平々凡々で、普通で、当たり前のことを当たり前にする、何の面白味もない人間。
何か面白い感じを醸そうと振る舞っても空回りするだけ。
育休中、無性に自分の名前でビジネスなりお店なりをやりたくなった時期がある。
私は2歳差で2人産み、産休育休合わせて丸4年仕事を離れた。
その間にご近所ママ友たちとの交流が盛んになり、ママ友の一人が自宅でお料理教室を開いていたり、また別のママ友はパン作り教室に通ってパン屋さん開業に燃えているのを見ては、何か私にもできないかと焦った。
しかし、考えても考えても、何も出てこない。
これをやりたい、とか、これをせねばという使命感の湧くものが、なーんにもないのだ。
なんかあるだろ、と思って好きなことを書き出したり、小さい頃の夢を思い出したり、自己分析に励んだ。
でも結局、私が憧れていたのは「自分の名前で何かをしている」状態なのであって、自分自身に湧き上がるテーマはないのだった。
そして思った。
私一人で何かビジネスをやるより、会社に勤めた方が、会社を通じて社会貢献できる。
どんなに今の担当業務が地味で間接的であろうとも、自分をそのように活かすことを選ぼう。
会社員として本気で仕事をする、と心を決めた瞬間だった。