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希望をくれた本

来月公開される映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」。この作品の原作者、五十嵐大さんは、宮城県塩竈市出身だそう。
私が住んでいるまちです。
映画の公開を記念し、近所の図書館には映画に関連した本の特集コーナーが設置されていました。
その中で目に止まったのは、「隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録」という五十嵐さんの著書。
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798175324

電子図書館サービスでも貸し出しを行っていたので、読んでみることにしました。
この本を手に取った理由は、わたしもAPD(聴覚情報処理障害)だからです。診断を受けてから、この障害についてあまり向き合うことができませんでした。知るのが怖かったんです。けれど、この本に出会ったとき、読まなければいけないという強い使命感を感じました。
本を開き、当事者ではない五十嵐さんがこの本を書いた経緯や、APDとはどんな症状なのかという説明を読み、知らなかったことの多さに驚きました。
APDの方々のインタビューを読むと、自然と涙がこぼれてきました。同じ悩みを抱えて戦っている人がいる心強さと、一生付き合っていかなければならないという将来への不安、いろんな感情が沸きあがって、複雑な心境
でした。医師からはいつ治るとはいえないけれど、ずっと同じ状況が続くわけではないと言われて、それだけが唯一の希望でした。しかし、治ったというエピソードはひとつもなかった。なにか打開策はないのだろうか。涙を流しながらも読み進めました。すると、障害と向き合って、同じ悩みを抱える誰かを救おうと必死で戦う当事者のインタビューが綴られていました。気がつくと涙は止まっていて、わたしもそうなりたい。ならなければいけないと、不安や悲しみは強い決心に変わりました。
ようやくAPDと向き合ってみようと思えたんです。

「隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録」は、わたしが進むべき道を示してくれ、この本に出会えたことは運命だと思いました。
そして自分にできることは何かと考えて、わたしには文章を書くことしかないと思い、noteを始めることにしました。
症状の出方は複雑で個人差があるそうで、本にでてきた当事者の方と、わたしとでは同じところも違うところもありました。
症例のひとつとして、自分の経験を発信することで、同じ悩みを抱える誰かの支えになればと思います。












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