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映画「レオン」を見たネタバレ感想

先ほど、初めて「レオン」を見ました。

ラストに関すること、ネタバレ込み込み込みでいきますのでご注意ください。







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いやぁ、悲しい。

ものすごく悲しいです、この映画。

今までも、結果的に死別してしまうような悲恋の映画は何本か見てきたはずなのですが、

ダントツで悲しいです。

これは数日引き摺る系のやつです。


最近生活に娯楽がないなと思って、なんとなく見始める映画じゃありませんでした…沼です。


なぜこんなに悲しいかと言うと、私自身がマチルダに感情移入していたからなのだと思います。

映画を見ていて、私自身もレオンを本当の父のように、また好きになった男性のように慕っていました。

家族を突然殺されて、知らない男性と二人で生活を送ることになったマチルダの心細い思いも理解しました。


そんなマチルダの復讐心を自分のこととして受け取り、最後に仇を取ることができたレオン。そしてレオンがマチルダに抱いていた愛。

マチルダの、レオンに対する慕う気持ちなのか恋愛的な感情なのかが複雑な愛。

どこか歪だけど、二人の間にあったものは間違いなく愛だと思います。

それだけ、この映画がすばらしく「純愛」を描いていたのだと思います。


しかしね、マチルダとレオンの関係って、リアル「吊橋効果」ですよね。

家族が突然殺されて、さっき会った男性に助けられて、

しかもその男性がバリバリの殺し屋、朴訥で信頼できる人柄、となったら

それでいて、命を何度も救われたら…

かっこいい!!!!となると思いますよ。弟の仇を討ちたいという思いと共に、「自分も殺し屋になりたい」と思って自然なんじゃないかとすら思います。


マチルダは、12歳でタバコを吸い、寄宿舎から抜け出し、あげく街で唐突に銃を乱射するようなハードボイルドな女の子です。私もこんなかっこいい女の子でありたかった。

やんちゃな少年らを、金を使って追い払うシーンがめちゃくちゃかっこよかったです。

そんなマチルダですが、心は純粋無垢で少女らしい面が大きく、

悲しみと復讐の心に燃えつつも、どこか「自分が殺し屋になる」という刺激的な非日常を感じて生活していたのではないでしょうか。

そこで、大人の仲間入りした生活をキラキラとした目で送っていたように思えます。

ラストでトニーに諭されるシーンは、まさしく、半ばファンタジーの世界で生きてきた少女が「現実世界」に戻される瞬間だったのではないでしょうか。



レオンとの別れで、マチルダは自らのどこかファンタジーを求める幼心とも同時に別れたのだと思います。

それで、レオンの弔い、レオンと過ごした少女としての初恋の弔いとして観葉植物を学校の庭に埋めました。

マチルダはレオンと出会ったことで、レオンという「自らを本当に愛してくれた人」と出会うことができ、彼の愛をずっと心の奥底で感じながら生きていけるのだと思います。

そんな日常に戻されたマチルダは、今後この経験を胸に秘めて、社会でも力強く大人として成長していくのではないかと感じます。


見ていた自分も、そんな少女的なファンタジーに憧れていた昔の時期を思い出し、

マチルダと共にそれを弔った気持ちになりました…


以上です。







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