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大学時代で印象的だった「日雇い派遣バイト」6選

こんにちは、いりーです。

私は大学時代、普通の長期のアルバイトをしたことがありませんでした。

理由は、音大生ゆえに練習時間を確保したいというものだったのですが、正直そんなにバリバリ練習した記憶がないので、長期のアルバイトをしても良かったしむしろすべきだったと後悔しかかっています。(長期バイトは学校外の人間関係が築けるし、社会人としてのマナーも身に付く良い場だと思います…)

そんな私は、いわゆる「登録制の日雇い派遣バイト」を単発的に入れる方法を取って働いていました。

今回、私が今まで働いてきた数々の職場で印象的だった仕事、そして日雇い派遣という働き方について紹介したいと思います。


●「日雇い派遣」とは?

私はとある派遣会社に登録して働いていました。

登録方法は、実際にその会社に赴き、会社説明を受けて何か書類に書き込むだけです。面接的なものは一切ありません。

HPを見ると説明会をやっている日時が複数あり、その中でどれかを予約します。私が行った時は、周囲は何故か銀髪のお兄さんとか金髪のお兄さんばかりでした。

無事登録が済むと、会社から「今週の仕事一覧」的なメールが来ます。前日までに「○○の案件が希望です。よろしくお願いします」的なメールを会社に送り、応募人数が多過ぎれば落ちますが、そのようなアクシデントが無ければ「じゃあ明日働いてください」となります。

仕事の紹介が毎日届くのでかなり日時の融通がききますが、人気な案件は申し込んでも全っ然通りませんし、人気じゃない案件もあんまり通りません。一週間以上前から案件をこまめにチェックし、それで希望の職場で働けるかな?という感じです。

私は主に長期休みに仕事を入れていました。働いた職場は80パーセントくらいが単純作業・軽作業。あとの20パーセントはイベント系です。時給は大体一律1000円だったと思います。

(私はこの派遣会社はもうすでにとある理由で登録解除しています。色々賃金未払いとか怪しい噂もあったので。派遣会社は慎重に選ぶべきです…)

そんなで、特に印象的だった仕事を6つ挙げて書いていこうと思います(フェイクを混ぜます)。かなりの長文です。


①フィギュアの検品を12時間行うバイト

私がおそらく初めて入れた仕事です。

仕事としては、みなさんが「単純作業」としてイメージする通りの仕事です。フィギュアを作る会社で、そのフィギュアに汚れがないかチェックし、どんどん袋詰めをして行きます。とても大人数の案件で、アルバイトは私含め15人くらいおり、うち大半が高校生でした。

ここの職場の担当者さんはとっても良い方でした。

まず初めに仕事の説明を聞くのですが、その際に「わからないことがあったら、なんでもいいから全部質問してください。同じことを何回聞いてもいいんです」と言ってくださいました。この時点でめちゃくちゃ緊張が解れました。

9時から22時までの仕事で、12時に休憩がある以外はずっと働きづめの予定だったのですが、かなり頻繁に小休憩をさせてくださり(2時間に1度くらい)、その時にお菓子もくれました…。

仕事の説明をした時は「私語禁止」だと言っていたのですが、夕方6時くらいになるとそれが破られ、みんながとても和気藹々と喋りながら仕事していましたし、担当者さんがむしろ積極的に話を振って盛り上げてくれていました。

仕事がなかなかキツいからこそ、色々気を使ってくれたんだなぁと思っています。ひたすらフィギュアの検品を続けること10時間。

私の所感では、午前中は普通にいけます。むしろノッています。13時くらいまでは平気です。15時になると「え、あと何時間あんの…」となり始め、17時くらいには職場が精神と時の部屋と化しています。20時にはいろんなとこが悲鳴をあげます。加えて、椅子がなく約12時間立ち仕事でした。翌日筋肉痛になってしまいました。

その分、仕事をやり遂げた時の開放感は結構なものでした。「単純作業系は1日なら働けるけど、毎日続けるのは私には無理…」とこの時悟ることができました。

余談ですが、私は空間認識が苦手で手先が不器用なので、フィギュアの袋詰めが全然綺麗にできず、目の前の高校生にずっと教えてもらっていました。苦い思い出です。


②遊戯王カードに8時間コロコロをかけるバイト

人に言ったらウケる系の不思議なバイトです。これは一見先ほどと同じ単純作業系バイトに聞こえますが、とにかく肉体労働でした。

働いた場所は町工場でした。そこは色々なおもちゃを作っていたようです。

仕事としては、まず机の横に大量の遊戯王カード(まだカードとして切り取られる前なので、分厚いA3の厚紙といった風)があります。それをまとめて持ち運び、厚紙に一枚ずつでっかいコロコロを掛けていきます。カードの束を全てコロコロし終わったら、またカードの束を取りに行き、コロコロを掛けます。

このコロコロがでかいんだ。そしてこれももちろん立ち仕事なので、立ったまま大きな厚紙に、机に前のめりになってコロコロを掛けます。背中をとにかく使う!

初めはのんびりコロコロしていましたが、お昼頃になって社員さんが部屋に入ってきて、「みんな仕事があまりにも遅すぎる。これじゃ終わんないよ」と突然の指摘。「とにかく急げ!」という空気になりました(ここは私語禁止)。

急いで仕事していたのですが、周りの様子をよく見ると、バイトリーダーのかなり体格の良い女性(高校生だった)は私の二倍くらいのカードの束を一度に運んでいました。

「そうだな、一度に運ぶカードが少ないと何度も往復することになって効率悪いな」と思い、私もその女性と同じくらいの束を持ち上げようとしたところ、なんと重すぎて持ち上がりすらしませんでした。

それよりすこし少ない量を持っても「フラフラして落としそう…」と感じたので、自分の持てるギリギリの量を持ち運びながら仕事をしていたら、

その女性に「一度に持ち運ぶ量が少ないです。もっと沢山持ち運んでください」と直接言われてしまいました。苦い思い出です。

この仕事、カードの束を持ち上げる時に腰を使い、コロコロするときに背中を使い、で翌日信じられないくらい筋肉痛になりました。運動になりますね。

仕事は単純作業ではありましたが、常に動いていたので、そこまで精神と時の部屋感が強くありませんでした。ただただ、キツかったです。


③飲食店のホール6時間(休憩なし)

私は、「飲食店のホール」だけは怖いからやめておこうと思っていました。自分が鈍臭いタイプなのを自覚しているからです。

とある日、バイトをいくつか応募したのですが全て落ちてしまい、派遣会社から電話がきて「飲食店で仕事があるのだけど、来ない?」と紹介されました。飲食未経験OKと言われ、「この機会だから、一度だけでも経験していいかな」と承諾。

実際働いた場所は街中の食堂で、会社員が昼ごろ沢山立ち寄る雰囲気のお店。まず、店長らしき男性から皿洗いの方法、卓番、注文の取り方を説明されました。「飲食未経験」だと伝えた所、「経験者が欲しいって言ったはずだけど…」と困惑される。

とは言え実際に注文を取るというより、まずお水を渡してメニューを渡し、それからバッシング(食べたお皿を片付ける)という仕事をひたすら繰り返していました。たまにお箸の整理整頓や掃除。

忙しかったですが、割となんとかなりました。周囲を見回りながら、お客様に気を配りサービスしていく仕事は意外と楽しいかもとすら思えました。まあただバッシングしていただけなんでね…。

ただ、この職場にはちょっとした問題がありました。10時から16時までの仕事で、間に1時間休憩の予定だったのですがいつまで経っても休憩が言い渡されませんでした。

ホールには店長の他に女性が一人。店長は正直怖くて聞きづらかったので、女性に「あの〜、休憩っていつですか?」と何度か聞くも、「トイレならいつでも行っていいからね」との返事しか返されず結局、5時間分の給料で、お昼抜きで6時間働かされました…。

普通のアルバイトをしたことないし、社会に出たこともないから、これってそこまで悪いことなのかよくわからない。とはいえちょっと不満だったので、派遣会社に問い合わせた所、完全無視されてしまい会社に不信感がほんのり芽生えました。


④中古ブランド品の値段をひたすら書き込むバイト

おもしろバイトです。ズラーっと中古のブランドバッグが部屋に並んでいます。それに「値段をつける社員さん」がいて、社員さんの後をひたすら追いかけながら、社員さんが伝える値段を用紙にひたすら書き込みます。

値段と言っても、数字とアルファベットが組み合わされたような暗号なので、実際にいくらなのかは全然わかりません。それでも、大量のブランドバッグに囲まれ、それを見物しながら仕事するのはなかなか面白かったです。

ただ、様々な単純作業系バイトをやってきた中でも、トップクラスに退屈で辛かったです。これも8時間仕事だったのですが、もう辛かった。途中から退屈で退屈で、試験監督より退屈でした。

カバンを見ること自体は面白かったのに、なぜそこまで退屈だったのでしょうか?おそらく、自分のペースで仕事ができないことが関係しているのではないかと考えます。社員さんにひたすらついて回り、彼が言う値段をひたすら書き込む。一人で行う単純作業とは異なり、社員さんのペースに合わせないといけません。

私は偶然ライン作業のバイトをしたことが無いのですが、ライン作業がいかに辛いかは周囲からよく聞きます。ライン作業もこのバイトも、「自分のペースでできない」点が共通しています。そこから特別な緊張や集中力やらが生まれるんですね。単純作業系バイトにも色々種類があることを知っていてもいいかもです。


⑤スポーツ選手のトークイベントを「見る」バイト

これはラッキー案件でした。スポーツ選手のトークイベントを「見る」バイトでした。いえ、トークイベントのスタッフでした。

スタッフと言っても、まず最初にイベントについての説明を受け、そこから1時間くらい謎の空き時間。そしてお客様がずらずら来るので、一人ひとりに予約確認をします。お客様が入り終わり、イベントが始まったら、そこから1時間「イベントを見る」以外に仕事はありませんでした。

イベントが終わると物販が始まるのですが、そこでも仕事は殆どなく、立ってました。有名人とお客様が触れ合う様子を見ることを純粋に楽しみました。立ちっぱなしの点は少し辛かったですが、結構な有名人だったので、実際に会うこともできて当たりです。こんなバイトもありますよという感じで。


⑥閉所恐怖症には絶対にできないバイト

私が派遣を辞めるきっかけになってしまった仕事です(おそらく職場に罪はないです)。

仕事内容はテープ貼り、時給1400円。高いなぁと思い応募。「時給が高くて、必要な持ち物がヘルメットと安全靴(あれば)」という時点で察するべきでした。

実際に職場に到着した所、まず「誓約書」的なのを書かされました。そして仕事場に向かうために地下のよくわからん所へ。イメージするなら、マリオが土管を潜った先のステージ。

ライト付きのヘルメットと制服、安全靴を身につけます。地面に「ここにシール貼ってください」という印があるので、しゃがみながらひたすらシールを8時間貼ります。

ところでこの場所、ライトが照らす範囲以外の場所は完全な暗闇。マジの暗闇。だだっ広くて、埃臭くて、人っ子一人いません。あと天井が低い!常にしゃがみながら移動し、突然謎のピアノ線的なギミックが登場するので、それを足をあげたりしゃがんだりしながら避けて進みます。気分はSASUKEか脱出ゲーム。

閉所恐怖症の人は絶対にできないような閉塞感のある場所でした。なかなか入る機会がない場所だと思います。

そして、私はこの仕事で8時間しゃがみっぱなしでいたことで、左足首が全く曲がらなくなり、帰り道で階段から落ちました。

その後も足首が曲がらないことによって10メートル歩くたびに転ぶような事態になり、外出がままならなくなったので病院に行った所、高額なサポーターを購入した上でしばらく週3回リハビリに通うことになりました。

昔の話なので、今はもう治っています。ですが、「さすがに労災では?」と思ったので会社に連絡した所「労災とは認められない」との返事。その後、労働基準監督署に電話すると「仕事内容自体が原因の怪我とは言えないので、労災は降りません」と説明され、それなら仕方ないと結局諦めました。

が、「ちょっと仕事が危険じゃないか」と思ったことがきっかけで不信感が湧き上がり、会社の登録を解除しました。仕事内容に当然「閉所恐怖症の人は避けてください」「体力に自信のある人」なんて書いてないですし、安全な仕事をこれからも選べる自信がないですからね。

単純作業の派遣ではなく、もう少し具体的なスキルが身につきそうな仕事を選ぼうと思い直すきっかけになりました。


●終わりに

かなり長文になってしまいました。他にも「鯉のぼりを作る仕事」「幼児向けイベントのスタッフ」など色々な仕事を経験しました。

日雇い派遣をやっていて良かったと思うのは、「とにかくいろんな職場を見て回ることができた」ということです。町工場もあれば、超高層ビルで働いたこともありました。自分が将来働く上で「このような環境で働きたいな」というイメージが作れたと思います。

仕事自体もそこまで複雑なものはありませんし、職場の人もほとんど丁寧で優しかったです。女性だからというのも大きそうですが、怒鳴られたりすることは基本なかったです(一度だけあります)。

また、ひたすら単純作業を行うスキルは少しは身についたかなと思います。多くの案件で「10日連続で入れてるようなベテラン」がおり、その人たちの仕事の速さには全く敵わなかったのですが。日雇いの案件でも、結構内輪ノリがありました。

今はもう登録していないですが、今後お金に困った時にまた別の会社に登録し、1日だけ働くことを視野に入れる可能性があるかもしれません。登録も簡単だったので「いざと言う時にいつでも働ける」という安心感を持つことができました。

トータルで考えると、派遣で働いたことは自分のプラスになったと思います。でも、仕事選びは慎重にして欲しいとはお伝えしておきます。


この前とある媒体で「8時間草むしり」があったのですが、この猛暑で大丈夫だったんでしょうか…。


以上!

いりー


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