最近観ている音楽とか (2020/12 - 2021/1)
通勤往復とか寝る前とかジムでマシンを使っている時間とか、このところ音楽を聴く量がだいぶ増えています。同時に『観る』量——YouTubeや、Twitterや、配信ライブで視覚情報と一緒に味わうことも増えていて、それで本noteのタイトルは『観ている』のほうを使いました。
だいぶ久しぶりのnote更新です。近況報告的に6トピック。
1 / Ayase 『ハルジオン (初音ミク Ver.)』
YOASOBIの1st EP "The Book" を発売日当日に仕入れてきました。
1/6は、紅白が終わった最初の水曜日。「初のCD発売」にあわせて、aikoとの対談番組映像が出たり、オールナイトニッポン0に出たり、0570にコールすると電話に出てくれるっていう企画とか(#夜に電話を掛ける っていうハッシュタグが神)、すごい物量のプロモーションを展開してました。これはソニー(SME)の経験値と資本力だなあ。
タワレコ限定でゲリラ発売された、初音ミクによるカバー作品集『MIKUNOYOASOBI』も素敵な出来です(これが欲しくて昼休みに河原町OPAの9Fまで遠征してきた)。『ラストリゾート』『幽霊東京』の流れでミクでもいちばん自然だなーと感じたのは、YOASOBIとしては3作品目の『ハルジオン』。
逆に、『たぶん』の「わかんないよ」「それは最終的な答えだよ」っていう発声とか、『群青』のサビ前でぷらそにかの面々が歌ってる合唱パートとかは、人間の声の表現力がやっぱりすごいなと思った。で、The Book本編と行ったり来たりで延々聞いてしまうというパターンね。
ほんとうはYOASOBIのプロモーションすごいぞっていう話をまとめて何か書こうと思ったんだけど、とりあえず、YOASOBI STAFFのお二人=SMEの屋代さんと山本さんにインタビューした柴那典さんの記事(12/10)を読んでいただいて。
2 / yama 『春を告げる - From THE FIRST TAKE』
12/18金曜20:00、たまたまPCの前にいるときにプレミア公開があったので観に行きました。まーー度肝を抜かれましたね。ストリングスアレンジがしみる。
yamaさんは『am3:21』のほうを聴き込んでいたのと、もっと前にaqu3raさんの『アイボリー』のカバーで知っていたのですが、TFT以降すっかりどっぷりファンという感じです。
1/6夜の、報道ステーションのインタビューもよかった。(放送直後に公式でフル尺を上げてくれるの本当にありがたいです)
人間としての存在感を「出す」「出さない」の絶妙なコントロールが、SMEの経験値(また言う)だなーという感じです。Ayaseさんの野心全開なスタンスもいいし、ヨルシカのn-bunaさんみたいに楽曲全集中なのもかっこいいし、yamaさんみたいな「歌いながらもがくプロセスそれ自体が共感の材料」というポジションもいい。このへんのひとたちが、広く受け入れられてメジャー最前線にいるとは、いい時代だな。
yamaは次2/10の『麻痺』リリースと、3/21 梅田クラブクアトロ公演の2次先行抽選待ちです。
3 / john/TOOBOE 『ヒガン / 初音ミク』
yamaのメジャー1st『真っ白』のコンポーザー、TOOBOEことjohnさん。彼のライブステージをたまたま12/12の"The VOCALOID Collection LIVE"(通称ボカコレライブ)で観ました。そこで歌っていた『ヒガン』と『春嵐』がたいへんキャッチーだったのでしばらくヘビロテ。
ボカコレライブのチケットは、豊洲PITのオフライン参加チケットが5500円、ネット配信版が4500円とあまり差がなくて、「配信のほう、割高かな?」と思ったんですが、全然。ニコニコ動画カルチャーの真骨頂である《やや引いた目線で「コメント」をわいわい眺める》というスタイルがぴったりで、十分もとが取れました。ライブのコンセプトが懐古的だったこともあって、コメント欄には「なんでも知ってる歴の長い熱狂的な常連」が大勢いて、文字で盛り上げてくれました。リアルタイムで情報的な面白さも得られる。これは後述のヨルシカ配信ライブでも似た体験をしました。
4 / 立椅子かんな 『you complete me (feat. v_flower)』
上記のライブを含む "The VOCALOID Collection - 2020 winter -" は、ニコニコ動画・ドワンゴが主催する、ボカロ界隈の公式オンラインイベントでした。《祭典》でした。
私は当初ライブだけのつもりが、たまたま「コンテストの結果発表」の時間帯にPCの前にいたので、ちょっとランキング上位曲を聴いてみたところ、《ルーキーランキング》の楽曲クオリティがすごい。
いちばんのお気に入りは6位・立椅子かんなさんの『you complete me』。この曲はSpotifyにも配信が来てます。上質なギターロックには、flowerの声が本当に映える。
あとはサンカさんの『麻酔』、よたばいとさんの『バッド・ゲイザー』、そしてルーキー1位に輝いた柊マグネタイトさんの『終焉逃避行』も自分的リピート回数の多い作品です。コンテストにおける《ルーキー》の定義は《初投稿から2年以内》ですが、ボカロは2年やったら相当クオリティが伸びるらしい。「総合ランキング」もトップ30のうち9曲がルーキーでした。あとリミックスコンテスト2位の『メルティランドナイトメア / 市瀬るぽREMIX』もとてもよかった。
コロナ禍下の2020年は「イベントもの」がことごとく飛んでしまっていたと思いますが、やっぱり貴重な「溜めて出す機会、まとめて出会う機会」はイベントがあってこそ。出会いの場をつくってくれる人たちへの感謝をあらためて感じました。
5 / 「SeventH-HeaveN 2020-2021ver」sasakure. UK feat.初音ミク
大晦日にYouTubeをぼんやり眺めていたら、画面右側のおすすめが出てくるとこ(?)に流れてきてぴんときた1曲。ボカロ界の古参sasakure. UKさんのセルフリミックスです。
元ネタは全然知らなかったんですけど、2011年に発売されたセガのPSP向けRPG『セブンスドラゴン2020』というゲームの主題歌で、そのゲームのシナリオ上、7匹のドラゴンが飛来してくるのが2020年という設定だったと。。ドラゴンじゃないものが飛来してきましたけどね。。
コメント欄でのあたたかな賛辞を眺めながら、sasakure. UKさん自身による「原曲」とリミックス版を聞き比べると、新版の方が「音が綺麗で素直に聴ける」感じはするかなと思いました。sasakure. UKさんは電子音楽みの強いぴこぴこサウンドが元々持ち味ですが、オケの音数が増え、とても好きなアレンジになってました。このところボカロサウンドと「メジャー第一線で聴かれるポップミュージック」との融合ぶりに耳が慣れていることもあって、この曲の変化は嬉しいなと思いました。
6 / 空白ごっこ 『リルビィ』
『独りんぼエンヴィー』などでおなじみkoyori(電ポルP)さん作詞作曲!
空白ごっこは、Spotifyの "Discover Weekly" で出会った『ピカロ』きっかけですが、しばらく遡って2020年1月リリースの『リルビィ』が曲調も歌詞もマイベストです。
空白ごっこは、2人のコンポーザー=koyoriさんと針原翼(はりーP)さんに、セツコさんの歌を重ねたユニット。どちらが作曲するかで曲調が全然違う(たまにセツコさん自身の曲もある)ので、同じユニットながら顔は多彩です。はりーP楽曲のほうが素直なロック。
リルビィは「サビで+3転調」っていうところからして捻ってるのが好き。「じゃあ他愛ないa little bitなbeam」って言ってて1st EPのタイトルもそうなのに、曲のタイトルが『リルビィ』なところも好き。MIKNOYOASOBIを買いに行ったタワレコで同じ棚に並んでいたので、CDパッケージ版の『A Little Bit』も買ってきました。
2020年のヒットを連発した王道路線=歴戦のボカロPと伸びやかな女性ボーカルの組み合わせ。今年これから伸びるかなあ。ツユもね。
7 / ヨルシカ 『冬眠』
昨日1/9(土)は、ヨルシカ配信ライブ『前世』に参加しました。水族館ステージ、最高によかった。
↓完全にシーンの最高潮を切り取った絵!感服
『藍二乗』から始まって『冬眠』で終わる16曲のセットリストは、わりと初期の曲も多く、twitterでコメントしている客層も2nd Album『エルマ』のストーリーをよく読み込んでる人が多い印象でした。
配信1周目は、歌いながら見入る娘と「応援上映」していたので、21:30ごろから早速アーカイブで2周目を、暗くした部屋にイヤホンで聴きました。ストリングスアレンジが最高(バイオリン×2,ヴィオラ、チェロ)。
映像ってどうしても飽きちゃうんで、正味1時間15分程度という短めの尺がちょうどいい分量でした。多少MCあってもよかったと思うけれど、音楽だけに振り切るというのもヨルシカらしい潔さ。映像としての作り方は、ずとまよのライブ配信とも空気が近い感じでした。
ラスト、弦による『冬眠』のOutroが響く中、表示されるスタッフロールの名前の数に圧倒されました。カメラワーク(9台??)・照明も見事でした。CGの差し込み含め、ライブ配信でここまで作り込めるのか。
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ふだんはSpotifyとYouTubeで定額聴き放題のところ、物理CDを買ったり、配信ライブのチケットを買ったり、ちょいちょい課金していくことで、音楽シーンにちょっとでもお金を使っていきたいと思っています。
こうしてまとめてみたら随分「メジャーどころ」ばかりになっていて(信じられん)、音楽の文脈でも、もっと新人応援的な課金のしかたができたらいい。そのためには、たくさんインプット&アウトプットをしないと。