広間のピアノを
京都精華大学の学食がある建物(悠々館)の2階には、1台のグランドピアノが置いてある。
今日通りかかったら、弾いている学生さんがいた。上手い、というよりは、ぽつぽつ弾いてるという感じだったけれど、ひとりで長いこと向き合っていた。ピアノが置物じゃなく、生きて使われている空間はいいなと思った。
誰でも弾けるように置いてあるピアノを、あえて弾こうという人は、どのくらいいるのだろうね。ひとりで弾いてる子がいたら、話しかけに行っちゃうかもしれないな。
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確か書籍『上原ひろみ サマーレインの彼方』の中で、ジャズピアニストの上原ひろみさんが、高校時代に学校のエントランスにあるピアノを延々弾いていたというエピソードがあった。
彼女が通っていた静岡県立浜松北高校[通称ハマキタ]は、隣の学区の進学校だ。内申点が足りなくて学区越えの進学は諦めたけど、魅力的な高校だった。上原ひろみさんは5つ上だから、かぶらないけれども。
その演奏、毎日聞いていたかったな。エントランスのピアノを誰かが弾いてる高校生活……!
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新幹線浜松駅の構内にも、ひとつYAMAHAのピアノが飾ってあった。こないだ帰省ついでにちらっと弾いてみたけど、このところ練習をさっぱりさぼっていて、全然手が動かなかった。いつも80%ぐらい弾けるようになったところで飽きちゃうから、暗譜で弾ききれない。1曲ぐらい、持ち曲があったらいいのにといつも思いながら、練習はあとまわしあとまわしになって、部屋のローランドは蜘蛛の巣が濃くなっていく(室内なのに……!)。
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note酒場〜教養のエチュード賞あたりでnote欲が一段落して、「特に書くことないな」と思うことが多くなった。
けれど一方で、先日の娘とチンアナゴの話然り、今日のピアノのこと然り、何かすこし心が動いた瞬間を、鮮明に「言葉にしたい」と思うことが増えたと思う。それで、すかさずスマホのChromeでnoteの編集画面を開いて、短い文章を書き始める(短いものはたいがいスマホで書いている)。
(なおLINE MUSICのやつはガチで臨む予定)
広間に置かれたピアノの前に気軽に座って何か奏でるように、たいした技はなくても、日々少しづつ、鳴らしていいったらいいよね。
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