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スピーディーに保険給付金を届けるAI-OCR技術とは?
みなさん、こんにちは。
株式会社アイリックコーポレーション(以下、「当社」)のIR担当です。
当社は「人と保険の未来をつなぐFintech Innovation」という企業テーマのもと、保険販売事業・ソリューション事業・システム事業を展開するインシュアテック(インシュアランス+テックの造語)企業です。
今回の記事では、万が一のときの保険給付金を、できるだけ早く保険会社からお客様にお届けするための取り組みをご紹介いたします!
保険給付金について
保険給付金が支払われる時の状況を想像してみましょう
当社の保険販売事業で取り扱う「保険」は、ケガや病気・就業不能状態、死亡や高度障害のときに経済的リスクをカバーする金融商品です。
保険給付金を請求するタイミングでは、お客様がそれまでの日常とは大きく異なる状況に直面していることが予想されます。
おそらくとてもご不安でいらっしゃると思います。
そして、きっといつも以上に何かとお金がかかる状況でしょう。できるだけ早く保険給付金を受け取れたら、ご不安が少しだけ和らぐのでは?と考えております。
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約款で5営業日以内の支払いが定められています
ほとんどの保険会社で、「保険会社に書類到着後5営業日以内」の支払いが約款で定められています。 それを超えると原則として遅延利息が加算されて支払われます。
皆様はこちらについてどんな感想をお持ちでしょうか?
私が知った時は「意外と早く支払われるんだな」というのが正直なところでした。
給付金支払い業務は、どの保険会社もお客様に保険の価値をお届けする最も大切な業務と位置付けられているのです。
当社の取り組み内容
スマートOCR診療明細書
当社には、スピーディーな給付金支払いをサポートするAI-OCRプロダクトが存在します。その名も「スマートOCR診療明細書」!
給付金請求には、お客様から保険会社にいくつか書類を送付する必要がありますが、その中の一つである紙の診療明細書や医療機関発行の領収書から、手続きに必要な情報だけを読み取りデータベース化できるAI-OCRです。
これらの書類は医療機関によってフォーマットが異なるので通常のAI-OCRではデータ読み取りが非常に困難でしたが、「スマートOCR診療明細書」であれば、様々なフォーマットやゆがんだ文字でも読取りができます。
今は保険会社様にて「人」が確認・入力している業務の一部を、AIが代わりに引き受けることができます。
また、この「スマートOCR診療明細書」は、複数企業で作り上げたエコシステム「生命保険給付金プラットフォーム」にも参画し、さらにスマートでかんたんな給付金支払いを実現しました。
エコシステム「生命保険給付金支払いプラットフォーム」
当社の「スマートOCR診療明細書」と、株式会社Ubicomホールディングス(以下、「ユビコム社」の「保険ナレッジプラットフォーム」、株式会社アシスト(以下、「アシスト社」)のデータ連携機能を組み合わせ、複数保険会社と構築するエコシステムが「生命保険給付金支払いプラットフォーム」です。
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当社の「スマートOCR診療明細書」でデータを読取り、ユビコム社の「保険ナレッジプラットフォーム」の「ゆらぎ補正」機能によって、医療機関ごとにゆらぎがある書類上の診療行為や薬剤名称を統一に補正・コード化を行い、アシスト社のルールエンジンにより支払可否判定の自動化を実現しました。
現在、4社の保険会社様が保険給付金支払い業務に活用されています。
①チューリッヒ生命
生命保険エコシステム リリース第1弾「生命保険給付金支払いプラットフォーム」始動
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②メディケア生命
生命保険エコシステム リリース第2弾「生命保険給付金支払いプラットフォーム」採用2社目
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③アイアル少額短期保険
生命保険エコシステム リリース第3弾「生命保険給付金支払いプラットフォーム」採用3社目
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※PayPay保険から発売された「熱中症お見舞い金保険」と「インフルエンザお見舞い金」において、最短で請求当日の給付を実現しました。
④ネオファースト生命
生命保険エコシステム リリース第4弾 ネオファースト生命へ「スマート
OCR診療明細書」を採用
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保険業界のデジタル化の動き
保険業界のデジタル化は遅れぎみ
保険はお客様との契約期間が非常に長いのが特徴です。契約期間が20~30年は当たり前で、中には一生涯の契約もあったりします。
50年以上前の契約が今も続いているケースも多く、保険会社がシステムを一新するには膨大な費用が手間がかかります。
そのため、保険業界は他業界と比べてデジタル化が遅れ気味です。
しかし、ここ数年は急激なデジタル化が進行中。
保険給付金の支払いにおいては、複数の保険会社でデジタル化の取り組みが行われています。
他社事例のご紹介
ここでは当社が提供している以外の、保険給付金支払い業務のデジタル化事例をいくつかご紹介いたします。
・オリックス生命
株式会社EduLabのAI-OCR「DEEP READ」が使われています。
ペット&ファミリー損害保険
T&D保険グループのペットアンドファミリー損害保険では、AIを用いた査定システムを活用し、ペット保険業界では初めて特許を取得しました。
ペット保険業界初!AI を利用した支払査定システムに関する特許を取得
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はなさく生命
日本生命グループのはなさく生命では、株式会社シナモンのAI-OCR「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」が使われています。
コープ共済連
株式会社プリマジェスタのAI-OCRが使われています。
他社事例と「生命保険給付金支払いプラットフォーム」の違い
「生命保険給付金支払いプラットフォーム」は複数の企業が参加しているエコシステムです。
参画するサポート企業様が増えれば増えるほど機能が向上し、活用される保険会社様からのニーズに応えることができます。
将来に向けて
現在の日本には生命保険・損害保険合わせて90以上の保険会社が存在しますが、保険給付金支払いにAI-OCR活用が発表されいているのはほんの一部です。
給付金支払いの短期化へのニーズはさらに高まり、AI-OCRを取り入れる保険会社は増えてゆくことが予想されます。
当社は現在、下記に取り組んでいます。
・AI-OCRの読み取り精度向上
・読み取れる書類のバリエーション追加
・生命保険給付金支払いプラットフォームへの参画企業様の推進 等
これらにより、保険給付金を必要な時にリアルタイムでお客様にお届けする仕組みを整え、人生100年時代をどなたでも安心して歩める社会作りに貢献してまいります。
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