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化学染料と天然染料について

日本では明治時代初期から化学染料が輸入されて入ってきました。それまでは、天然染料で染めていたので、草木で染めることは当たり前でした。
今では、天然染料からほとんどのものが化学染料に置き換わってしまいました。
化学染料に置き換わったのは、化学染料を使うことでメリットが沢山あったからです。

①均一にきれいに染めることができる。
最近は、はっきりとした原色の洋服がはやっていますが、天然染料を大量に何度も重ね染めしたとしても、化学染料のように鮮やかに染めることは難しいです。(一部の染料紅花などを除く。)

②色の定着が良い。
天然染料は、日光や洗濯することによって色が薄くなったり、汗などで変色することもあります。
染めてから時間が経つと色が大きく変わっていることも多々あります。

③安価で大量に染められる。
草木染めをするには、時間と手間がかかります。
大量に染めようと思うと、染料も大量に必要です。ガス代もばかになりません。

④染料の保存ができる。
草木染めをする場合には、乾燥して使えるものや、冷凍保存しておくと使えるものもありますが、その時期にしか出ない色もあります。
産地や季節が変われば色も変わってきます。

これは見方を変えると、天然染料のデメリットになります。
一方、化学染料にもデメリットがあります。

①アレルギーや発がん性物質になる可能性がある。
実際に、化学染料を使った製品を身につけることによって、発がん性物質が生成される恐れがあるので、使用禁止になった物質(アゾ染料など)もあります。
化学染料の仕事に従事する人たちへの影響や、廃水に混じって流されれば環境汚染にもなります。

②化学物質に敏感な人には合わない。
天然の素材であれば、人体に安全でアレルギーにも全くならないとは思いません。
ただ、化学合成されたものは、元々無かったものができるので、身体にどんな影響があるのか未知な部分が多いです。
最近まで使用していたものが、実は人体や環境に有害であることが分かることもあります。色々な影響が出てから分かるのです。

化学染料に対して、天然染料のメリットを挙げると、
①優しい色合いと複雑な色味。
天然染料は化学染料のように単一の物質を含んでいるわけではなく、色々な物質が含まれているので、光の反射のしかたがそれぞれ違うので、深みのある色合いに見えるようです。

②薬効がある。
代表的な薬効は、藍染めの藍による防虫、抗菌作用などです。身に付けることによって、外から身を守る効果があったので、服用という言葉が使われているようです。中国では、邪から身を守るために外側に薬草などをまくことを外服、体の中に入れて邪から守ることを内服というそうです。

私にとっては、メリットやデメリット云々よりも、身の回りの植物を使って色々な色に染めることができるということが単純に面白いし、こんな色が染まるのかという驚きがあったり、その時期だけ楽しめる色もあるので、季節を感じることができたり、染められそうな植物を探すことも楽しいので草木染めにはまっているのだと思います。

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