【meets】#7 児嶋真人さん~「あきらめるのはもったいない」ピッグレザーブランド『Sai』を通して、魅力を発信し続けている人
インタビュー専門ライターのいろろです。
このマガジンでは、私とご縁があった方の魅力をインタビュー企画としてお伝えします。
今回は第7回目として、一年前にインタビューをした児嶋真人さんに再びインタビューをしました。
児嶋真人さん
児嶋真人さんとの出会いは、昨年の5月に東京都台東区で実施されていた『モノマチ』というイベントの台東区デザイナーズビレッジに出店されていた児嶋さんのお店に私が訪問した時でした。
昨年インタビューをさせていただいたのですが、今年も5月に開催された『モノマチ』に伺い、またお会いできたので、2回目のインタビューの機会をいただきました。
昨年OPENしたカフェスペースを併設した店舗でお話しを伺ってきました。
■2023年12月に「ピッグレザー&カフェ Sai」をOPEN
ーーー昨年OPENされた店舗について詳しく教えてください。
Saiに興味を持ってくださっているお客さんと、お店でゆっくり話しをできる空間にしたくて、カフェスペースを併設した店舗を作りました。
ーーー移転される前の店舗と比べて、カフェスペースも出来て広くなりましたね。
イベント出店の時にお店を知って、インスタをフォローしてくださった方が、来店してくださることが多くなってきたので、イベント出店時には詳しくお話し出来なかったことを店舗でじっくりお伝えしたいと思っていたんです。
カフェで出す飲み物にもこだわったので、是非ゆっくりしていってもらいたいです。
ーーーチムニーコーヒーを取り扱っているんですね。聞いたことはあったのですが、初めて見ました。
西野さんのオンラインサロンに入っていることもあって、味もこだわりたかったのでチムニーコーヒーをメニューに取り入れました。東京でチムニーコーヒーが飲めるのは、渋谷のカフェ以外は今のところSaiだけなのでチムニーコーヒーを飲んでみたい方にも来ていただきたいです。カフェオレも美味しいのでオススメです。
他にはハーブティもあり、墨田区にあるハーブティ専門店にオリジナルブレンドを作ってもらっています。
ーーー西野さんのオンラインサロンに入っていらっしゃるんですね。
チムニーコーヒーを扱っている方たちと定期的にオンラインで近況報告し合っています。異業種の方とビジネスの話をしたり、結果を出している方の話を聞いて、自分の活動にも応用して取り入れています。
特に西野さんには影響を受けていて、体づくりや美容にも最近気をつかっています。
ーーー元々キックボクシングもやっていらっしゃったと思うのですが、さらに最近鍛えていらっしゃるんですか。
はい。今年からジムの契約をして、今日も朝、ジムに行ってきました。
32才ですが、今から鍛えていたら40代も若々しくいられると思うんです。
お店で接客しているので、来てくださるお客さんにとっても、お店の人が清潔感がある方が良いと思うので、Saiを長く続けるためにも今から頑張って鍛えています。あと最近はMEGUMIさんがおすすめしているシートパックも買って、スキンケアもこだわっています。
ーーー児嶋さんは今でも肌がキレイですが、40代に向かって頑張っていらっしゃるんですね。
はい、Saiを続けるためにも体づくりとスキンケアは今から気をつけています。
■オンラインサロンでの挑戦が成功体験をつくった
ーーー前回のインタビューではあまり伺ってなかったのですが、オンラインサロンの話も詳しく教えてください。
オンラインサロンについては特に隠しているわけではないのですが、色々取り組んでいる中で、自分の経験などの情報はうまくまとめられてないですね。
オンラインサロンは今まで3つ入ったことがあります。最初は茨城にいた時に、メンズファッションのオンラインサロンに入りました。その頃はバス会社を辞めて、起業をしたいと思っていて、堀江貴文さんの本を読んだり、メルマガを購読したりしていました。堀江さんのメルマガの中で、あまり人を褒めない堀江さんが、褒めている人がいて気になった人がいたんです。その人がMBさんと言う方でファッションのメルマガを配信していたので、すぐに購読してみました。でも、ファッションに元々興味があった訳ではなかったのと、その時のメルマガがあんまり自分に響かなかったので購読を辞めてしまいました。そして半年くらい経ってから、MBさんのメルマガ購読をなんとなく再開してみたら、配信内容がすごく響いて、ファッションのオンラインサロンのことも紹介されていたのですぐにMBさんのオンラインサロンに入りました。
MBさんのオンラインサロンで、初めて靴を作って販売したんですが、最初はMBさんにも「同じ型で200足は難しいよ」と言われたんですが、200足売れない理由が分からなかったので、200足作って販売することにチャレンジしました。オンラインサロンのメンバーを中心に販売したのですが、福岡、仙台、大阪など全国各地で販売していき、当時は茨城に住んでいましたが毎週末東京に来て、なんとか完売することができました。
ーーー「同じ型で200足は難しい」と言われていた中で完売したのはすごいですね。
怖かったんですよ。靴の箱が積み上がっているのって本当に怖くて、販売しないと減らないので、販売し続けました。完売は難しいと言われましたが、続けていればいつか完売すると思って諦めずに売り続けていました。オンラインサロンのメンバーには全国で販売している姿を見てもらっていて、行動し続けたことで完売につながったことに「完売するとは思わなかった」と驚かれていて、その後のSaiの活動もクラウドファンディング等で応援してもらっています。
ーーー続けることを諦めなかったんですね。
早く達成することは苦手なんですけど、達成するまでに時間はかかりますが、諦めない自信はあります。今まで普通の人より上達するまでに時間がかかっていた経験が多くあって、すぐにこなせる自信は全然ないです。でもズルズル続けていたら逆転した経験もあったので、時間はかかっても長期的に続けていたら最終的にはうまくいかせる自信はあります。そんな過去の経験から、自然と長期的なやり方を模索して行動しています。
■お店を長く続けていくために、自分が出来ることの幅を広げてコストを抑えている
ーーー今年に入って、商品の制作にも携わっていらっしゃるんですよね。
はい。職人さんにミシンを譲っていただいて、店内にミシンを置いて制作をしています。職人さんに「作ってみる?」と声をかけてもらったことがきっかけだったのですが、職人さんの気が変わらないうちに、教えてもらおうと思って、迷わずに教えてもらうようになりました。
ーーー今までミシンを使用した経験はあったのですか。
ミシンを使用すること自体が初めてで下糸があることも知りませんでした。職人さんに初歩的なところから教えてもらって、ゆっくりですが丁寧に制作していたら、徐々に作れる商品が増えてきて、今は商品開発の意欲が湧いてきています。来店してくださるお客さんのためにも、ブランドとして見ごたえのあるラインナップを揃えたいので、バッグとお財布をもう一型ずつ展開したいと考えています。
ーーー制作もご自身でやっていると、去年とは時間の使い方が変わってきていらっしゃいますね。
去年まではイベントの出店が多く、イベント出店する方が売上は良いのですが、今年はお店での時間を増やして、来店してくださるお客さんとの時間を大切にしたいと考えています。イベント出店でインスタをフォローしてくださった方が、Saiを知ってから1年後に商品を購入してくださったりするので、気になっているお客さんが購入できるように、お店を長く続けていくことが重要だと感じています。イベント出店していた時はお客さんが来るまでの待ち時間は作業が出来ない時間だったのですが、今はお店にミシンを置いているので、お客さんを待ちながら制作することが出来ています。ただ、制作することに集中してしまって、発信活動の中でYouTubeがあまり力を入れられていないです。インスタグラムは観てくださる方が多く、毎週続けられているので、インスタグラムを中心に活動を発信しています。
ーーーYouTubeでもカフェオープンへの想いをお話しされていて、お店へ興味を持っている方も多そうですね。
イベント出店でインスタをフォローしてくださるお客さんが来店していただいたり、お店の近くにチラシを配ったので、地域の方も来てくださっています。商品の制作もできるようになってきたので、ゆくゆくはYouTubeでもアップできればいいなとも思っているのですが、今は商品開発を優先して、来てくださった方に満足していただけるような商品を店頭に並べていきたいです。
■「あきらめたらもったいない」と伝え続けられる人でいたい
ーーーお店を長く続けていく強い想いを感じますが、Saiのブランドを始めた時から気持ちの変化はありますか?
Saiを始めた時は、パステルブルーに惹かれて、パステルカラーが綺麗なピッグレザーのお店を作りたいという想いが強く、割と軽い気持ちで、公園に行こうかなぁくらいのノリで始めました。お店を始めて、お客さんに自分が気づいていなかった商品の良さを教えてもらったり、お店や豚革に理解を深めて愛情を持って接してくださる方が増えていく中で、お店を長く続けていきたいと思う気持ちが強くなりました。豚革を知らなかった人が、お話しする中でだんだんと豚革に興味を持ってくださる反応を見ていて、その一人のお客さんだけでなく、価値を伝えられる人はまだまだ沢山いるなと確信したんです。お客さんの反応で豚革の可能性を感じた時に、Saiへの想い入れも強くなりました。自分が想像していなかった良い反響があって、予想していない方向に成長していることをお客様の声からも感じることが出来ていて飽きないです。今後もあまり方向性は決めすぎずにブランドを成長させていきたいです。
正直、ブランドを続けていくには資金も必要で、大変な時もありました。でも、お店を続けていることで、関わって下さる職人さんたちから認めてもらえたり、関係性も深まっていることを感じています。お店を長く続けるためにどうするかを考えるようになり、売上を上げることだけでなく、コストを減らすことも意識するようになりました。
ーーー児嶋さんはNHKに取材を受けたり、中学生へのワークショップや墨田区での講演も実施されていたり、今度は大学で起業の講演も予定されていらして、発信することは得意でいらっしゃいますよね。
ワークショップや講演は依頼があってから関わったことなのですが、豚革に関する活動を話して伝えることはとても重要なことだと感じています。モノマチで出店していた時も「NHKに出ていらっしゃいましたよね?」とお客さんに話しかけてもらえました。去年の7月に出演したNHKを観て覚えてくださっていたので、NHKの影響力ってすごいなぁと改めて感じました。
ーーー児嶋さんはいつも分かりやすく説明されているので、みなさんが豚革に興味を持つキッカケを作ってくださっていますね。私も児嶋さんにお会いしてから豚革を見かける機会が多くなりました。モノマチでも豚革を取り扱っている作家さんがいらっしゃいましたよ。
豚革に興味を持つようになってくださって嬉しいです。私自身は豚革を取り扱っている他のお店との交流があまりないので、モノマチに他にも豚革のお店が出店されているのを見ていないのですが、豚革が見直されてきていて日本での豚革のシェアが高くなったらいいなと思っています。
Saiのお店ではカフェスペースでゆっくりしながら、豚革についての説明もしますので、少しでも興味を持ってくださった方は、是非お店にお越しいただけると嬉しいです。
ーーー児嶋さんがSaiを通して伝えたい想いをお聞かせください。
前にもお伝えしたかもしれないのですが、あきらめている人を見るともったいないなと思うんですよ。あきらめないで頑張ろうよって言いたいんです。ただ言うだけの人にはなりたくないので、自分自身が頑張ろうと思っていて、その気持ちが原動力になって行動し続けています。僕もあきらめた経験はあって、本当に無理だと思ったらそれでもいいと思うんです。人生がうまくいかないなって思うことも多かったし、まだたいした成果も出せてはいないんですけど、Saiを続けていることはあきらめていない証明にはなると思っています。あきらめてしまっている人に対して、その人だけで頑張るのって難しいと思うので、あきらめない姿勢を発信することで伝えられることがあるかなと思っています。
自分自身も魅力的だと思っているけど、まだまだ評価は足りていないと思っているんです。その想いは、豚革にも重ねていて、豚革の魅力とともに伝えていって評価を高くしていきたいです。
■ご紹介(HP、note、Instagram等)
【pigup】:代表、豚革プロデューサー
・HP:豚革の魅力引き出す - ピガップ (pigup2021.com)
・stand FM:国産ピッグレザーブランドSai | stand.fm
【Sai】:パステルカラーの豚革小物ブランドの運営
・HP:Sai (sai2021.official.ec)
・Instagram:Sai | 優しい肌触りのピッグレザー(@sai_pig) | Instagram
【キックボクシング】:元キックボクサー、キックボクシング教室、トレーナー、レフリー
・twitter:児嶋 真人(@koji_koji1992)さん / Twitter
・note:児嶋 真人|note
■編集後記
児嶋さんへのインタビューは1年ぶりの2回目のインタビューでしたが、この1年間でもNHKへの出演や、クラウドファンディングの達成、新しいお店のOPENなどを中心に成果を残していらっしゃいました。
諦めずに行動し続ける児嶋さんとお話しでき、あきらめそうになっていた自分の気持ちに気づき、あきらめないで続けていきたいという気持ちにさせていただきました。
お忙しい中、貴重なインタビューの機会をくださり、本当にありがとうございました。
私もSaiの商品を愛用しながら、今後の児嶋さんの活動も楽しみにしています。