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『私がこのプロジェクトを立ち上げるまで』
株式会社色織プロダクトの田中と申します。
当ページにお越しいただき、誠にありがとうございます。
近年の和装業界の縮小、衰退により京都の織物業もそれに伴う生産キャパの縮小、また後継者不足による廃業する織屋も増えてきています。
そのような状況下で日本の伝統文化の和装の婚礼衣装の中でも最も格式が高い白無垢生地を織れる織機、職人が少なくなっていまして、このような「京都の織物の繊細な技術」「日本の伝統美」を失うことなく次世代に引き継ぐという使命を持ち、今回婚礼衣装以外の用途で日常の中でより多くの人にその美を感じていただける商品を企画しました。
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振り返りますと、私が伝統というものを強く意識するに至るまで、多くの経験や出会いがございました。
20代前半の頃、私は当時流行していた海外ブランドを扱うアパレルメーカーに勤務しておりました。
その時代は、伝統という言葉があまり使われることもなく、新しい技術や産業がさらに発展し、日本が一層豊かになると皆が信じていた時期でした。
また、伝統というものは、特別意識することなく、自然に受け継がれていくものだと信じていたように思います。
しかし、その後、日本の状況は大きく変わり、楽観的な考えを持つことが難しくなり、伝統をどのように守っていくかを考える必要性が高まっていったように感じます。
時代の移り変わりと共に、私のキャリアも変わり、20代後半の頃にご縁があり、京都の織物を扱う企業に勤め始めました。
伝統と共に歴史を積み重ねてきた街で働く中で、伝統産業の奥深さや素晴らしさに触れさせていただく機会が多々ありましたが、同時に、長い時間と努力を重ねて受け継がれてきた伝統の技術が失われつつある現実も目の当たりにしてきました。
そのような中で、「伝統とは何か」という問いを抱かずにはいられませんでした。
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今では、伝統という言葉が広く使われ、多くの人が意識するようになりましたが、同時にそれは特別な存在であり、私たちの日常から遠ざかってしまっているのではないでしょうか。
辞書では、伝統とは「民族や社会、集団の中で古くから受け継がれてきた思想、風俗、習慣、様式、技術、しきたりなどを指す」とされています。
さらに、伝統の技術は、今日の生活に適応した新しいものを生み出すことも重要であるとされています。
つまり、本来伝統とは決して私たちの日常から遠いものではなく、私たちの日々の生活に寄り添い積み重なったものが伝統となり得るのです。
今回のプロジェクトは、伝統と私たちの生活をもう一度近づけたい、という思いから始めたものです。
伝統の技術は、日常生活で使われることでさらに磨かれ、その磨かれた技術が次の世代に受け継がれ、またその時代に合わせた役割で活かされていくものだと考えます。
技術だけが受け継がれても、それを使う人がいなければ、その技術は失われてしまいます。
だからこそ、皆さまのお力をお借りしたいのです。
皆さまの日常に、伝統の技術を取り入れていただくために、今回ご提案するのが『白無垢クラッチバッグ』です。京都の伝統の技術で織られた白無垢生地を、特別な日はもちろん、日常的にもお使いいただけるよう、機能的なバッグに仕立てました。
使い方は、皆さまのスタイルに合わせて柔軟にご利用いただけるよう工夫しております。
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このたび、この商品をクラウドファンディングのmakuakeのプロジェクトで応援購入の募集を行うこととなりました。
2024年12月10日より下のプロジェクトページにて公開いたします。
伝統の技術を次の時代に引き継いでいくため、皆さまの応援を心よりお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。