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境界カメラ 田中花子は一体誰?

饅頭屋でのインタビューによりVHSが作られ世に出た背景はほぼ解明され、目下残す大きな謎はキリタニの行方や霊能力と田中花子の正体といったところになってきた。
キリタニに関してはこのまま調査班が追い続けるのを待つしか無い様に思えるが、田中花子に関しては他の解析班の方々が考察する様に我々の知る誰かの可能性というものが高く、推察できうる存在かも知れない。
そこで他の方同様に〈動機〉や〈手段〉という観点から相関図に登場する中で怪しそうな人を見てみよう。

獄門帳チーム
ナリモトD

〈手段〉である「どのようにしてナリモトが捨てたビデオを拾い、送りつけたか」という部分では当然ながらナリモト自身が一番近い人物である。
しかし〈動機〉になると真っ先に外れもする。
まず「獄門帳を完成させる」という点なら元の計画通りに進めれば良かっただけであり、「自身の霊障を解決させる」という点では姿をくらませずに助けを求める方が早く確実である。
調査再開で表に出ることをあれほど嫌がったナリモトであるし、田中花子説には無理がある。


イカワ氏

解決に対して前向きな態度を見せつつ事あるごとに嘘をついたりとぼけたりと視聴者からの『怪しいなコイツ』という気持ちを一身に集め、遂には
「ザ・ワールド」の称号すら得たパリステキサス。
〈手段〉に関しては当時ナリモトの動向を一番つかめる位置にいてビデオを確保することは容易であった。
そして調査が進んできた中で自分たちの偽装を誤魔化すために田中花子という存在を利用しようとした過去がある。
では一番最初の田中花子も彼だったのか?・・・
〈動機〉の部分になると実は怪しさが低い。
「獄門帳を完成させる」という気持ちは当初から強く、放り出して引きこもろうとしたナリモトとぶつかっていた事はテラコー経由で話されている。
しかしナリモトが撮った映像が手元にあったのであればLAに送ったりせず彼自身で仕上げられるのだ。
彼自身には編集の技術や伝手はあるし、終わらせ方の構想もあったわけだし。
≪境界カメラ≫が始まってしまったからこそイカワの嘘やら何やらが暴かれたが、彼が映像を入手出来ていたなら自身の評判を落とすことなく作品を作り終え騒ぎも起きなかったのだ。

谷もも

獄門帳メンバーではあるが問題の廃墟探索には呼ばれていなかった事や、彼女のついた嘘は「ダウジングができる」というナリモトから命じられたものだけあるなど、他の二人と違い怪しさの対象とはなっていない存在。
〈手段〉に関しては廃墟には呼ばれなかったもののしばらくは連絡もとれたであろうし、公園までつけることもできたかもしれない。とは言え少し弱い。
〈動機〉として「獄門帳を完成させる」についてはメンバーの中で実は一番強い可能性もある。
ナリモトはもう逃げる気満々、イカワ氏も失踪事件として調査が進まなければナリモトに全てを押し付けてしまえば済むし自分は一般の映像作品も作っているためそこまで固執はしなくても良い立場。
しかし、彼女は現在プロレスなど多方面で頑張っているがタレントとして当時は出演する映像作品が一本出るか出ないかは大きい問題だったのではないか?
そしてイカワ氏と違い、彼女はナリモトのビデオを手に入れても自分で完成させることはできない。
作れる誰かに託すしかないのだ。となれば?・・・
テラコーの妄想推理において田中花子の封筒の文字を見たテラコーとうどん嬢は「女性の文字っぽくない」と話していた。
自分に疑いがかからないように字体を変えればその辺りの判断はつきにくいが、田中太郎ではなく田中花子としたことを考えると、男性が女性を騙ったとする方が偽装としては納得の度合いが強いので正体が女性である可能性は低そうでもある?

それ以外の関係者
青木伸仁

過去には監死シリーズにも関わっており、今回の事件では坂井田氏を介してナリモトに廃墟を紹介した心霊コーディネーター。
情報提供者として登場した彼だが、復活のナリモトによってもたらされた「VHSのパッケージにキリタニの名前があった」という証言から一気に怪しさが増した人物。
何故なら境界カメラにおいてキリタニの存在を最初に発信したのは彼だからである。
そして新たに現れた島田やキリタニ妹を除けば唯一キリタニと会った(見た?)ことが明らかになっており、最もキリタニの情報を持っている可能性も高い。
〈手段〉だが、本来廃墟へは彼も向かう予定で、それは叶わなかったが廃墟から帰ってきたらナリモトと会う予定でもあった。
実際にはその後会ってはいないということだがコンタクトが取れる立場ではあり、ナリモトの動向をある程度知れる位置でもあったかもしれない。
〈動機〉としてまっしーさんが挙げたような「キリタニや廃墟の謎を解いて欲しい」「廃墟を紹介したナリモトが霊障にあって後悔の念がある」などがある。
心霊映像が撮れるかもと紹介はしたが流石に霊障や被害を受けるほどとは想定しておらず、後にその話を聞いて後悔し解決を求めたというのはありそうではある。
「キリタニや廃墟の謎」という動機には最初懐疑的ではあった。
キリタニが近所に越してきた当初はラップ現象などに悩まされたりはしたが数年後キリタニが消えて以降はそういった怪現象は落ち着いたと証言していたしそれから十数年経過して今更何故という思いがあったからだ。

しかし今回〈手段〉と〈動機〉という視点で追ったことで少し違う見え方が出てきた。
当初は〈動機〉があって〈手段〉がとれたかどうかで見た感想だったが、〈手段〉が先に合って〈動機〉が生まれたのだとしたら?
ナリモトに廃墟を紹介したがそこへ向かったという話以降連絡が取れない、もしくは調査・製作の終わりを告げられた。
「もしや廃墟で何か起きたのでは?」と不審に思っていたところにナリモトの様子がおかしい、姿を見せなくなったといった話が聞こえてくる。
何とか会って話を聞こうとしたところ人目を忍んで出かけるナリモトがいて、後を付けたところ公園で取材映像などを捨てるのを目撃した。
そんな仮定の下に事態を見たらどうであろう?
元々心霊現象に並々ならぬ興味があり、心霊スポットの情報を趣味で集め始めたところから心霊コーディネーターという仕事にまで発展した青木氏。
そんな彼の下に数々の取材テープとVHSが転がり込んだのだ。
その中にはキリタニが居た廃墟で撮られた霊の映像、さらにはVHSのパッケージの裏にはキリタニの名前。
彼の中の心霊熱は嘗てないほどに燃えたのではなかろうか?
しかし彼自身に映像を加工する技術があろうとも拾った素材で作った作品をお披露目するわけにはいかないし、こっそりと追加取材をする訳にもいかない。
かといってナリモトには続行する意思が垣間見れないとしたら後に頼るのは?・・・

もう一つ小さな点をつついてのこじ付けではあるが、事件にかかわる共通点がナリモトとの間にあるのだ。
彼は髪の長さ等と共に有馬Pやテラコーの記憶に残っていた特徴がある。
「マスク」である。
テラコーが聞いたところ「一時何となくつけていたらそれ以降クセになってしまった」とのことだった。
さて最近のナリモトの姿を思い浮かべて欲しい。
必ずマスクをつけているのだ。

獄門帳の撮影時にはあの空気の悪そうな廃墟に行く時ですらつけていないのにである。
つまりナリモトは廃墟以降で変調した体調が呼吸器系にあってつけ始めたと考えられる。
もしも青木氏の実家付近の霊障などはキリタニの退去と共に納まったが、彼自身の身体に霊障が起きて今も尚治っていないとしたらどんなものが考えられるであろうか?
そしてそれが心霊に興味がある多感な少年時代に興味本位で廃墟に向かい受けてしまったものだとしたら・・・マスクが手放せなくなる様な物なのではないか?

ありまあああああああああああ

ちょっと怪しさが強い人の後に一息つくための有馬P。
獄門帳、境界カメラその両プロジェクトを立ち上げた人である。
そういう意味では「獄門帳を完成させたい」という〈動機〉は持っている。
とは言えチャンネル開局までして開始させたプロジェクトをあっさりと凍結させたりと「完成は当然だし資金の回収ができるに越したことはないが、ここまできたらもうそこに時間を割く方が無駄」という様なスタンスであり、田中花子という存在を自演してまで推し進めているとは考えにくい。
〈手段〉も他のメンバー同様にナリモトの動向をつかみ追えなくはない点は共通しているが、捨てているナリモトを見たらその時点でアクションをすればよい立場の人であり、映像が手に入ればとりあえず完成させてしまい資金の回収もできたはずである。
〈動機〉〈手段〉共に弱い。
顔はイカワ氏などよりもよっぽど裏で暗躍していそうなのだが。


さん

キリタニ

大本命?
あまりにも謎が多いので〈動機〉〈手段〉が様々考えられまったく絞り込めず、逆に怪しいと思うことを放棄してしまいそう。
〈手段〉だがもし廃墟での撮影時に近隣に居たとしたらナリモトの家まで着いていくことは可能、そもそも人とは違うものが見える彼の事である、想像もつかない方法で動向を追うこともできたかもしれない。
〈動機〉としては何が考えられるか?
青木氏と違った意味での後悔の念という線はどうであろう。
友人の頼みとは言え自分が関わったビデオで人が亡くなったのを知ったが自分から名乗り出る勇気はない。
どうやら取材はしてるようだが頓挫しそうなのを見て、誰か自分にたどり着いて欲しいと言う気持ち。
もしくは真逆ではあるが愉快犯的な観点で「なんだ?もう諦めるのか?VHSにヒントまだあるぞ?」と送り付けてきた。
等々、考えようと思えば挙げられるのだが他の人以上にそう思う根拠が薄い。
その中で先日の放送に対して上げた感想にテラコーが返してくれたこの考え。↓

キリタニであってキリタニでない瞬間というものがあるのではないかと言うもの。
これを元に考えを進めたとして、自我を保つことが困難なキリタニが自分を探し出し救ってくれる可能性を持った人間を求めていたとしたら?
そしてそれは自分の中の誰かに隠す必要があり迂遠な方法をとったとは考えられるのだろうか。

さて、相関図に登場し皆さんの多くが「怪しいなぁ」と思った人は全員挙がっていたでしょうか?
流石にナリモトキョウコ嬢やキリタニ妹、坂井田さん等を疑いだしたらキリがないのでこの辺かなぁと思います。
そして色々と考察した感想は「やっぱよく分かんにゃい(´・ω・`)」というものです。
「長々と読ませておいて何だそれは!」というお声はごもっとも。
しかし、何だか必要なピ-スが足りない。
どうにもこの事件には、明らかになっている関係者の中でまだ語られていない話や大きな嘘が一つ以上はある気がするのです。

そしてそんな観点を持って検証したい人が1人います。
最後にその方を。

投稿者M

獄門帳全ての始まり、あのVHSを持ち込んだM氏。
彼はナリモトからのインタビューで「父親は子供の頃に蒸発し、死んだと知らされるまで20年近く会っていなかった。」「原因は分からないが父親は若いころから心臓が弱くそれが原因で亡くなったのでは」「遺品にあった大量のテープをAV好きな友人に貸したら後日『変なものが映っている』と教えられた。」「これがどういうものか調べてほしくて送った」と答えている。
疎遠であった父親との関係はドライであり、父親の死の真相に迫るというよりは単に心霊ビデオへの興味で投稿したにすぎない様子。
獄門帳が中断にしたとして行動に移すかというと?・・・撮影再開を促す〈動機〉としてはとても薄い。
〈手段〉としては投稿者とディレクターとしてナリモトと連絡をとれる立場にあったし、調査の途中経過などを聞くなどの過程があれば撮影の中止やナリモトの様子に対して動けたかもしれない。
がそうするにしてもやはり動機が弱い。
普通に考えれば彼が田中花子であるという線は考えにくい。

だがもし、そんな父親との関係が嘘であったら?何か語っていない真実があったとしたら?
IFをもって語れば他のどんな人よりも強い〈動機〉が生まれる人なのかもしれない。

調査は確実に進んでいるにも拘らず未だにゴールが見えてこない今回の事件。
今年中の解決は残念ながら延長してしまったが、わくわくできる時間が少し伸びたと思いこれからのテラコーからの報告を楽しみに待ちましょう。

※参考画像・資料は全て『境界カメラ』内の物を使わせていただいております。


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