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140字小説【それは才能です】

詩人の才能が無いと嘆く彼女は僕にこう言った。「私は見なくてもいいことを見て、気にしなくてもいいことを気にするから無駄が多く疲れるんです。いつも通る見慣れた歩道のタイルの歪み。よく見るとそれは酷く波打っていて、惰性で出勤する私には、タイルの目地が私の自由を奪う迷路のように見えます」

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こし・いたお
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