140字小説【買い物しにきただけなのに】

今日はショッピングモール内の広場が騒がしい。サンバの催し物だ。躍動感のある激しい打楽器のリズムに合わせ、際どい露出の美女が、じわり、じわり、と満面の笑みを浮かべ僕に近づいてくる。ついニヤリとしたぼくは、突然の腹痛に襲われ息ができなくなった。いつの間にか横っ腹に突き刺さる妻の肘。

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こし・いたお
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