目にした、耳にした芸談あれこれ
芸談ではないが、へーと思ったので。
1933(昭和八)年に「汎文社」から出版された三田村鳶魚の「大衆文芸評判記」に、「大衆小説」の誕生について書かれている。国会図書館のデジタルコレクションで読んだ。
「大衆小説というものは、今から数年前に、雄弁会(大日本雄弁会、のちの講談社)が「講談倶楽部」を出して、講談の筆記を載せていたのでしたが、そのうち講釈師と衝突して、雄弁会は講談の筆記を載せさせないことに仲間で相談をきめた。ことがありましたその時に雄弁会が困って、思いきってやさしく通俗的に、講釈種のようなものを小説に書いて貰う、ということを始めた。」
落語は口語文による文学的表現の端緒を開き、講談は大衆小説を生んだのか……。