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Brotherhood of Steel の歴史

 アパラチアのキャプテン・アメリカこと(自称)テルミドールです。

 今回は間近に迫ったFallout76の大型アップデート「Steel Reign」にかこつけて、Brotherhood of Steelの歴史についてまとめていきたいと思います。因みに、Fallout76では平然とB.O.Sと略されていますが、Fallout3の頃はB.O.Sの人達が自分達を呼ぶときには「Brotherhood」って略されていたんですよね。文章中とかには「B.O.S」の略称も出てきた気がしますけど。

 Fallout4から略称はB.O.Sに統一された。そんな感じです。

 今Fallout76に興じるレジデントの皆様にとって、馴染みのあるB.O.Sの部隊は、およそ三つくらいかと思います。より正確を期すなら五つでしょうか。

フォールアウト3

 まず、Fallout3に登場したエルダー・オウェン・リオンズ率いるワシントンD.C方面軍、所謂東海岸B.O.Sですね。Fallout4に登場したコモンウェルス方面軍は正確にはこの東海岸B.O.Sの分遣隊ですから、これらでひとつとカウントしても間違いではないと思います。

 次に、FalloutNewVegasにおいて、多くの「元101のアイツ」を落胆させた、エルダー・ノーラン・マクナマラ率いるモハビ方面軍でしょう。モハビ・ウェイストランドは後述するロストヒルズ、つまりはB.O.Sの本拠地に比較的近いエリアですが、それでもなお本隊から孤立し、敵中にあって隠遁生活を強いられているため、かなりピリピリした連中でしたね。

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 そして、Fallout76に登場するB.O.Sアパラチア方面軍です。こちらも、Vault76開放以前にアパラチアで活動していたパラディン・エリザベス・タガーディ率いる部隊と、Wastelandersアップデート以降、Steel Dawnのシナリオにおいて新たにアパラチアへ駐屯したパラディン・レイラ・ラフマーニ率いる部隊がありますので、語る際には別のものとして二つにカウントしても良いかもしれません。

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 先に述べた様に、Fallout4で登場するB.O.Sは東海岸部隊の一部ですが、総司令官はエルダー・アーサー・マクソンに交代しており、組織の大部分もエンクレイヴ残党やアウトキャストの帰順者を組み入れる形で再編成されているため、プレイヤーの認識の上では別のものに感じるかもしれません。なので、「正確を期すならば五つ」と申し上げました。

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 さて、これら本邦でも有名どころに加え、西海岸はロストヒルズ・バンカーを根拠地とするB.O.S本隊。アメリカ中西部に孤立し、やむにやまれぬ事情から独自の勢力を形成した分隊や、ただでさえ一部から「ハイテクレイダー」と揶揄されるB.O.Sの悪い部分を更に強化したようなC.O.Sといった集団を加えると、その派閥の数はかなりのものになってしまいます。

 では、大まかにB.O.Sとはどういう発展を、そしてどういう衰退を辿っているのか。順を追って見ていくことにいたしましょう。

 Brotherhood of Steelの創設は2077年10月20-22日、マリポサ基地でウエストテック社と政府の主導による非道な人体実験、強制進化ウイルス(FEV)を用いた人為的変異実験の惨状を目の当たりにしたロジャー・マクソン合衆国陸軍大尉が、基地司令ロバート・スピンデル大佐が自殺したことと、非道な実験に参加していた科学者を処刑し、基地の指揮権を掌握したことに始まります。

https://fallout.fandom.com/wiki/Roger_Maxson

 2077年10月20日。マクソン大尉はラジオ放送にてマリポサ駐留部隊が合衆国陸軍の統制下を離れることを表明し、この放送は多くの地域で他の部隊の耳に入ることになります。しかし、明確な反逆行為に当たるにも関わらず、政府関係者からは特に反応はありませんでした。翌10月21日、独立宣言と並行して、マクソン大尉は基地外に住む部隊関係者の家族をマリポサ基地に移住させ、そして2077年10月23日に"大戦争(Fallout世界の文明が滅びる原因となった核戦争)"が勃発します。

 同25日。マリポサ基地のセキュリティチームであり、最初期にロジャー・マクソンの反乱に加わったプラトナー軍曹の率いる偵察部隊が基地周辺の調査を行い。11月にはマクソン隊は多数の犠牲を出しながらも、兵士とその家族を連れロスト・ヒルズ・バンカーへ移住しました。以降ロスト・ヒルズのバンカーはB.O.Sの本拠地として運用されます。この道中、マクソン大尉の妻は敵性勢力の攻撃に巻き込まれて死亡しています。

https://fallout.fandom.com/wiki/Lost_Hills

 マクソン大尉改め、エルダー・マクソンの率いるB.O.S本隊が、ロストヒルズに拠点を構築している裏側で、B.O.Sの別の部隊が活躍することになります。それが、B.O.Sアパラチア方面軍です。

 公的な記述に「タガーディ中尉はロストヒルズからの放送を受け取った」とありますが、マクソン大尉が宣言を発した時点ではまだB.O.Sの本隊はマリポサ基地に留まっていた筈なので、この記述はB.O.Sの本拠地がロストヒルズ・バンカーであるという知識を聞きかじった者による誤解に基づく誤った情報でしょう。

 B.O.Sの創設にあたり、マクソン大尉はそれこそが先行きの見えない世界を生き抜くための精神的支柱、新たなるアイデンティティになると考えていました。そして、かつての国軍で用いられた階級の名称に代わり"パラディン"や"ナイト"、そして"スクライブ"などの呼称を用いるようになります。

 これは、マリポサ基地で目にした非道な実験について、政府や軍が関わっていたことに起因し、これら人民を守ることを怠り、世界の破滅を招いた者たち、あるいは政府に仕える兵士たちと自分らを差別化する意図があると、マクソン大尉はホロテープの中で語っています。当初はその仰々しさに困惑していた兵士たちも、2082年6月20日までには総員がB.O.Sの教義を支持し、新たな呼称を用いるようになりました。

 ロジャー・マクソンが政府の非道を告発する放送を聞いたアパラチアのタガーディ中尉の部隊は当初困惑していましたが、自分達もウエストテック社の研究施設を調査し、おぞましい実験の真実を目の当たりにしたことで、マクソンの言葉が真実であることを知り、その当時タガーディズ・サンダーと呼ばれた精鋭レンジャー部隊はB.O.Sの旗を仰ぐことになります。

https://fallout.fandom.com/wiki/Taggerdy%27s_Thunder

 階級を合衆国陸軍中尉からB.O.Sパラディンに改めたタガーディ率いる部隊の動向の詳細は公式にYouTubeへ動画が纏められているので割愛しますが、大まかに歴史的な流れを記すと。

 2079年にはサンダーマウンテン発電所を巡ってフリーステイツから奪取する形で獲得しており、同組織との間に深い確執を生むことになります。

 2086年にはレスポンダーと共にウエストテック社の研究所から脱走し、ハンターズビルを占拠して周辺住民を脅かしていたスーパーミュータントの一団を掃討し、レスポンダーやアパラチアの生存者たちと有効的な関係を築きます。

 その後、レスポンダーと共にビッグベンドトンネルのスコーチ軍団を掃討しようと試みますがこれには失敗。クランベリー湿原から進出してくるスコーチビーストやスコーチ生命体との戦いに大量の物資が必要となり、事情を知らないレスポンダーや地域住民から「物資を過剰に要求する」と白い目で見られるようになり、一点友好的だった関係が悪化します。

 更にはスコーチとの戦いが激化し、B.O.Sアパラチア支部(旧)にとっては最初の拠点であったキャンプベンチャーを放棄します。

 パラディン・タガーディ自身はアパラチアに存在する核ミサイルサイロを運用することをエルダー・ロジャー・マクソンに提言しますが「かつて世界を滅ぼしたテクノロジーを今一度世界に向けて使うことは認められない」と棄却されます。

 更に悪いことに、これまでB.O.S本隊との連絡に用いていた人工衛星が寿命を迎えて墜落し、ロジャー・マクソンの指示を仰ぐことも、本隊から応援を求めることもできなくなり、タガーディの部隊はアパラチアに孤立することになったのです。

 考え抜いた末にスコーチとの長期戦には勝ちの目がないと判断したタガーディは、決死隊を編成してスコーチビーストの巣窟を直接攻撃する計画"タッチダウン作戦"を決行しましたが、力及ばずB.O.Sアパラチア支部(旧)は、パラディン・タガーディ以下多くの基幹人員を喪失することになりました。

 2095年8月にはサンダーマウンテン発電所とディファイアンス砦を相次いで失陥し、B.O.Sアパラチア支部(旧)は事実上の壊滅を迎えます。

 B.O.Sアパラチア支部が壊滅する裏で、ロストヒルズ・バンカーに居を移したB.O.S本隊は勢力の安定化に努めていました。2097年には、ロジャー・マクソンの孫であるジョン・マクソンが誕生しています。

 ここで、一旦話をアパラチアに戻すと、2103年。ロストヒルズから派遣された分遣隊が数々の苦難を経てアパラチアに到着しています。出発時点では正規兵もいたのでしょうが、道中にレイダーに支配された町を解放するために引き起こした戦闘で多くの人員を失ったようで、アパラチア到着の段階で存命な正規メンバーは指揮官であるパラディン・レイラ・ラフマーニ、副官のナイト・ダニエル・シン、そして、スクライブ・オデッサ・バルデスの3名だけです。

 残りは道中でリクルートしてきたクソ新兵ばかりらしいので、相当やばい状況であることが伺えますね。アパラチアにおいても積極的に志願兵は募っているようで、若いアパラチア民の中にはB.O.Sに憧れる者もいるようです。

 では、ロストヒルズの話に戻りましょう。2134年には急進的なデニス・アレン軍曹の部隊が離反し、独断でウエストテック研究施設の探索に向かい未帰還となるなど混乱が生じています。

 B.O.Sにとっては凶事が続き、2135年にはロジャー・マクソンが癌により死去し、B.O.Sの総指揮権は息子であるマクソン2世に世襲的な形で移管されることになりました。

 2150年代に、宗教色の強いレイダーの一勢力ヴァイパー団が力を増し、周辺地域への略奪を頻繁に行ったため、B.O.Sとしては看過できない状況になってきました。

 同時にB.O.Sはロストヒルズの北方にある商人の町ハブと交流を持ち、貿易関係を結ぶことになります。しかし、後に武器と水を交換したいというハブ側の申し出を拒絶したことで、一部の過激な商人がB.O.Sの武器を強奪しようとする事件が発生しています。

 2155年、B.O.S本隊はマクソン2世の直接指揮の下でヴァイパー団に対する掃討作戦を展開しますが、戦闘が落ち着いてマクソン2世がパワーアーマーのヘルメットを脱いだところにヴァイパー団のメンバーが放った毒矢が命中し、軽傷にも関わらずマクソン2世は数時間のうちに死亡しました。

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 急逝したマクソン2世に代わって、息子であるジョン・マクソンがB.O.S3代目のエルダーに就任しました。更にロンバスという兵士がパラディン長に就任しました。ジョン・マクソンのエルダー就任に併記してある点を鑑みて、マクソン2世の時代にはジョン・マクソンがパラディン長を務めていたものと考えられます。

 パラディン長ロンバスは、ヴァイパー団に対して徹底的な掃討作戦を展開し、およそ1ヶ月をかけてごく少数の残党を除いてヴァイパー団を壊滅させました。

 2161年。B.O.S本隊の偵察部隊がスーパーミュータントの死骸を発見し、基地へ持ち帰りスクライブが分析を行いました。西海岸のB.O.Sにおいては、これがスーパーミュータントという存在との初遭遇になります。

 2162年の間に「Vaultの住人」がザ・マスターを倒しますが、その物語にはB.O.Sは深く関わってきません。

 ですが、2185年にはザ・マスターの計画によって生み出された世代のスーパーミュータントであるマーカスという個体の率いる一団と、パラディン・ジェイコブ率いるB.O.Sパトロール部隊が衝突し、戦いはリーダー同士の一騎打ちにもつれ込みました。

 2日間にも及んだ死闘の末、両者の決着はつかず。一同は和解し、マーカスとジェイコブは共に世界を旅し、そして人間、ミュータント、グールが別け隔てなく共同で暮らすブロークン・ヒルズというコミュニティが形成されることになります。

 2186年。ジェイディーサンドという地を起点に「新カリフォルニア共和国」が建国されます。「B.O.Sの歴史じゃないじゃないか」と仰られるかも知れませんが、この新国家の成立というイベントこそがB.O.Sにとっても大きな転機になるのです。

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 2189年。新カリフォルニア共和国(以下NCR)はシェイディ、ロサンゼルス、ハブ、デイグロー、そしてマクソンの5つの州を正式な領土として制定します。このマクソン州はB.O.S創設者であるロジャー・マクソンにちなんで名付けられています。

 マクソン州はその名の通りロストヒルズのバンカーに隣接しており、ことパラディン長のロンバスは発展途上のNCRに協力的で、マクソン州を通じてNCRはB.O.Sが保護していたテクノロジーの恩恵を受けることになります。

 Fallout76においてロジャー・マクソンが語った「人類の文明が再興するする時までテクノロジーを収集し、記録し、保存する」というB.O.Sの理念は一部達成されたことになるでしょう。

 2197年。アメリカ中西部へ進出しようとしたB.O.Sの分遣隊は、飛行船の墜落事故によりロストヒルズの本隊から孤立することになりました。彼らは、生存のためにこれまでのB.O.Sの規範を大きく逸脱し、周辺住民から新兵を募ったり、時にはスーパーミュータントやデスクローすら兵士として組み入れたと記録されています。

 翌2198年。多くの困難があったにもかかわらず、中西部のB.O.S分遣隊はVault0を発見し、狂った管理AIであるカリキュレーターを破壊し、周辺地域に秩序をもたらします。その後の中西部B.O.Sの動向は不明です。

 世紀が変わって2202年。ロストヒルズのバンカーで「オウェン・リオンズ」という人物が生まれます。お察しの通り、後に東海岸B.O.Sの礎を築くことになるエルダー・リオンズその人です。

 2208年には"Fallout : Brotherhood of Steel"の物語が始まるのですが、この作品は流石の私でもまとめるのが嫌になるほど歴史上の矛盾点が多いので、ここでは割愛します。

 2231年。B.O.Sの歴史上初めて"ハイエルダー"の称号を用いた、ジェレミー・マクソンが東海岸地域への侵攻計画を本格的に推進させました。5人のパラディンからなる偵察チームを派遣し、部隊は東部進出への橋頭堡を築きます。

https://fallout.fandom.com/wiki/Jeremy_Maxson

 この際、トッド・ピータースンという戦前の有力な国会議員が築いたシェルターが発見され、ピータースン・バンカーと呼称されることになります。偵察部隊はその後も周辺地域を探索し、多くのコミュニティと関係を築いています。

 2241年。Fallout2の物語が進行し、2242年に終了します。この間に、エンクレイヴの超人兵士である"フランク・ホリガン"という人物が、B.O.Sの基地を攻撃しているので、B.O.Sとエンクレイヴの戦端はこの時開かれたものと思われます。また、エンクレイヴの保有するハイテクは、B.O.Sのアイデンティティでもあった「戦後世界における技術的優位性」を足元から揺るがせるものであったと推測され、以降その成立に不安を抱えたB.O.Sが迷走することになった一因とも言えるのではないでしょうか。

 正確な記述が存在しないのですが、Fallout2の時点でB.O.Sの総司令官はマクソン家の子孫であるジェレミー・マクソンに交代しているとされています。これ以降、パラディン・ブリックスレイを始めとした偵察隊のメンバーのように多大な功績のある者や、リオンズ、エリヤ、マクナマラのような方面軍司令官がエルダーの階級を冠するようになり、ジェレミー自身はエルダーの上の階級としてハイエルダーを名乗っていることから、ハイエルダーの称号はジェレミーの時代に制定されたものと考えられます。

 2240年代まで、ジョン・マクソン亡き後のB.O.Sはヘッドパラディン・ロンバスの指導のもとでNCRと協調路線を歩んできましたが、それでもロストヒルズのB.O.S本隊がNCRの統治下に入っていた訳ではありませんでした。

 Fallout2の時代に発生したNCR・エンクレイヴ戦争によってエンクレイヴが敗北したことを受け、NCRとB.O.Sの関係は悪化していくことになります。

[考察]NCRがエンクレイヴを打倒し、その優れたテクノロジーを回収・分析することは、NCRの科学分野を急成長させることになり、その場合もB.O.Sのウェイストランドにおける「技術的優位性」というアイデンティティを喪失させることになるためだと考えられます。

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 2241年。NCR-B.O.S戦争が勃発しました。パワーアーマーとハイテク兵器で武装したB.O.Sの兵士たちはその質においてNCRの歩兵を凌駕しましたが、NCRは金本位制度に支えられた戦前に匹敵する経済システムを備える国家で、動員できる兵数に大きな隔たりがあったため、質に勝るB.O.Sは戦況としては徐々に追い詰められていきます。

 敗勢の原因が戦略にあると理解しているB.O.SはNCRの金塊貯蔵庫を攻撃、紙幣の価値を担保している金塊を放射能汚染することで使用不可能とし、NCRの経済基盤と市民生活を破壊することで反撃しようとしました。

 NCRは紙幣の価値担保を金本位制度から水本位制度に切り替えて対応しました。[考察]NCR通貨の価値を担保するものが「きれいな水」に変わったことで清浄な水源の確保がNCRの経済的安定のためには必要な要素となりました。このことが、後に清浄な水源であるミード湖を擁するモハビウェイストランドへのNCRの侵攻を招いたのではないかと考えられます。

 NCRとB.O.Sの戦争が継続している2247年。ロストヒルズのバンカーにおいて、オウェン・リオンズの娘であるサラ・リオンズが生まれます。後に東海岸B.O.Sにおいて活躍するセンチネル・リオンズです。

 2254年。エルダー・リオンズを司令官とする遠征軍が編成され、ワシントンD.Cに向けて出発しました。

 2255年。エルダー・リオンズの遠征軍はワシントンD.Cへの途上、戦前にピッツバーグと呼ばれた都市に築かれたレイダーのコミュニティ"ザ・ピット"を攻撃し、多くのレイダーを討伐してピットを壊滅させました。このイベントは後に「天罰」と称されることになります。

 同年、エルダー・リオンズの遠征軍はワシントンD.Cへ到着しました。ワシントンD.C進駐軍となったエルダー・リオンズの部隊は、戦前の合衆国国防総省の建物を接収し拠点として運用を開始します。

 2267年。ジョナサン・マクソンとジェシカ・マクソンの子、アーサー・マクソンが誕生します。「東に送られた」という記述があるので、生まれはロストヒルズだと考えられます。

 2274年。長らく続いているNCRとB.O.Sの戦禍はモハビウェイストランドにも及び、太陽光発電施設ヘリオス1を巡って、NCRとB.O.Sモハビ方面軍は戦闘状態に突入しました。NCRはサンバースト作戦を展開し、ヘリオス1を防衛するB.O.Sを攻撃しましたが、戦いは2年も続きました。

 2276年。ヘリオス1を巡る戦いの中でも最も苛烈な戦闘の際、数で押し寄せるNCR軍の前にB.O.Sは配色濃厚となり、総司令官であるエルダー・エリヤが戦闘中に失踪したことを受けて、パラディン長だったノーラン・マクナマラが指揮権を引き継ぎ、ヘリオス1の放棄と撤退を決定します。

 その後、B.O.Sモハビ方面軍ではマクナマラが引き継ぎでエルダーの地位に就き、パラディン長にはエドガー・ハーディンが就任しました。モハビ方面軍は、長らくヒドゥンバレーのバンカーに身を潜めて再起の時を待つことになります。

 同2276年。キャピタル方面軍でも波瀾が起こり。エルダー・リオンズの現地住民保護政策に反発したパラディンやナイトが離反し、B.O.S アウトキャストを形成するようになりました。

 2277年。キャピタルウェイストランド(ワシントンD.C周辺地域)の科学者であるジェームズが同胞とともに立案した"浄化プロジェクト"を巡って、B.O.Sキャピタル方面軍とジョン・ヘンリー・エデン大統領率いるエンクレイヴ残党軍との武力衝突が発生します。

 "孤独な放浪者"の活躍でジョン・ヘンリー・エデン大統領と副司令のアウグストゥス・オータム大佐が無力化され、B.O.Sキャピタル方面軍はエンクレイヴの残党に勝利しました。キャピタル方面軍は東海岸にあって貴重な清浄水源と戦前の米軍が開発した中国共産党との人型決戦兵器"リバティ・プライム"を同時に手中へ収めることになりました。

 2277年から遠からぬ時期に、孤独な放浪者とB.O.Sキャピタル方面軍はアダムス空軍基地に敗走したエンクレイヴ残党軍の残存部隊を攻撃し、壊滅させます。ここに、エンクレイヴの命脈は絶たれたと言って差し支えないと思います。反面、エンクレイヴによる衛星軌道ミサイル攻撃により、B.O.Sはリバティ・プライムを喪失しました。

 2278年。この時期、長らくキャピタル方面軍の司令官を務めたエルダー・オウェン・リオンズが逝去します。後任には娘であるサラ・リオンズが任命されましたが、同年内に戦死してしまいました。以後、キャピタル方面軍はアーサー・マクソンの治世まで無力なエルダーに率いられたと記述されていますが、名前すら詳らかではないので、相当に無力な人々だったのだと推測されます。

[考察]Fallout3に登場する従者マクソン(アーサー)の人柄に比べ、Fallout4に登場する彼は同一人物であることが疑わしほどに苛烈で勇猛な性格をしていますが、密かに想いを寄せていたサラ・リオンズが呆気なく戦死してしまったという悲劇は幼いアーサーを打ちのめし、「力がなければ何も守れない」という事実でもって彼を強力なリーダーに鍛え上げていったのではないでしょうか。

 2280年。B.O.Sは戦前にボストンと呼ばれた地域、コモンウェルスに最初の偵察部隊を派遣しました。探索は大成功を収め、派遣部隊は多くのテクノロジーを持ち帰りました。[考察]この時、T-60パワーアーマーの実機を回収し、リバースエンジニアリングによってキャピタル方面軍はT-60パワーアーマーの自力生産が可能になったと考えられます。

 2281年。"運び屋"がモハビウェイストランドを訪れた折に、フーバーダムを巡って対立していたNCRとシーザーリージョンの間に最も大きな武力衝突が勃発し、隠遁していたB.O.Sモハビ方面軍はその戦乱の中で力を取り戻したとも、NCRと和睦し共にシーザーリージョンと戦ったとも、人知れず滅ぼされたとも伝えられている。(NewVegasのお話はマルチエンディングだから)

 この時期ロストヒルズのB.O.S本隊はNCRに降伏しており、NCR-B.O.S戦争は終結していたが、孤立していたモハビ方面軍は終戦を知らず無意味な抵抗を続けていたとされる"一説"もある。[不確定]

 2282年。功績が認められ弱冠15歳のアーサー・マクソンがエルダーの階級を与えられ、キャピタル方面軍の司令官となりました。

 2284年。B.O.Sキャピタル方面軍は、コモンウェルスに対してパラディン・ブランディスを指揮官とするアルテミス偵察部隊を派遣しましたが、最初と違ってこの探索は失敗に終わり、アルテミス偵察部隊は消息を絶ちます。

 2287年。B.O.Sキャピタル方面軍は、コモンウェルスに対してパラディン・ダンスを指揮官とするグラディウス偵察部隊を派遣しましたが、今回もコモンウェルスに到着して直後から災難に見舞われ、グラディウス偵察部隊がケンブリッジ警察署に籠城しているところを"唯一の生存者"に救われることになります。

 同年。パラディン・ダンスの増援要請を受けたエルダー・アーサー・マクソンは、飛行船"プリドゥエン"を駆って自らコモンウェルスに来援しました。以後、現地でインスティチュートやレールロードといった勢力と対立を深めることになります。

 さて、ここまでがシリーズ皆勤賞、Brotherhood of Steel の歩んできた道のりです。これ以降はまだFallout4の先を描いた続編が発売されていないのでわかりません。未来は未確定です。一体、Fallout4のどのルートが正史世界線になるのか。恐ろしいような楽しみのような感覚です。

 間もなく配信されるFallout76大型アップデート"Steel Reign"では、2103年にアパラチアに進駐したB.O.Sが、アパラチアでの行動方針やロストヒルズへの対応を巡って内部で対立するお話の続きになりますね。タイトルの「Reign」とは「治世」という意味なので、良くも悪くもB.O.Sがアパラチアに秩序をもたらしてくれようとするのでしょうね。余計なことを。

 あ、このテルミドール、ことあるごとにB.O.Sのことを「軍閥軍閥」と揶揄しdisり倒していますが、その実B.O.Sのことは大好きです。民主主義を重んじる政治信条でなければすぐにでも旗の下に駆けつけて秩序のために戦いたいくらいです。

 でも、私は共和国に忠誠を誓った、民主主義にだ。

 もし、B.O.Sが軍人でありながらにして市民を政治的に導こうと言うならば、その野望は粉々に打ち砕いてやらなければなりませんね。それが文民統制というやつです。

 今回、冗長になるといけないので考察やキャラクター個人個人のイベントはかなり端折っているので、機会があれば別の記事でその辺も掘り下げていければなと思います。

 あぁ、それと。私個人の意見として、ベセスダ・ソフトワークスがInterplayからFallout関係のIPを全て手に入れたとして、これまでにInterplayが築き上げてきたもの、ファンが大事に温めてきたミームを好きにしていい訳ではないと思っています。

 なので、今回の内容の中にはベセスダが公的に「正史ではない」と言及したものも含まれています。そこだけ、ご理解ください。私が忠誠を誓うのはFalloutであってベセスダではないのです。

 まぁ、余談が長くなっても仕方がないので今回はこの辺で指を置きます。

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 では、のちほど……いえ、Ad Victoriam !!

 

 

 

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