来たるべきポルノグラフィティ25周年の記念ライブに向けて無敵の最強セトリを全力で考えてみた
先日、ポルノグラフィティの「暁」ツアー日本武道館の公演初日に参加し、久しぶりのライブを楽しんだのですが、その後ぐらいからなぜかふつふつと「ポルノライブの妄想セトリを考えてみたい!」という思いが湧き上がってきました。すっかりファン歴の長くなった私ですが、ポルノにはバラエティ豊かな曲が本当にたくさんあって、その魅力を私は充分に味わい尽くせているのだろうか?と思ったのがきっかけかもしれません。自分がこんなに長く追っているポルノの曲の魅力を発見・再確認したい!そんな思いから、私の出せる限りの全力でセトリを考えてみるというチャレンジが勝手にスタートしました。
※ちなみに、私のポルノファン歴やライブ参戦歴についてはこちら↓
そしてせっかく考えてみるならば、2019年の東京ドーム2デイズに匹敵するような“神セトリ”にしたい!と思いました。そこで今回は、ポルノグラフィティが25周年を迎える2024年9月8日に恐らく開催されるであろうスペシャルライブ(開催への期待も込めて…)用のセトリを考えていきます。いくら何でも先すぎるし、まだ開催すら決まってないだろ!とツッコミたくなるかと思いますが、何事も早いに越したことはないということで…全て妄想&自己満ですが、読んでくださる方が1人でもいらっしゃれば嬉しいです。
セットリストを考えるにあたって
今回は25周年のスペシャルライブ想定ということで、最近のポルノグラフィティのライブの平均的な曲数(21~23曲くらい)よりやや多めになりますが、25周年に合わせて本編+アンコールで「全25曲」として考えることに。そしてこの記事のタイトルにもあるような「無敵の最強セトリ」に仕上げるべく、必要と思われるコンセプトや、私個人の希望に基づいたルールも設定してみました。
①新規ファンもマニアも楽しめる選曲にする
新規ファンでも楽しめるセトリを目指すなら、「アポロ」「アゲハ蝶」「サウダージ」「メリッサ」といった知名度の高いシングル曲を多く盛り込むという方向性がありますが、それだと昔からのファンは物足りない…かといってマニアックな曲ばっかりになると「ぼくのかんがえたさいきょうのセトリ」的な現実味のない内容になってしまう…そこで、両者の良いとこどりをして、シングル曲・カップリング曲・アルバム曲をバランスよく選び、最近ファンになった人も、昔からのファンも楽しめるセトリを目指します。
②歴史を感じられる選曲にする
ポルノグラフィティは1999年にデビューし、現在までに250曲以上もの曲を発表しています。曲の振り幅も広く、ジャンルも実に多彩。せっかく25周年のスペシャルライブのセットリストなのだから、特定の年代に偏りすぎず、初期から現在まで満遍なくポルノの歴史をたっぷりと味わえるような選曲にしたいと思います。
③ファンをおっ!と言わせるサプライズ選曲をする
ポルノのライブって、セットリストの中に「うわ~このタイミングでそれ入れてきますか~!!?」みたいなサプライズが上手すぎないですか?直近で言うと、暁ツアーで約14年ぶりに披露された「うたかた」や、神vs神でNAOTOさんとコラボした「瞳の奥をのぞかせて」のような…何の曲を披露するのかわかった瞬間、客席にどよめきや歓声が広がるような。そういうファンにとっての「ニクい曲」を1曲盛り込みたいです。
④作詞・作曲が特定の組み合わせに偏らないようにする
ポルノは昭仁さん・晴一さんお二人とも作詞作曲をされます。加えて、初期~中期はTamaさん作曲も多いですし、シングル曲の多くはak.hommaさんが手掛けていますよね。そのどれもが甲乙つけがたく、晴一さんの詞は唯一無二の個性があって“ポルノの顔”とも言える魅力があるけど、一方で昭仁さんの書くまっすぐで力強い詞も心に沁みる…どちらの良さも知ってもらいたい!ということで、できる限り作詞作曲の組み合わせも偏りすぎないようにしたいと思います。
⑤とはいえ、自分の好みも大切に
ここまでは「無敵の最強セトリ」にするために必要と思われるコンセプトを4つ挙げましたが、考えるのは私なのだから、私がライブで聴いてみたいと思っている曲を少しくらい入れたっていいじゃないか!ということで、私が個人的に「これは聴きたい」と思っている曲を入れます。
この5つのコンセプトに添いながら、今回セットリストを考えていきます。しかし、ここで私は思いました…「考えること多くね??」と。こんなに意識することがあって、全25曲に選抜なんてできるんだろうか?と。でも「無敵の最強セトリ」と銘打つからには、やっぱりこの条件を満たしたい…!ということで、妥協せずにセトリを組んでいきたいと思います。
まずは何も考えずに曲を選んでみよう
5つのコンセプトを決めはしましたが、最初のインスピレーションや直感も大事だと思ったので、まずはポルノの曲をデビュー曲のアポロから最新曲まで確認しつつ、「これは良さそう」というものをいったんピックアップしてみました。それがこちら。
何も考えずに直感で選んだ曲リスト
1. ジレンマ
2. アゲハ蝶
★3. 今宵、月が見えずとも
4. Century Lovers
5. シスター
★6. DON’T CALL ME CRAZY
7. 暁
8. メリッサ
9. ラック
★10. ギフト
11. ハネウマライダー
12. オー!リバル
13. ネオメロドラマティック
14. ラビュー・ラビュー
★15. 空想科学少年
16. Let’s go to the answer
★17. ライン
18. Please say yes, yes, yes
19. 星球
20. ANGRY BIRD
★21. MICROWAVE
22. PRIME
23. Search the best way
24. Sheep ~Song of tennage love~
25. ナイトトレイン
26. Part time love affair
27. 前夜
★28. フィルムズ
★29. Regret
30. 9.9㎡
※順不同、★は個人的に入れたい曲
とりあえず30曲になったので、これをベースに、コンセプトに基づいて詰めていけばいいのでは?案外楽かも…と思ったのですが、そこではたと気づきました。これだと年代がちゃんとバラけているか、シングルとカップリングとアルバムのバランスが取れているか、作詞作曲が偏っているか、ぱっと見全然わからない!ということで、まずそれらの情報が一目でわかるリストを作りました。
※「サボテン sonority」「Mugen」オーケストラバージョンなど、アレンジ違いの同一楽曲は含まず
※歌詞のないインスト曲・カバー曲もカウント対象
自分しか使わないデータとはいえ、間違いないようにしたいとひとつひとつ調べながら手打ちで作ったので、まぁ疲れました…m-CABIのインスト曲の名前とか打ってる時が1番きつかった。とはいえ、このリストを有効活用すれば、無敵の最強セトリに一歩近づけそうです。さっき私がピックアップした全30曲を、リストの情報を元に分析してみた結果がこちら。
選んだ全30曲の分析結果
【発表年代】
2000年(5曲)/2001年(2曲)/2003年(2曲)/2004年(3曲)/2005年(3曲)/2006年(2曲)/2007年(1曲)/2008年(3曲)/2011年(1曲)/2012年(2曲)/2015年(2曲)/2016年(1曲)/2017年(1曲)/2018年(1曲)/2022年(1曲)
【楽曲区分】
SG曲…10曲/CW曲…8曲/AL曲…12曲
※ジレンマは今回はAL曲としてカウント
【作詞作曲の組み合わせ】
アキヒト・岡野昭仁…5曲
ハルイチ・新藤晴一…7曲
岡野昭仁/新藤晴一…6曲
アキヒト・シラタマ…1曲
ハルイチ・新藤晴一/シラタマ・Tama…4曲
ハルイチ・新藤晴一/ak.homma…7曲
こうして見てみると、発表年代に関してはかなり偏っていることがわかりました。2000年発表の曲を5つもピックアップしているため、2002年、2009・10年、2013・14年辺りの曲が入れられていないので、この辺りのバランスをとりたいところです。曲のバランスについては、アルバム曲が多すぎる印象なので、もう少しシングル曲を増やしてポップに。作詞作曲の組み合わせについてはぱっと見バラけていて良さそうですが、昭仁さん詞・晴一さん曲が1曲もないので、ぜひとも入れたいところ。ひとまずこんな視点で、無敵の最強セトリにするための見直しを行うことにしました。
ファンに人気な曲ってなんだ?
ところで、先程のリストではポルノグラフィティの楽曲の公になっている情報を一気に確認できますが、セトリを考える上で重要かつ、調べるだけでは分からないことがひとつあります。それは1曲1曲の「ファン人気」。これまでベストアルバムを発売するタイミングなどで何度かファンの楽曲人気投票が行われたことはあると思いますが、最後に実施したのはかなり前のはず。それからリリースされた作品も多いので、今現在・最新の人気度というのははっきりと分からないと思います。
かくいう私も、大体2012年くらいまでは記憶していて、ファン人気が高いとされている楽曲も肌感で何となくわかるのですが、それ以降については一部カップリングやアルバム曲など聴きこめていないものも多く…正直なところ「この曲はとても人気がある」「この曲はコアな支持層がいる」などと客観的に判断できる自信がありません。かといって、ネットで「ポルノグラフィティ 人気ランキング」と検索してみても、有名なシングルだけで構成されたような、信憑性の低いデータしか見つからない…
リアルなファンの声を元にした“最新”で“生”のデータが欲しい!そう思ったときに、先日Twitterで「ポルノの曲から10曲選んで趣味を晒す」というハッシュタグがトレンド入りしていたことを思い出しました。これらの投稿の内容を集計してみれば、今回望んでいるようなデータが手に入るのでは?そう思い至った私は、該当ツイートを集計したランキングを作成してみました!それがこちら。
「#ポルノの曲から10曲選んで趣味を晒す」独自集計結果
※トレンド入りしていた1月26日~1月31日までの「#ポルノの曲から10曲選んで趣味を晒す」ツイートのうち、300を無作為に抽出して集計
※30票以上入った28曲+次点5曲のランキング
1位 ジョバイロ (83票)
2位 うたかた (77票)
3位 サウダージ (74票)
4位 ネオメロドラマティック (72票)
5位 アゲハ蝶 (61票)
6位 メリッサ (58票)
同率7位 Mugen (55票)
同率7位 Zombies are standing out (55票)
9位 シスター (54票)
10位 愛が呼ぶほうへ (52票)
11位 月飼い (48票)
12位 カメレオン・レンズ (47票)
同率13位 マシンガントーク (41票)
同率13位 サボテン (41票)
同率13位 夕陽と星空と僕 (41票)
16位 まほろば○△ (40票)
17位 THE DAY (39票)
18位 瞳の奥をのぞかせて (38票)
19位 ミュージック・アワー (37票)
同率20位 空想科学少年 (35票)
同率20位 カルマの坂 (35票)
同率22位 ハネウマライダー (34票)
同率22位 暁 (34票)
同率24位 ヒトリノ夜 (33票)
同率24位 ラビュー・ラビュー (33票)
同率24位 ラック (33票)
同率24位 2012Spark (33票)
28位 ギフト (30票)
次点 (29票)
リビドー
パレット
ヴィンテージ
Sheep ~song of teenage love soldier~
グラヴィティ
並み居る人気・有名曲を抑え、1位になったのは「ジョバイロ」。最近、THE FIRST TAKEのパフォーマンスやTik Tokなどでのリバイバルヒットも印象的な「サウダージ」が1位かと予想していたので、この結果には驚きでした!2位の「うたかた」はシングル以外の曲の中ではぶっちぎりの支持で、暁ツアー日本武道館公演で久しぶりに披露されたことが影響しているかもしれませんね。意外だったのは、「ヒトリノ夜」「ミュージック・アワー」といった、ポルノのヒット曲というイメージが強い初期シングルよりも「ネオメロドラマティック」「メリッサ」「シスター」が上位に来たこと。全体的に、これらの楽曲が発表された2003~2005年くらいの曲が特に人気だった印象です。近年の曲では「THE DAY」「Zombies are standing out」「カメレオン・レンズ」が人気傾向で、最新アルバムのリード曲「暁」もランクイン。
この結果をなんとなく見返して気付いたのですが、ランクインした曲には、2019年の神vs神2日間のうち、日替わり曲になったものも多いんですよね。「メリッサ」「ラック」「ネオメロドラマティック」は初日、「瞳の奥をのぞかせて」「サウダージ」「Zombies are standing out」「サボテン」「ヒトリノ夜」は2日目に披露された日替わり曲なので、人気曲をいい具合に分けていたんだな~!と今更ながら敬服しました。ファンのことをすごく考えてくれているんだろうなぁ…と嬉しくなりますね。
どの楽曲が人気なのかという大体の指標もわかったところで、最後の準備として、一部カップリング曲や最近のアルバム曲など、あまり聴き込めていなかった曲を、この機会に全曲聴き直してみました!昔はカップリング曲とかそうそう聴けなかったので、サブスクのありがたみを実感しましたね…。
前置きが長くなりましたが、これで準備は完了!リストやデータを元に、夢セトリを組みたいと思います。
ついに決定!ポルノ25周年記念ライブの夢セトリ
①暁
②ネオメロドラマティック
③Montage
④月飼い
(MC)
⑤DON’T CALL ME CRAZY
⑥敵はどこだ?
⑦螺旋
⑧サウダージ
(MC)
⑨Regret
⑩MICROWAVE
⑪シスター
(MC、以下アコースティックパート)
⑫何度も
⑬ライン
(MC)
⑭今宵、月が見えずとも
⑮ワンモアタイム
⑯空想科学少年
⑰Century Lovers
(MC)
⑱Mugen
⑲アゲハ蝶
⑳ギフト
㉑テーマソング
(MC)
㉒前夜
(以下アンコール)
①THE DAY
②Please say yes,yes,yes
③ジレンマ
セトリ全曲解説
①暁(AL曲・2022年・新藤晴一/岡野昭仁)
無敵の最強セトリの幕を開ける1曲目には、今現在のポルノグラフィティのエネルギッシュな魅力でファンをぶん殴るべく、最新アルバムから「暁」を選びました。ミドルナンバーでゆったりと始まるライブも好きだけど、スペシャルライブならやはり最初からガツンとテンションを上げたい!シングル級のパワーが溢れんばかりに漲るこの曲ならお祭りライブの開幕にぴったりだし、観客のボルテージも一気に最高潮になるのではないでしょうか。ファンからの支持率も高かった曲で、暁ツアーでは本編最後に披露されましたが、ぜひオープニングナンバーにも推したい1曲です。
②ネオメロドラマティック(SG曲・2005年・新藤晴一/ak.homma)
まだまだテンションを上げていきたい2曲目には、ポルノのライブには欠かせない超ブチ上がり曲「ネオメロドラマティック」をチョイス。これまで数々のライブで披露されていると思いますが、この曲のイントロが流れて歓声が上がらなかったことはないんじゃないか?というくらい、盛り上がり率120%の曲というイメージです。きっと25周年ライブが開催されるであろう2024年9月8日にはコロナ禍も終わり、ためらうことなく歓声を送ったり、熱いコール&レスポンスもできるようになったりしている(はず)と思うので、この曲の間奏では昭仁さんの「ウォイ!!」という煽りに合わせて叫びながら飛び跳ねたいものです。
③Montage(SG曲・2017年・岡野昭仁/新藤晴一)
なにか昭仁さん詞・晴一さん曲を1曲入れたいなと思いながらリストを見ているうち、目に止まったのが「Montage」でした。初めてお二人が作詞作曲を共作で手掛けたのは2人体制になった2004年で、それから徐々に数が増えていき、やがてシングルとしても採用されるようになる…という歴史があります。晴一さん詞・昭仁さん曲のシングルは多いですが、昭仁さん詞・晴一さん曲の組み合わせのシングルは、現在までにこの「Montage」のみということを考えると、そんなポルノ共作曲の歴史の中でも意味のある楽曲なのではないかと思いました。なんとなく、両A面だった『キング&クイーン』に隠れがちな印象があるのですが、すごくポルノらしいというか、とてもカッコ良い1曲だなぁと思います。
④月飼い(CW曲・2003年・新藤晴一/Tama)
最初のブロック最後となる曲には、根強いファン人気を誇るカップリング曲「月飼い」を選びました。穏やかな雰囲気で始まる印象なんですが、サビになると一気に視界が開けるような爽やかさがあって、ライブ映えする曲かと思います。昨年は、歌詞から広がるイメージを描き手の方がイラストで表現するYouTubeチャンネル「EGAKU」で取り上げられたことでも話題になりましたね。当時、昭仁さんは“この曲を歌う時のイメージをさらに拡大してもらった”とコメントされていましたが、さらにイマジネーションが広がりパワーアップした最新の「月飼い」を聴いてみたいものです。
⑤DON’T CALL ME CRAZY(SG曲・2005年・新藤晴一)
私個人の勝手なイメージなんですが、この曲ってなんとなく、ダークな世界観やロックを前面に押し出したサウンドが「Zombies are standing out」と重なる部分があるように思うんです。特に最近は「Zombies~」の人気がとても高くて、ライブでも披露される機会が多い印象ですが、私は今あえてこちらを推したい!衝撃のナースコスプレで登場した「THE 夢人島 Fes.2006」、まさかのAKB48風コスプレで現れた「Amuse 35th Anniversary BBQ in つま恋~僕らのビートを喰らえコラ!~」(2013年)ではいずれも1曲目に披露されており、なぜかコスプレとセットになりがちな曲でもありますが、そんなインパクトにも負けない“濃さ”があるのではないかと思います。晴一さんの骨太なギターソロをぜひとも生で浴びてみたいです。
⑥敵はどこだ?(AL曲・2002年・新藤晴一/Tama)
2番目のブロックは「DON’T CALL ME CRAZY」から連続でロックなポルノを味わえる流れにしたいと思い、この「敵はどこだ?」を選びました。2002年リリースで当時の世相が色濃く投影されている曲ですが、時代を超えて今も心に訴えかけてくるような強いメッセージ性があると思います。今回聴き返した時ふと、最後の歌詞が終わって無音になるところが、戦場で兵士の人生が何の前触れもなくぶつ切りになる瞬間を表現しているように感じられて、ぞくっと鳥肌が立ちました。ポルノの振り幅の広さを感じられる1曲だと思います。
⑦螺旋(AL曲・2015年・新藤晴一)
ポルノのライブにはインストが1曲入ってくる印象があって、今回その枠として、10thアルバム「RHINOCEROS」収録のこの曲を選びました。ラテン味あふれるテイストはポルノの大きな魅力ですし、晴一さんのエモーショナルなギターもたっぷり楽しめ、とても好きなインスト曲です。クールな「didgedilli」とも迷ったのですが、今回は次に選んだ曲との流れを考えて、悩んだ末こちらに。
⑧サウダージ(SG曲・2000年・ハルイチ/ak.homma)
前述の「RHINOCEROS」では、「螺旋」の後すぐ「ミステーロ」が続くので そのイメージが強いですが、ラテンっぽい雰囲気なら他の曲が続いても合うんじゃないか?と思って選んだのが「サウダージ」です。リリースから20年以上経っても色褪せず、さまざまな形で話題になり、愛され続けるこの曲はまさに、常に進化を止めず歩み続けるポルノグラフィティの象徴のような曲なのではないかと思います。アコーディオンが印象的な「THE FIRST TAKE」アレンジだとさらに「螺旋」とマッチする気がするので、ぜひともこのバージョンで!
⑨Regret(CW曲・2011年・岡野昭仁)
アルバム「暁」の初回限定盤には、「稀・ポルノグラフィティ」と題して、ライブでの未演奏曲4曲のスタジオセッションが収録されましたが、この試みはファンにとって大変嬉しいものだったと思います。これまでなかなかスポットライトが当たらなかった曲が、最新のポルノの技術やサウンドで聴ける可能性が少しでも出てきたことがたまらなくありがたい!ということで、本セトリの「稀」枠として、私が個人的にずっとやってほしいと思っている「Regret」をチョイスしました。イントロがフェードインしてくると、なんとも切なくて物悲しい気持ちになるこのバラード。昭仁さんの深みの増した声で聴いてみたいです。
⑩MICROWAVE(AL曲・2017年・新藤晴一)
私は「星球」「Part time love affair」「バトロワ・ゲームズ」といった、トオミヨウさんが編曲を手掛けるポルノ×シティポップ的な楽曲が大好きなのですが、中でも好きなのが、この「MICROWAVE」です。EDMっぽいオシャレなサウンドが何とも耳に残りますし、特に晴一さん節全開、比喩表現キレッキレの歌詞が凄い。自分を冷蔵庫と重ね合わせた「真夜中に低く唸るだけ」というフレーズの秀逸さと、“エロい動画”とか“アンダーヘア”とかインパクト大のワードがさらっと登場することに毎回新鮮にびっくりします。英語の詞も効果的に組み込まれていて、改めて晴一さんの文章表現の奥深さにはっとさせられる1曲です。
⑪シスター(SG曲・2004年・新藤晴一/ak.homma)
しっとりした曲が続くこのブロックの最後には、ポルノグラフィティが2人体制になって初のシングルで、今なおファン人気が高い「シスター」を選びました。私がポルノファンになったのは2006年の「ハネウマライダー」からなので、Tamaさんが在籍していた頃のポルノグラフィティを体験することはどうしたって叶いません。昔の映像を見ると、そんな自分の知らない時代が明確に存在することにちょっぴりしんみりして、“ああ、もっと早くポルノグラフィティに興味を持っていたらなぁ…”と寂しくなってしまうのですが、この曲を聴くと、昭仁さんと晴一さんが2人でリスタートした時の覚悟のようなものが感じられて、いやいやそんなことはない、どんなタイミングでも、ポルノに出会えてよかったんだよ、と背中を押してもらえるような気持ちになります。
⑫何度も(AL曲・2005年・新藤晴一)
ここから先の2曲はアコースティックゾーンのイメージで、最初は「フィルムズ」がいいなと思っていました。でも、流れで考えると何かしっくりこなくて、他の曲をいろいろと聴いていた時ふと「何度も」が思い浮かんだんです。アルバム「THUMPx」の収録曲だと、やはり人気の高い「うたかた」の印象が強いと思うのですが、その後に続くこの曲も、しみじみ心に染み入るような良さがあると思います。「みんな誰かに出逢って そして時には惹かれあって でも少し嫌いになって また好きも少し増えて 足したり引いたり 今いくつだろ」という歌詞は、年齢を重ねれば重ねるほど味わい深くなっていくような気がしますね。ライブでは久しく披露されていないようなので、ぜひいつか生で聴いてみたい曲です。
⑬ライン(AL曲・2006年・新藤晴一/岡野昭仁)
本セトリの「ニクい曲」枠として、この「ライン」を選びました。私個人の主観なのですが、ポルノグラフィティには、何となく“対”になっているイメージがある曲の組み合わせがあります。例えば、前述の「何度も」と「うたかた」、「BLUE SKY」と「BLUE SNOW」、「メジャー」と「FLAG」などで、ライブで披露されるとしたら、どちらか1曲なのではないかな?という感じ。この「ライン」も、「グラヴィティ」と対のようなイメージで、「グラヴィティ」の方は2019年の神vs神でも演奏されるなど、ここぞという時に披露される人気の曲だと思うのですが、「ライン」も根強く支持する声が多いと思います。この曲はとにかく歌詞が切なくて、今の昭仁さんの表現力が増した声で「好きになりたくなかった」なんて聴いたらもう心に刺さりすぎて泣いてしまうかも…暁ツアーの「瞬く星の下で」のような感じで、1番はシンプルなアコギ編成、2番からはバンドも加わった壮大なアレンジで聴いてみたいです。
⑭今宵、月が見えずとも(SG曲・2008年・新藤晴一/岡野昭仁)
落ち着いた雰囲気のバラードブロックの後は、ライブ終盤に向けてガツンとテンションを上げていきたいので、「ネオメロドラマティック」と同じく、イントロが流れるとめちゃくちゃ盛り上がる「今宵、月が見えずとも」を選びました。楽曲そのもののトーンとしては暗めというか、決して爆発的なアゲアゲソング!的なテンションではないと思うんですけど、ライブだと間奏やサビのハンドクラップで興奮がどんどん高まっていくんですよね。ポルノグラフィティが初めて出演することになった2017年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」では、超カッコいいイントロ?がプラスされたバージョンで1曲目に披露されたことでも印象深いこの曲。ライブのオープニングナンバーとか、MC後の1曲目とかを張るのにふさわしい、じわじわと心が高ぶるような熱さを秘めた曲かなと思います。
⑮ワンモアタイム(SG曲・2011年・岡野昭仁)
「今宵、月が見えずとも」が“陰”のアゲ曲だとしたら、この「ワンモアタイム」はまさしく“陽”のアゲ曲なのではないでしょうか?昭仁さんが手掛ける曲は、ポジティブで力強いメッセージ性を持っている(中にはびっくりするくらい闇属性の曲もありますが…)ことが多いと思うのですが、この曲はその真骨頂と言える気がします。聴く人の背中を押して前に進ませてくれるような、底抜けのパワーがある1曲です。ライブでは「LaLaLaLaLa I believe, one more time~」の部分で客席全体が声を合わせて大熱唱するのが定番でしたが、コロナ禍明けのライブでぜひとも演奏していただいて、思う存分に声を出して歌いたいですね。
⑯空想科学少年(AL曲・2001年・ハルイチ)
「#ポルノの曲から10曲選んで趣味を晒す」を集計した結果を見て行った時、並み居る有名シングル曲や定番曲が並ぶ中、アルバム曲で上位に入っていたのがこの「空想科学少年」でした。かなり初期の曲ですが、今なおファン人気が非常に高いイメージです。発表されたのは2001年で、少年が「大人になる頃」の世界を空想する…というテーマですが、2023年の今聴くと、「これでコンプレックスとお別れ みんないっしょ 同じ顔」「僕には名前もなくて僕は誰かで」といったフレーズが、ネットやSNSが爆発的に普及した現代の世界とどこかリンクしているように感じられて、ドキッとしますね。晴一さんの詞の先見性に驚かされる1曲です。
⑰Century Lovers(AL曲・2000年・ハルイチ/ak.homma)
ポルノとファンが一緒に声出しをして盛り上がれる曲といえば、「稲妻サンダー99」「ネガポジ」などがありますが、やはり「センラバ」がないと始まらないでしょ!ということで、もちろん本セトリにも組み込みました。昭仁さんの煽りの元、全力で「Fu-Fu!」と言うだけで、日々のストレスやうっぷんが発散される爽快感があるんですよね…もはやこの曲がないと落ち着かないくらい馴染み深い曲ですね。昔は「Everybody! うまく言えたかい?大好きなアイツに」「言葉が胸で大渋滞 クラクション叩くよ」の部分、昭仁さんの目の毒すぎるパフォーマンスがありましたが、最近はめっきりお目にかかっていない気が…もうやらないのかなぁ…(期待)
⑱Mugen(SG曲・2002年・新藤晴一/ak.homma)
ここからは盛り上がる曲が連続で続く最後のお祭りブロックのようなイメージで、ライブでは鉄板にブチ上がれる「Mugen」を選びました。「#ポルノの曲から10曲選んで趣味を晒す」の結果を集計したランキングでも、「ミュージック・アワー」「ハネウマライダー」「サボテン」などを抑えてかなり上位に来ていたので、ファンの新旧問わず、幅広い層に愛されている曲なのではないかと思います。間奏では思いきり声を出して「ウォーウォー…」と叫びたい!
⑲アゲハ蝶(SG曲・2001年・ハルイチ/ak.homma)
ポルノグラフィティの曲の中でも一、二を争うほど有名なヒットソングで、もはや私などが詳しく語るのもおこがましい名曲「アゲハ蝶」ですが、やっぱりポルノのライブには欠かせない曲だと思います。最後のサビ前、観客みんなで「ラ~ラ~…」と歌いながら手を振っている時、その会場にいるポルノファン全員が一体になった感じがするんですよ。1組のバンドをこんなにたくさんの人たちが応援しているんだ…という実感で胸がいっぱいになるというか。客席から見渡せる会場の景色も、手の動きがぴったり揃っていて、本当に綺麗なんですよね。一体感あふれるポルノライブの醍醐味を凝縮したような曲です。
⑳ギフト(SG曲・2008年・新藤晴一/岡野昭仁)
「#ポルノの曲から10曲選んで趣味を晒す」の集計結果を見て、個人的に1番「この曲私も好きだけど、他のファンにもこんな人気なんだ!」と嬉しかったのが、「ギフト」なんですよ。極めて個人的な思い出で恐縮なのですが、私は高校生の時に軽音楽部的な部活に所属しており、この「ギフト」でボーカルを担当したことがありまして…新入生歓迎会で披露したんです。それまでたくさんの人の前で歌ったことなどなかったので、緊張しすぎて当日のことはあんまり覚えていないのですが、そんな経緯もあり、とても思い入れのある曲です。「ギフテッド」という言葉がよく話題になる昨今ですが、みんなそれぞれが持つ、色も形も様々な“ギフト”をそっと肯定してくれるようなこの曲を聴くと、元気が湧いてきます。
㉑テーマソング(SG曲・2021年・新藤晴一/岡野昭仁)
「ギフト」が「もっと自分に自信を持ってみてもいいんじゃない?」と優しく問いかけてくれる曲だとしたら、この「テーマソング」はもっと力強くて「あなたの人生はあなただけのもの!自信持っていくんだよ!」と背中を押してくれる応援ソングかなと思います。きっとポルノのお二人もファンもみんな、声が出せないコロナ禍にリリースされたこの曲をユニゾンできる日を待ち望んでいると思うんですよね。残念ながらコロナ禍は今も長引いていて、声を出して歌うことは叶っていませんが、恐らくポルノが25周年を迎える日には晴れやかな気持ちで歌えるだろうという願いをこめ、セトリ終盤に入れてみました。
㉒前夜(CW曲・2018年・岡野昭仁)
今回妄想したセトリの本編ラストには、2018年リリースのシングル「カメレオン・レンズ」のカップリング曲「前夜」を選びました。この曲、初めて聴いた時、あまりの熱量とパワーに度肝を抜かれたんですよね。シングル曲と言っても差し支えないほど並々ならぬ決意が込められているというか。特にCメロの昭仁さんの熱唱は凄まじく、それに続く晴一さんのギターソロも超エモーショナルで、最後に向けてどんどん盛り上がっていくんです。1番最後の「瞬間(とき)」のところが昭仁さんの声だけになるというアレンジもめちゃくちゃグッとくる。ポルノの曲には「夜明けまえには」「夜はお静かに」など夜が舞台になっている曲がいくつかありますが、この曲は不安を乗り越えた先にある、希望に満ちた夜が歌われているところがたまらなく好きです。それに、セトリ1曲目の「暁」が“夜明け”で、最後を締める曲が「前夜」ってステキでいいなぁ、とも思ったんですよね。
本編最後の曲がシングルではないということになりますが、直近で言うと、UNFADEDツアー本編最後の曲が「∠RECEIVER」だったことに私は衝撃を受けたんですね。なぜ2010年のアルバム曲をあえて2018年~2019年のツアーでラストに持ってきたのか?その意味を考えた時に、この曲で表現されているメッセージが、当時ポルノグラフィティが伝えたかった“覚悟”なのではないか、と私は解釈しました。「前夜」には、これから先も歩みを止めず進んでいこうというお二人の強い思いが表現されていると思うので、25周年記念想定の今回のセトリにはこの曲しかない!とこだわって決めました。
㉓THE DAY(SG曲・2016年・新藤晴一)
アンコールの1曲目には、近年リリースされたシングルの中でも特に人気が高い『THE DAY』を選びました。よく神vs神のライブ音源の『THE DAY』を聴くのですが、この時の昭仁さんの歌声がまぁ凄いんですよね。Cメロの後、ギターソロに入るまでの間奏がCD音源と違って長いんですけど、まるで晴一さんのギターと掛け合うような昭仁さんの「ウゥッ!!」「ウォーーーー!!」「アーーーーー!!!」とかのシャウトの存在感が凄まじすぎて…改めて、声は楽器なんだということをめちゃくちゃに分からせられるんですよ。この曲はライブの中でどんどん進化していると思うので、ぜひとも熱いアンコールで聴いてみたいです。
㉔Please say yes, yes, yes(AL曲・2007年・新藤晴一)
この曲は、途中にファンのクラップのタイミングがあったり、「yes, yes, yes」の部分をファンが歌ったり、ライブで披露されてこそ真価を発揮する曲というイメージです。一時期はライブ終盤によく演奏されていた印象なのですが、最近はあまり披露されていないようなので、久しぶりに聴けたらテンション上がるだろうなぁと思って選んでみました!
㉕ジレンマ(CW/AL曲・2000年・ハルイチ/シラタマ)
・ポルノのアンコールのラスト1曲と言えば、やっぱり「ジレンマ」!最近「ライラ」がラストに披露されることもあって、途中のサポートメンバー⇒晴一さんのポルノ曲しばりなソロ回しも楽しいんですが、ポルノのライブに来たならばやはりアホにならなきゃ終われない!という思いが強く、今回は「ジレンマ」にさせていただきました。
終わりに
当初挙げた「新旧ファンが楽しめる」「歴史を感じられる」「ファンを驚かせるサプライズ」「作詞・作曲の組み合わせを多彩に」「自分の好みも反映する」という5つのコンセプトに基づいて考えてみましたが、いかがでしょうか。
今回、自分が考えたセトリを振り返ってみると、後半にファンが声を出して歌える曲が集まっていて、どんだけ叫びたいんだと思いましたが(笑)やっぱりポルノのライブは会場が一体になってこそ、なんですよね。以前と同じようにというのはなかなか難しいかもしれないけど、躊躇いなく声を出してライブを楽しめる日が来ることを願うばかりです。
考えるにあたって、このセトリ順に組んだプレイリストを何度も聴き直したり、「稲妻サンダー99」「ネガポジ」「Century Lovers」のアゲアゲ曲全部盛りメドレーを入れたかったけど泣く泣く断念したり、「この曲どうだろう?あんまやるイメージないし!」と思って調べてみると、大体UNFADEDツアーでやっていて頭を悩ませたり…といろいろ試行錯誤しましたが、そんな時間も総じてとても楽しく、幸せでした。
今回の試みは、25周年記念のセトリを予想しているわけではないし、「この曲をやってほしい!!」と強めにアピールしたいわけでもないし、何かに影響を与えるような類のものでもありません。言ってしまえば自己満足に過ぎないのですが、改めてポルノグラフィティの楽曲の魅力を発見・再確認するという目標は達成できたかなと。これから先、ポルノのライブに足を運んだ時に、また違った目線での楽しみ方もできるような気がしました。そして、この記事を読んで、「この流れめっちゃいいじゃん!」とか「あーわかるわかる」とか思ってもらえるポイントがひとつでもあれば嬉しい限りです。
非常に長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
※LINE MUSICで同セトリのプレイリストも公開してみました。