〜 もしゃの実 〜
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪
〜 もしゃの実 〜
森の奥の、そのまた奥にある森の中
果物がたくさんなっているその森の中にある、とある実
人が突然失った声を取り戻してくれる、不思議な実
とても美味しくて思わず『美味しい!』と、忘れてた言葉を思い出させてくれる不思議な実らしい
青々とした鮮やかな葉っぱの横には、動物たちが今日も穏やかに食事をしている
可愛いうさぎに、しか、もぐもぐと美味しそうだ
その様子をこっそり見ている私は、ここに4ヶ月前から住んでいる
なぜ住んでいるかと言えば、さっきも話したが私は母の声を取り戻す為、ここにいる
1年前に体調を崩したからなのか、突然声を失ってしまった
それからは、筆記で話をし、少し元気がなく笑顔が減った
あらゆるお医者様にも診てもらったが、なかなか良くならず
お医者様は、特効薬を持っているのだが希少性のあるもので、とても私達庶民が買えるようなものではない
しかし、原料となる実がある事を、お医者様に教えてもらった私は、自分で取りに行くことを決め、さっそく旅に出る準備をした
お医者様曰く、夏に入る前に実を付けるという『もしゃの実』
森の奥の、そのまた奥にあるため、なかなか取りに行く事も出来ず、実もいつ成るのかが分からないので、あまり取りに行くことが出来ないそうだ
これだけでも、その薬の希少性が分かる
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今日も、実が付いていないか確認しながら歩いていく
ふと、どこから果物が完熟したような、お菓子の甘い香りのような、甘ったるい香りが漂う
私は、香りに惹かれるまま歩みを進める
たぶんあの木々から香ってくる
近づきながら、目を凝らしてよく見てみると、お医者様に見せてもらった絵と似た実が付いているではないか
私は、急いで走り寄り持ってきた絵と照らし合わせながらガッツポーズをする
『あった!これだ!』
もしゃの実を見つけた私は、他にも困っている人がいるだろうと3分の1だけ詰んで持って買えることにした
これで、また母と話が出来る
心躍る私は、急いで家へと目指す
家に着くなり、お医者様のところで薬を一緒に作る
お医者様は目を丸くしながら、私の取ってきた、もしゃの実をまじまじと見ては、よく頑張ったねと言い薬を作った
数は多くないが、何人か分の薬も出来たので、私に報酬も下さった
3日間飲み続けるだけで、声が元に戻るという嘘のような魔法の薬
私と母は半信半疑のまま3日過ごすのだった
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翌朝、いつもと変わらずダイニングへと足を運ぶ
『おはよう』
私は、足を止め、目をパチリとさせる
『おはよう。ありがとう』
その声は、紛れもなく母の声
懐かしい声に私は涙を流す
『声、戻ってる!』
『うん。ありがとう。本当にありがとう』
そういって私と母は抱き合い、喜びを分かち合った
気が済むまでずっと
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終
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