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〜 いつもの道で 〜
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物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪
〜 いつもの道で 〜
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明るい陽射しが、今日も可愛いあなたを照らす
元気に走り回るあなたは、ケラケラと笑い、こちらを振り向き早くおいでと手を振ってくる
『ママ!はやく!こっちだよ』
『待って。そんなに走ると転んじゃうよ』
『だいじょうぶだもーん』
あなたは、くるりと向きを変え、また走り出す
公園へ行く道を、今日ものんびり歩いていく
いや、走っているというのが正しい言い方だろう
車が通らない細い路地を抜けると、いつもの公園が目の前に広がる
近くの公園では、だいぶ大きい方なので、たくさんの親子や犬の散歩をしている人たちで賑わっている
少し歩くと大きな噴水もあり、夏場はそこで水遊びをして楽しんでいた
その噴水を抜けると、更に大きな広場がある
ダンスをするもの、ボール遊びをするもの、犬と戯れるもの、ゆったりした時間が過ぎていくこの公園は、地域の憩いの場になっているのだった
『ママー。あっちの、おはないこうよ』
『何の、お花が咲いてるかな?』
『わぁい』
ちいさなあなたは、嬉しそうに花畑の方へ走っていく
毎日のように来る公園は、もはや自分の家にある庭かのように、知り尽くされた道のりをひたすらに歩いて行く
·
しばらく歩くと、大きな風車が見えてくる
静かに流れる風が、その大きな羽をゆっくり回す
ゴトゴトと音を立てながら回る風車の下に広がる花畑には、鮮やかなピンクや白のコスモスが咲き乱れている
『わぁ!みてみて!ピンクのはながいい』
『可愛いね』
ゴトゴト動く風車の下で、可愛く咲き誇るコスモスは、私達の心を穏やかにする
ゆっくり観賞し、ゆっくり歩く
たまにそよぐ風は少し冷たく、さっきまで走って火照った体を優しく冷ましていく
つい最近まで、汗だくになって遊んでいたと思うと、季節の流れをとても愛おしく感じるのは、歳をとったせいだろうか
しばらくコスモス畑を楽しんだ私達は、もう少し奥へと向って行った
赤いレンガの道を、スキップしながら進む
ちいさなその手を左手で握りしめて、歌を歌いながら元気よく次の目的地を目指す
大きな遊具のある広場へ出た私達は、滑り台めがけて走り出した
『どっちが早いかな?』
『わたしだもん』
『よーい。どんっ!』
一生懸命に走り出すあなたを見て、私は自然と優しい気持ちになる
いつしか、大きくなった時にいい思い出になるのだろう
などと、少し感傷的になりながら、滑り台へと駆け出した
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すっかり陽も暮れる頃、そろそろ帰ろうと、あなたの手を引く
ちょっと疲れたようで、右目をこすりながらあくびをしている
『お家に帰ったらお風呂に入ろうか』
『ねむい』
『ご飯食べてから寝よう?』
『やー!ねる!』
どうやら、ちょっとご機嫌斜めのようだ
あれだけ走り回って、遊んでいたのだ、さすがに私も疲れて来ているので、その小さな体では、もっと疲れていることだろう
こうなると、帰り道は抱っこになりそうな予感がする
しばらく歩くと、手を繋ぐ左手が引っ張られた
『どうしたの?』
そろそろ抱っこしてと言われるだろうと思った私は、少し体制を整える
しかし、私の予想とは違い、振り返ると、道端に咲く黄色い花を見つけたあなたは、私の手を離して花の方へ近寄って行った
『かわいいね』
そう言って、まじまじと見るあなたを、私は目を細める
そして一緒に座り込み、黄色い花を一緒に見る
『可愛いね』
『ママみたい』
『え?』
『かわいいもん。おはなも、わらってるみたい』
『ふふ。ありがとう。歩ける?』
『あるけるもん』
『そう?抱っこいらない?』
『おはなみたから、だいじょうぶ』
パッと私の手を引いて、あなたは私を引っ張っていく
いつもの道の、いつもの帰り道
いつもの道が、少し成長した気がした帰り道になったのだった
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終
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