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それは本当に運なのか

「ボトムCXで集中外した!運悪い!」
友人との気軽なプレイで良くあるすーさんの言葉(だと思います)
一方大会では余程のことがないと口にしないように心掛けています
【運が悪い】のは、本当に【運】なのか
今回は真剣に考えたいと思います
対戦よろしくお願いします

目次
それでも運が悪いときもあるよね
確率と直感と○○○と
対戦相手と自分の選択と
まとめと次回予告


『それでも運が悪いときもあるよね』

世の中には回避出来ない、本当に運が悪いパターンも存在します。例えば友人はショップ大会にて11枚中5枚CXの山で上6枚にCXが無くて6点貫通しました。この山について単純に考えると、CX5枚と非CX6枚で構成された山であり、(計算が正しければ)462通りの中で極めて稀なパターンを引いたことになります。約0.2%の確率であり、流石にこれは運が悪かったとすーさんは思います
(悪いのはシャッフルでしょ?と思った人へ。シャッフルは無作為にお互いのプレイヤーが行うため自分独りで完結しない行為、またシャッフルでCXを均等にする行為は不正行為にも繋がります。あくまで山札はランダムになっているという前提が無いと確率の話に出来ないので、飲み込んで下さい。飲み込めない場合は不正を疑われないような上手いシャッフルを教えて下さい)
因みに上6枚に限定せず6点通るのは特殊なパターンを考慮しなければ約1%です。多分

少し視点を変えて「同じ山の条件で、4点通るのはどのくらいの確率か」ということを考えましょう
例として、キャラ3面がそれぞれソウル2点アタックした時に1面キャンセルすれば4点が通ることになります
どのくらいの確率で4点が通ると思いますか?直感でお答え下さい。ヒントとして、ボトムCXで集中外す確率は20%という結果を提示します……と言われても数値で即答することは難しいでしょう。すーさんは無理でした
そこで選択肢を用意します。直感を信じて選びましょう
(これ以降集中で捲る枚数は4枚とします)

A ボトムCXで集中外すよりも確率が高い
B ボトムCXで集中外すよりも確率が低い
C ボトムCXで集中外すことと同じくらい

あなたはどれを選びますか?


『確率と直感と○○○と』

選択肢から1つ答えを用意しましたか?
深読みしたいカードゲーマー魂を抑えて気楽に浮かんだ直感を信じて下さい
計算結果はこちらです

こちらかなり雑な計算ですが、約20%と算出されました。つまり選択肢「C」のボトムCXとほぼ同じ確率ですね(計算方法など間違いありましたら必ず教えて下さい。本当にお願いいたします)
すーさんは全力で外しました。まぁだいたい10%くらいだろと信じて計算してました

読者の皆様は確率と直感がズレましたか?それとも一致しましたか?
もとより、4点が通るときの条件設定がしっかり決まっていないのでこの質問は答える価値が無い!と切り捨てることなく考えていただけましたか?
ここですーさんが伝えたいことは
「確率と直感はズレやすい」
ということです

確率と直感がズレてしまう理由の1つとして認知バイアスが挙げられます。認知バイアスとは、凄くざっくり言えば「先入観」、誤解を恐れず言えば「勘違い」のことです
現象1つを取り出して比較すればほぼ同じ確率ですが、そこに至るまでの過程に大きな差が出てきます
「調整するつもりは無かったけど、山札が5枚になった。まぁ集中は当たるだろう」
「山札の圧縮を頑張って、11枚中5枚のCXにできたぞ、これならキャンセルしてくれる」
とこのような意識は生まれていませんか?
本来は確率計算において関係ない要因まで含めて考えていませんか?

他にも認知バイアスとして
「いつも当たるから今回も当たるだろう」
(集中が当たること前提で行動している:恒常性バイアスの派生)
「なんとなく外れる気がしていた」
(結果を知ってからその結果になることを知っていたように振る舞う:後知恵バイアス)
「あのとき運が悪かったから試合全体で運が悪かった」
(出来事で感情が大きく揺れた場面と出来事の最後を印象強く思い出すこと:ピーク・エンドの法則)

このバイアスは悪いものでは無くて脳がストレス軽減のために行う防衛機能です
つまり、誰しも感じることだと言えます
認知バイアスが悪いのではなく、認知バイアスに歪められて出来事を考えてしまうことに注意が必要です

非常にシンプルな言い方をすれば
「余計な先入観があると正しく物事を判断出来ないよ」
ということです


『対戦相手と自分の選択と』

認知バイアスの話をすると
「相手がキャンセルしすぎて萎えたー」
このような考えも認知の歪みでそのように感じるのかもしれません。ここのアタックで相手のレベルを上げないと厳しい、という場面で相手のキャンセルに対して「相手の運良いなぁ!比べて俺は運が悪いなぁ!」と考えたくなりますが、そこをぐっと抑えましょう

本気で試合に勝ちたいのであれば
【対戦中に自分の結果について「運が悪い」は禁句です】
メンタルやバイアスの話ではありません
対戦相手にかなりの情報アドを与えることになります。それは、試合中「運が悪い」と刃発言することで相手へ「自分は出来る限りのことをやりましたがどうにも出来ませんでした」と伝えていることと同義になるからです

「ボトムCXで集中外した!運悪い!」

「頑張ったけど想定外でした!」
「思考停止して運のせいだと言います!」
「これ以上の策はありませんでした!」

対戦相手は20%で起こり得ると瞬時に判断出来る情報に加えて「私は現状のデッキについてのケアが出来ません!」と高らかに宣言されました。その隙をついて攻められます

それでも「運が悪い!」となる場合だってあります。統計学では5%や1%を判断基準にしますが、試合中には正確な判断がなかなか出来ません。寧ろ今発生した現象の解明に思考能力を費やすよりも、フォローする方法について考えたほうが状況を回復しやすいです

まぁ、これならフォロー出来ますよ、と涼しげな雰囲気を出して強がりましょう
本当に確率的に珍しい場合は相手が驚いたり困惑したりするので安心して下さい

そしてもう1つ見落としてはならない重要な点があります
【集中を使うことを選んだのは誰ですか?】ヴァイスにはまだ精神隷属器やエムラクールは居ないので対戦相手の行動を指図することは不可能です
最終的に行動を選択したのはプレイヤーであり、リスクに対する認識の甘さとも言えます
集中外したのは確かに運悪いことかもしれません。しかしそれを口に出す理由は相手に
「私はリスク管理が下手です!」
と知られることよりも重要ですか?

先に述べた友人のキャンセルについては、相手が行動した結果生じた出来事であり、友人自身は椎名拳か諭吉などの特定のカウンターでしか介入できません
加えてこの場合は、椎名拳を打つとダメージが通る確率も一般的には上昇します
(使用タイトルはたしかごちうさなので諭吉はありませんでした)

つまり、【自分の行動について生じた結果】と【相手の行動について生じた結果】には明確な区別がつけられます
(相手の行動なら文句言っていいのか、と早とちりしないでいただきたいです)

凄く冷たい言い方をすれば
自分で勝手に背負ったリスクについて望むリターンを得られないからって文句言うなよ
優しい言い方をすれば
自分の行動なら、試合が終わった後で反省会を開いて本当に運が悪かったのか確かめよう



『まとめと次回予告』
ぶっちゃけここを見れば主張は充分伝わります

【実際に「運が悪い」ときは存在します】
【人間は先入観やバイアスで正確な判断が出来ないときもあります】
【試合中に「運のせい」と嘆くよりも、改善策を探そう】
【試合後に振り返りをすることで、「本当に運のせい」なのか確かめよう】

似たようなテーマですが、次回は
「プレイングミス、通称プレミ」
について語りたいと思います

ここまでありがとうございました!!
















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