タイパ志向の高いZ世代
いろいろMAGAZINE、今回は「Z世代」をテーマにお送りしますが、
その中でも、Z世代の「消費行動」に着目してみたいと思います。
● タイパ志向のZ世代
「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉をよく聞くようになりましたが、
コンテンツは早見やスキップ、家事や買い物もとにかく時短、と日本はかつてない高速化社会に突き進んでいます。
タイパ志向は、Z世代が特に強く持っていると言われています。
理由はやはり、Z世代がデジタルネイティブだからのようです。
たとえば音楽配信だとサブスクで聴き放題のため、好みの曲を探して次々と再生し、歌い出しやサビまで時間がかかる曲は、待たずにスキップ。
昭和と比べて今のヒット曲はイントロが短縮されているものが多いのでは、という考察がありました。
Netflixなどで配信されるドラマや番組、学校のオンライン講義なども倍速で視聴。
映画はネットで先に結末を調べて、面白そうだったら観に行く。
TikTokやインスタの普及で、短時間、短文のフォーマットも定着しました。
倍速消費を促す環境があり、それに適応しているZ世代が、タイパの流れを牽引しているみたいです。
● Z世代を振り向かせるには?
そんなZ世代を相手に、普段の仕事ではどんなことを意識していけばよいのでしょうか?
個人的には最近Web動画を作る案件が多いので、溢れかえる動画の中で
どうやったら見てもらえるのか、サムネや冒頭のシーンで惹きつけるにはどうすればよいのか、よく考えています。
これはとても難しいですが、好事例として紹介されているものには、こういうところにワザがあるのかなと思います。
そこで、いくつかの事例の中からヒントを探してみます。
● 事例から見つかるヒント
①画のインパクトでつい見ちゃう
<日清食品グループCM>
日清といえばなCMたちは、ビジュアルもコピーもインパクトがあってなんか見てしまいます。
わかりやすく印象に残りますね。
②冒頭シーンで惹きつける
<JRA×JO1 オリジナルMV>
東京競馬場で撮影したMVは、座席から一気に芝のほうへ飛ばしたドローンで撮影したシーンから始まります。
爽快感があり、競馬場の綺麗さや壮大さが伝わるということで、クライアントからの評価もとても高かった映像です。
③ふむふむなコピー
目に留まるコピーも3連発です。
●「子どもが苦手なものは一度揚げてみる。」
<日清オイリオグループ>
とりあえず揚げたら食べられるんじゃない?
日清オイリオの食用油を使って、揚げ物をつくって、おいしく食べて、元気になろう!という想いをこめたキャッチフレーズ。
●「元彼の目覚ましが、夫を叩き起こし続ける。」
<パナソニック>
世界No.1長もち乾電池「エボルタNEO」が目覚まし時計を動かし続けています。
●「ハマリ役にはハメた誰かがいる。」
<イー・スピリット>
私も依頼したことがありますが、キャスティング会社イー・スピリットのコピーです。
書いたライターたちの取材を見ると共通していたのは、実体験から着想したものだということでした。
カッコつけたコピー、売れるコピーを考えようとするのではなく、まず自分自身が動くかどうかが重要で、そのためには嘘をつかずに正直な気持ちを言語化することを意識するんだそうです。
● おわりに
膨大な情報量から、好きなものを瞬時に取捨選択することが得意なZ世代。興味を持ってもらうには、「わかりやすく、面白いもの」であることが特に重要なのかなと思いました。
それを考えるのが難しいんだよ・・・というところですが。
Z世代にフォーカスして事例を見るときの1つの着眼点になればと思います。
次回もお楽しみに!
参考)
「タイパ」とは何か?──ドラマや映画を倍速再生する人が知っておくべきこと
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2022/05/post-98758_1.php
宣伝会議賞
https://senden.co/history/59/student
「倍速ニッポン」識者に聞く 生活や消費どう変わる?
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD095KV0Z00C22A9000000