レーサム元会長の田中剛氏とは?会社概要や事業についても紹介
今回紹介する田中剛氏は、株式会社レーサムの会長を務めてきた人物です。レーサムは、自らを「不動産価値創造企業」と称していて、不動産が将来にわたって価値を生み出せるように取り組んでいる会社です。
このレーサムでずっと手腕を振るってきた田中剛氏はどのような人物なのか、あわせて株式会社レーサムという会社についても調査してみました。
田中剛氏のプロフィール
名前:田中剛(たなかつよし)
生年月日:1965年5月12日
田中剛氏の経歴
《レーサム設立》
田中氏は、1992年に株式会社レーサムリサーチを設立しました。これは、現在の株式会社レーサムの前身です。その後、1999年10月にはグローバル債権回収株式会社を買収し、100%子会社化しました。
2000年9月には、国有不動産の入札が初めて実施され、レーサムリサーチが落札に成功しました。このときの入札の条件として証券化が挙げられており、レーサムリサーチは日本初となる国有財産の不動産の証券化を果たしたことになります。
このことで、「レーサム」という会社と、その代表の「田中剛」という名前が世間に広く知られるようになりました。
《9年間で上場に成功》
日本初の国有不動産証券化を行って注目を集めたレーサムは、その後も順調にビジネスを進めていきました。
そして、2001年にはIPO(新規株式公開)を行い、JSDAQへの上場を果たしました。会社を設立したのは1992年のことなので、わずか9年で上場企業に持っていったということになります。上場日には注目の存在となっており、レーサム株の売買は153億円にも達しました。当日のマーケットの売買の4割ほどを占めたとのことです。上場当日から、いかに人々の関心を集めていたかが伺える数字でしょう。
《レーサムは新しい時代へ》
2018年に、田中氏はレーサムグループ全体を率いる取締役会長に就任し、2021年に辞任しました。後進に道を譲ることにしたわけです。そこから、レーサムは第2章ともいうべき、新しい時代に突入していきました。
田中剛氏が考える7つのレーサムイズム
レーサムの元会長である田中氏は、創業当時に「7つのレーサムイズム」を打ち出しました。田中氏が退任した後も依然として、このレーサムイズムは社員に脈々と受け継がれています。
その7つのレーサムイズムは、以下のようなものです。
真にお客様のためになる不動産は、社会の優良資産にもなる。
真に社会のためになる不動産は、お客様の優良資産にもなる。
過去の成功体験を捨て、未来からの逆算で考える。そうしなければ、
社会に必要とされ、かつ資産価値を生む不動産は創れない。
紋切型を排する。お客様×物件の数だけ理想形がある。
1件1件オートクチュール。社内の知を結集し、理想を実現する。
“面倒”を厭わず、むしろみずから“面倒”に突っ込む。
“面倒”の先にこそ、新しい価値が生まれる。
安易なスクラップ&ビルドは、文化と社会を破壊する。
受け継ぐべきものを受け継ぐために、全力を尽くす。
売って終わりは、お客様に失礼。
中長期の価値向上に尽くしてこそ、レーサムの仕事である。
お客様との信頼関係、地域・社会との信頼関係、そして社員同士の
信頼関係。レーサムにとって、これ以上に大切なものは存在しない。
レーサムの事業を紹介
《レーサム ゴルフ&リゾート》
レーサムは、これまでいろいろな事業を手掛けてきました。
例えば、群馬県安中市にあるゴルフ場の救済があります。そもそもこのゴルフ場は、上毛新聞と佐鳥グループを母体として運営されていましたが、2003年に経営難により破綻します。その救済に乗り出したのが、田中氏率いるレーサムでした。
その後、レーサム ゴルフ&リゾートとして復活し、2008年には「第76回日本プロゴルフ選手権大会」の舞台にもなりました。この大会で、片山晋呉プロが大会新記録の23アンダーを叩き出して優勝しました。また、あの人気の石川遼選手がプロに転向して初めて参加した公式戦ということでも話題になりました。
《京都1928》
京都市には、毎日新聞社京都支局のビルがあります。1928年(昭和3年)に作られたために、京都1928ビルともいわれます。この築90年を超えるような建物の改修工事を手掛けたのも、田中氏率いるレーサムです。他にも、京都市登録文化財に指定されているような物件の再生も手掛けています。改修の結果、伝統的な部分は引き継ぎ、改修によって付加価値を生み出すことに成功しました。
《THE SCAPE》
東京都渋谷区広尾に、「THE SCAPE」と呼ばれる高級賃貸マンションがあります。こちらも、レーサムが手掛けた物件です。
もともとは、サービスオフィス物件だったのですが、レーサムは眼前に広がる旧薩摩藩の下屋敷の庭園に目を付けます。この緑豊かな景色を、すべての部屋から眺望できるようにフルリノベを行いました。その結果、高級賃貸マンションとして生まれ変わり、高収益物件となりました。
まとめ
田中氏が築いたレーサムは、さまざまな不動産事業を展開しました。その結果、これまでに紹介したように、破綻や価値が減少していた物件を、生まれ変わらせることに成功しました。
田中氏はレーサムの会長を退任しましたが、彼のイズムを引き継いだ社員がさらに会社を発展させることでしょう。
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