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スワンキング感想とルートヴィヒについて

 6月10日の東京公演、夜の部を観た。私はA.B.C-Zのファンなので、橋本良亮さんが主演ということで足を運んだ。私にとって今回が初のミュージカル観劇になった。題材は近世ドイツの王、それも狂王と呼ばれているルートヴィヒ2世についてで、興味が湧いたので観劇前に彼についての本を読んだ。まずはその本で印象的だった話について書く。

ジャン・デ・カール著・三保元訳

 これは読み物として本当に面白かった。ルートヴィヒの幼少期や家系についての話、ワーグナーに出会うまでやシシィとのやりとりも詳しく書かれているので、興味のある方はぜひ読んでほしい。な〜んたること!を歌っているプフォルテン・プフィスタマイスターとワーグナーとの戦い(?)も面白いのでぜひ。
 印象に残った話はいくつかあるけれど、私がルートヴィヒを語る上で外せないと思うのは彼が同性愛者だったということだ。ルートヴィヒは同性愛者で美青年を好んだ。ソフィーとの婚約によって同性愛を克服(あえてこの書き方で)するつもりだったが駄目だったのではないか、といった見解が本では紹介されていた。舞台では描かれていない面なので、これを知るとまた違った見え方になると思う。スワンキング劇中で一瞬出てきたホルニヒは彼のお気に入りの青年だった。
 また、ルートヴィヒは女性について「女性を愛するなら、石でできた女性が良い」とのようなことを言ったという記録もあるそうだ。これはソフィーとの式を3週間後に控えた中での発言であり、劇中後半の、石像に語りかけるルートヴィヒはここから来ているのだと思う。ルートヴィヒが同性愛者だったという点について特に描写のなかったスワンキングは、また違ったイメージのルートヴィヒを描いていると思ったので興味深かった。その辺りについてのG2さんの話も聞きたいと思った。 
 
 ワーグナーの死を描かないままルートヴィヒの死を描いたことに驚いた。ワーグナーはルートヴィヒの人生に大きな影響を与え、狂わせた原因であり、ワーグナーの死はいっそうルートヴィヒを空想の中にのめり込ませた。ただ劇中ではワーグナーの死が直接描かれてはいなかったものの、ルートヴィヒが亡くなる場面でワーグナーも現れていたのでルートヴィヒの夢の世界のみに生きている、という解釈ができる。(確かここでは狂っていないオットーやテレーゼもいた気がする。このことが尚更ルートヴィヒだけの夢の世界ということを描いているのかも)ワーグナーの死を直接描かずに湖のシーンで登場させることで、尺の中に収めてなおかつルートヴィヒの望む、現実ではない世界を描けたのだと思う。凄く腑に落ちた。

 ここからは役者さんについての話をする。ただ観劇からだいぶ時間が経ってしまったので一番記憶に残っている橋本さんについてのみ書く。橋本さんが出てきた時には、あまりにも青年のルートヴィヒのイメージにぴったりだったので鳥肌が立った。台詞を歌にのせることで出る凄みのようなものを生で感じられて良かった。橋本さんの普段の歌はよく聴いていたけれど、ミュージカルの歌い方の橋本さんという新たな橋本さんが観られて本当に良かった。他の錚々たるキャストの方々の中で主演を張っている橋本さんは堂々としていて、王としての説得力が確かだった。
 私は今回、一回しか観劇できなかったので、もっと衣装や音楽や演出について見ておきたかったし、それらについての話もしたかった。複数回観て全ての役者さんをよく観たかった。本当に良かったので少し時間が経ってから再演してほしいし少し変化を加えた脚本も観たい。
 
 舞台のブログっていいな〜と思ったので自分用のメモとしてこのnoteを書きました。今後も何か観たら書くようにしたいと思っています。そしてシンプルに綺麗で読みやすい文章が書けるようになりたいです。あと当たり前だけど舞台見てすぐに書くべきだと反省しました。勘違いとか誤りがある部分があったら教えて下さい。よろしくお願いします。読んで下さった方、ありがとうございました!!!


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