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【本編】初めての自然妊娠で子宮外妊娠。妊娠発覚した翌日、緊急手術で卵管を切除しました。【その壱】

昨日の記事からのつづきになります。
(今日、妊娠検査薬で陽性が出た。)

嵐の前の静けさ。

前日のクリニックにて、胎嚢が確認されなかったため、
ドクターに提示されていた可能性は3つ。

①これから胎嚢が成長してくる可能性
②流産になる可能性(もしくはしている?)
③子宮外妊娠の可能性

市販の検査薬よりも精度が高い尿検査を受けて、この日は帰宅した。結果は次回。
始めての妊娠。自分の体では子供は望めないのではと思っていたこともあり、自然妊娠が出来そうだということは、なんとも言えない喜びと不安とが入り混じった気持ちだった。

相変わらず下腹部はジンとした痛みを時折見せるが、大人しくしていれば感じられない程度だった。

自分の体でも、子供が出来るのかも。それは望外の喜びで、わたしは自分が考えていた以上に、なんだかんだで子供は欲しいって思っていたんだな、と思い至った。

翌朝、自体は急変する。

5/9 7:30ごろ
目がさめる。
トイレに行く。
血はあまり確認されない。
一安心する。
もう一度布団に横になる。

途端右下腹部の疼痛、吐き気、寒気、脂汗、冷や汗が出てくる。
ドクターに言われた言葉が頭をよぎる。
『もし、出血があったり、腹痛が酷かったら直ぐに来て下さい』

予約を当日9:30に変更する。
夜勤から帰ってきている途中のパートナーに、状況を報告する。
それからの時間は、布団の中で震えたり暑くなったり、唸ったりしてただただ時間が過ぎるのを待つ。

5/9 8:00ごろ
パートナーが帰宅する。
わたしも、少し楽になり改めてクリニックにあさイチ行くとを話す。

今日も夜勤の仕事なのに、付いてきてくれると言ってくれる。
昨日だって、付き添いしてくれて全然寝れてないのに、そういった対応をしてくれるのが嬉しい。

5/9 9:30クリニックに到着する。
史上最長の10連休GWが開けた今週は、人がごった返しているようで、そこからまた数十分待機。

ドクターと対面する。
曰く、昨日測った妊娠の数値は1800と高めであった。
昨日の時点では、まだ数値は分からなかったが正直低いだろうと思っており、流産の可能性が一番高いと考えていた。
予想に反して数値が高く、
胎嚢が確認されないため子宮外妊娠の可能性が一番高い。
その場合、大きい病院で改めて検査をし、子宮の状況によっては緊急手術を実施するかもしれない。

子宮外妊娠なら、異常妊娠なので今回子供は望めないと説明を受ける。

クリニックのドクターから、病院に連絡をして受け入れ可能かを確認し、紹介状を書くので、今日この後市民病院へ向かうよう指示をされ、手配が終わるのを待機。

その際、最後の食事と飲み物をとった時間を確認される。
朝食はとっていない。水分は、今朝9:00ごろが最後だった。
手術の可能性があるため、そのまま絶食を申し渡される。(水分は舐める程度なら良いとのこと)

そのクリニックでは付き添いは別部屋に待つことになるので、パートナーに状況を連絡。
緊急手術になった場合、親族に来てもらわないとならない。彼とはまだ結婚をしていないので、父か母に連絡を取らなければ。

5/9 11:30
紹介状を受け取り、タクシーで移動する。
途中、ようやく母と連絡が取れ事態を説明する。
母は仕事の関係で、15:30でないと来れないようだ。
自分の職場にも連絡を入れる。
父には、市民病院での検査が終わったら連絡することにした。(まだいろいろ、希望を持っていたかったのかも)

今日は朝の腹痛の後、なんとか歩けるくらいにはなっていた。
が、市民病院の産婦人科へ着き次第、車椅子に乗る。
待ち時間なしで検査室に入ると、先生たちが4人ほど待ち構えている。
エコーの検査を受ける。やはり、右側が痛い。時折唸ってしまうほど痛くなっていた。

結果は、やはり子宮外妊娠。緊急性が高く、今日手術をしなければならない。

検査が終わり、浴衣に着替える。
診察室へ移動。母はまだなので、パートナーと話を聞く。
親族への説明よりも、手術を優先するためだ。

・右側の卵管に受精卵が着床している
・血も溜まっている
・卵管では受精卵は正常に成長することができない
・今のタイミングで、卵管が破裂している可能性もある
・腹腔鏡手術を行い、問題の部分を切除、血も取り除き、止血をする
・着床している場所が子宮に近い場合は、子宮も少し切る可能性がある
・腹腔鏡手術では、お腹に小さく切り込みを入れて、そこからカメラを使ってお腹の中の手術をする
・切り込みは、おへそ一箇所と下腹部三箇所
・手術は全身麻酔で行う
・早ければ3日ほどで退院できる

その話を受けながら、合間合間にバタバタと採血や点滴をセットしていく。かなり慌ただしさを感じて、自分はそんなに危険な状況なのかと不安になった。
ちなみに、パンツも脱ぎオムツのようなものをつけてもらった。32年ぶりのオムツである。

採血ではかなり血を抜かれたようで、
その後説明が再開されたときにショックもあり貧血のような状態になる。
横になり、手術や万が一の輸血についてなどの同意書の説明を受ける。

キャスターに乗せられて、レントゲンと心電図を撮りに行く。
パートナーはコンタクトの保存液を買いに行ってくれた。

とにかく、慌ただしい。
だが、その時はまだ自分に余裕があった。
キャスターに乗って、乗り物好きだから揺れても回転しても大丈夫ですと笑ったり、心配するパートナーに変顔してみたり。

手術後にエコノミー症候群になるのを防ぐため、メディキュットのようなものを履かせてもらう。
これ、履いた瞬間足が楽で、ほしい!となる。持って帰れるらしい。嬉しい。笑

5/9 14:05ごろ
手術室が空くまでの間、病室で待機することとなった。

息つく暇もなく、手術室へ

待機時間中、急いで両親と職場に連絡をする。
父にも経緯を説明する。直ぐに向かってくれるようだ。
両親ともに、15:30ごろには到着するらしい。

看護師さんから14:35に手術室に入ると告げられたのは10分前だった。
本当に緊急なんだな。
市民病院ついたのが12時頃。
それから2時間半であれよあれよと言う間に手術だ。

コンタクトを外し、ぼやける世界の中パートナーが見送ってくれるのを見て、手術室に入る。

おお、よくテレビで見る『手術中』のランプがついてる。
なんだか、折角滅多に入れない場所に入るのだからメガネでもしてよく見たいなあと思った。意外と呑気である。

呼吸器を装着する。
心電図、酸素濃度を測る器具を付ける。
麻酔科の先生により、点滴で麻酔を受ける。
一拍、二拍ほど置いて気持ち悪いような、痺れるような感覚に陥る。
咳も出てきて、異常なことが起きたのかと不安になる。
先生より、咳は問題ありませんよ。と伝えていただく。
そのあと数秒ほどしてから、記憶がプツンと途切れたのだった。

呼びかけられて、目が覚めて。

名前を呼ばれる。
意識が浮上する。
瞬間、お腹に痛みが走る。

手術は無事終わりましたよ。告げられる。

自分のいた部屋から移動し始めると、控室から父と母、彼が出てきた。
その瞬間、初めて泣いてしまったのだ。
自分でもなんで泣いたのかはわからなかった。
やはり不安だったからなのか、怖かったのか、悲しかったのか。

病室にはいる。
ベッドに移動し、看護師さんがいろいろと準備をしてくれる。
左腕には点滴。
トイレにはいけないため、起きる前からカテーテルを通され、呼吸器も付いていた。
カテーテルは人生2度目だ。

足にはメディキュットの上にさらに、血流を良くするための空気ポンプ式のマッサージ機のようなものを取り付ける。
暑くて嫌だという人も居るみたいだが、寒がりなわたしにはちょうど良く、気持ちが良い。
これは暫く付けっぱなしにするようだ。

右腹部には、小さなストローのようなものが刺さっているらしい。
排液?がでるため、そのようにしているとのこと。
患部にはしっかりガーゼが巻かれている。
怖いので見たり触ったりしないことにする。


時刻は16時過ぎ。
手術から、麻酔から覚めるまで1時間40分ほどだったようだ。

両親と彼と話をする。
父にも母にも、妊娠したかもしれないことは伝えていなかった。
(陽性反応が出たのも前日のことだったし)
その分、驚きは大きかっただろう。とても心配をかけてしまった。

わたしの両親は長いこと別居を続けている。なので、こんな時だが2人がそろっていることはなんとなく嬉しく感じてもいた。

彼が、家までメガネやらなんやらを取りに行ってくれた。

手術の詳細や、経過などの説明は、両親とパートナーが聞いてくれているようだ。
血は300ccほど溜まっていたらしい。
卵管は破裂はしていなかった。
予定通り右卵管を切除。子宮は切らずに済んだようで、少し安心する。
妊娠はこれからも可能だが、左の卵管が癒着していると言われる。
これには、心当たりがあった。

両親が帰り、パートナーが荷物を持って戻ってくる。
2人で少し時間を過ごす。
まだわたしたちは結婚していない。父にも、挨拶はしたことはあるが正式にきちんと、というのはしていない。
ふたりで、ちゃんとしようね。と話し合う。
わたしが寂しがるからと、彼のハンカチとネックウォーマーを置いて行ってくれる。
わたしはこれを握りしめて眠ることにした。
(部屋が乾燥してるから、ネックウォーマーはマスクがわりにした。決して匂いを嗅いでいるわけではないぞ)

寝返りを打ってみる

看護師さんから、寝返りは打ってもらって大丈夫と伝えられていた。
身体がむくんだりしてしまうこともあり、打った方が良い様子。

しばらくは不安でそんな気になれなかったが、夜中、仰向けでスマホをいじる手がいい加減限界を迎え、寝返りを決行する。

ベッドの柵を持ち、腕の力と足の力を使って、右を向く。
やった!できた!!あんまり痛くもなかった。
普段は当たり前にゴロンゴロンしてるのに、そんな簡単なことも出来なくなってしまう。
健康でいるって素晴らしいなあとしみじみとする。

だが、足のエアポンプが膨らんだり縮んだり。横向き姿勢にはあんまり優しくなかったのだ。
しばらくはそのままにしていたが、眠る時はやはり上を向こうと、姿勢を変えた。

そして、1人で泣いた。

夜中に目がさめる。
ふと、もしも子宮外妊娠でなかったら、と考える。

妊娠したかもとなったとき、産まれてくるとしたら女の子だな。と確信めいた直感があった。
だから、わたしは女の子を産むんだなあとなんとなく思っていたのだ。

もしそうだったら、名前には『幸』って文字をいれたいな。幸せが来る、で幸来ってどうかな。読み方は、ゆき、さき、とか。

思わず姓名判断とかもしてみる。
おお、いい名前みたいだ。

そして、急に悲しくなる。
涙が出てくる。
強く泣くとお腹が痛いから、静かに泣いた。

泣いてる時に、看護師さんが見回りに来てくれた。
どうしたの?辛くなっちゃったね。
優しく声をかけてくれる。
なんだか、急に悲しくなって。。答える。
落ち着くまでそばに居てくれた。

これにて1日目、おわり。
また、続きを書けたら書きたいと思います。

続き書きました。
【その弐】

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